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▼免疫抑制薬 ※エンドキサン、イムラン、アザニン、ブレディニン、セルセプト、リウマトレックス、アラバ、ネオーラル、プログラフ 免疫抑制薬はステロイド薬に次ぐ第二の選択肢です。免疫系の細胞の働きをじゃまして、膠原病における異常な免疫反応をおさえます。免疫抑制薬が処方されるのは、難治でステロイドだけではよい効果が期待できない場合、あるいは大量のステロイド薬を減らしたいときです。単独で用いるほか、作用の異なる薬剤を組み合わせることにより各用量を減じ副作用を軽減することができます。どちらかというと遅効性で、十分な効果がでるまでに3〜4週間かかることがあります。 エンドキサンは、アルキル化薬の抗がん薬として古くから使用されてきましたが、比較的少量で免疫抑制作用を発揮することから、いろいろな膠原病に応用されるようになりました。適応となるのは、全身性エリテマトーデス、ネフローゼ、多発性筋炎・皮膚筋炎(間質性肺炎を含め)、強皮症、血管炎などのリウマチ性疾患いわゆる膠原病です。重症例に短期大量間欠療法(パルス療法)をおこなうこともあります。 イムランとアザニンは代謝拮抗薬に属します。こちらは、臓器移植後の拒絶反応抑制薬として開発されました。その後、エンドキサンと同様に、治療抵抗性の各種リウマチ性疾患に対する効能が正式に認められています。ステロイド薬の効き目が悪いとき、副作用で増量できないとき、またステロイドの減量をしやすくするために追加・併用することが多いです。 ブレディニンは血液障害などの副作用が比較的少ない代謝拮抗薬です。ネフローゼ症候群、全身性エリテマトーデスにおけるループス腎炎、関節リウマチなどに適応するほか、シェーグレン症候群に応用されることがあります。さらに、セルセプトはループス腎炎に対する標準薬の一つとして、またリウマトレックスとアラバは関節リウマチの主要薬として欠かせません(別項)。 ネオーラルとプログラフは新しいタイプの免疫抑制薬です。カルシニューリン阻害薬と呼ばれ、Tリンパ球の働きをじゃまする作用をもちます。特徴の一つは、他系統に比べ骨髄抑制にともなう血液障害が起こりにくい点です。ループス腎炎やネフローゼに用いるほか、プログラフは難治性の関節リウマチに適応します。医師の判断によっては、その他の膠原病に応用されかもしれません。効果をあげるために、血液中の薬の濃度をチェックする必要があります。 免疫抑制薬は効き目が高い反面、重い副作用を起こす危険性があります。共通の副作用として重要なのが、免疫力の低下にともなう感染症です。免疫抑制作用は主作用であり、副作用でもあるのです。かぜ症状を含め、発熱がみられるときは早めに受診してください。ほかにも、腎障害や肝障害、血液障害、間質性肺炎などさまざまな副作用を起こすおそれがあります。対応が遅れないように、定期的に検査を受けることが重要です。飲み間違いにも気をつけましょう。 ▼免疫調整薬(抗マラリア薬) ※プラケニル クロロキン誘導体であるヒドロキシクロロキンを有効成分とするエリテマトーデス治療薬です。もともと抗マラリア薬として開発されたのですが、その後、エリテマトーデスに対する有効性が見出され、その標準薬として世界的に用いられるようになりました。重い臓器障害は別として、典型的な皮膚症状や筋骨格系症状、倦怠感など全身症状の緩和に効果的です。また、再燃回数が減少するなど、長期管理薬としての有効性も明らかにされています。単独で用いるほか、皮膚エリテマトーデスではステロイド外用剤と併用することが多いです。また、全身性エリテマトーデスの重症例においてはステロイドの全身投与も考慮されます。 日本では、かつてのクロロキン網膜症問題に端を発する長い空白期間のあと、厚労省から必要性の高い薬剤として開発要請があり2015年にプラケニル錠として発売に至りました。クロロキンそのものに比べ組織親和性が低く、眼毒性もそれほど強くありません。10年以上の投与によりクロロキンで2.5%(16/647例)に網膜毒性が認められたのに対し、ヒドロキシクロロキン(この薬)では0.1%(2/2043例)と報告されています。ただし、そのリスクは高用量(6.5mg/kg超)、長期投与で高まることが分かっています。網膜症に注意が必要なことに変わりなく、定期的な眼科検査が必須です。 ▼血管拡張薬、その他 ※プロスタサイクリン薬(ドルナー、プロサイリン、ケアロードLA、ベラサスLA)、エンドセリン受容体拮抗薬(トラクリア、オプスミット、ヴォリブリス)、PDE5阻害薬(レバチオ、アドシルカ)、sGC刺激薬(アデムパス)、Ca拮抗薬(ノルバスク、アダラート)、抗血栓薬(アスピリン、ワーファリン) 全身性強皮症など膠原病に合併する皮膚潰瘍や肺高血圧症の治療に用います。プロスタグランジン系のプロスタサイクリン薬は、血管拡張作用と抗血小板作用の2作用を特徴とし、軽症例からやや重い肺高血圧症(WHO機能分類クラスT〜V)に広く使用可能です。エンドセリン受容体拮抗薬のトラクリアは、肺高血圧症にくわえ、強皮症にともなう手指潰瘍の発症抑制の効能を新たに取得しています。 ▼皮膚潰瘍治療薬(外用) プロスタンディン軟膏、リフラップ軟膏、ブロメライン軟膏、フィブラストスプレー、オルセノン軟膏、ゲーベンクリーム 皮膚潰瘍に対し各種外用剤が用いられますが、局所治療の効果は限定的です。患部を湿潤状態に保ち、治癒を促進させる閉鎖処置が主流となっています。 [PR] 人気の薬系書籍ベスト30 「くすり本NAVI 」
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おくすり110番 |