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成分(一般名) ニフェジピン
製品例 アダラートL錠10mg~20mg、アダラートCR錠10mg~20mg~40mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 血管拡張剤/冠血管拡張剤/高血圧・狭心症治療剤(Ca拮抗剤)

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 血圧を下げるお薬です。高血圧や狭心症の治療に用います。
作用

【働き】

心臓や体の血管を広げて血流をよくします。そうすると血液の抵抗が減り、血圧が下がります。また、心臓の収縮をおさえて、心臓を休ませる働きもします。

おもに高血圧や狭心症の治療に使用されます。血圧を適切にたもつことは、将来起こるかもしれない脳卒中や心臓病、腎臓病を防ぐことにつながります。

そのほか、脳、腎臓、手足、目の網膜など体全体の血流を改善するので、いろいろな病気に応用されることがあります。

【薬理】

血管壁の細胞にカルシウムが流入すると、血管が収縮し血圧が上がります。このお薬は、カルシウムが細胞内に入るのをおさえます。その結果、血管が広がり血圧が下がります。このような作用から「カルシウム拮抗薬」と呼ばれています。
特徴
  • カルシウム拮抗薬に分類されます。この系統は、効き目がよく、また安全性が高いことから、高血圧症に対する第一選択薬の一つとして汎用されます。短時間型と持効型がありますが、一般的には、安定した効果を発揮する持効製剤(L錠、CR錠)が用いられます。
  • 血糖、尿酸、脂質などに影響しません。年齢を問わず広く用いることができます。とくに合併症の多い高齢の人に適します。
  • 持効性のカルシウム拮抗薬を用いた長期臨床試験で、予後改善効果(長生き効果)も認められています。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人、また妊娠中の人は、医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬は、医師に伝えてください。

【注意する人】

心筋梗塞の急性期は、旧来の短時間型カプセル剤の使用が禁止されています。急激な作用により、かえって症状を悪化させるおそれがあるためです。高齢の人は副作用がでやすいので、少量より開始するなど慎重に用います。

  • 適さないケース..急性心筋梗塞(カプセル剤)、妊娠20週未満の人など。
  • 注意が必要なケース..重い腎臓病、重い肝臓病、心不全、不安定狭心症、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。飲み合わせによっては、副作用がでやすくなります。服用中の薬は、医師に報告しておきましょう。

  • 他の降圧薬や利尿薬と併用するときは、血圧の下がりすぎにも注意が必要です。
  • 心臓の薬のジゴキシン(ジゴシン)と併用するときは、ジゴキシン中毒の副作用に十分注意します。
  • ほかにも、抗真菌抗薬のイトラコナゾール(イトリゾール)やミコナゾール(フロリード)、抗けいれん薬のフェニトイン(ヒダントール、アレビアチン)やカルバマゼピン(テグレトール)、結核の薬のリファンピシン(リファジン)、胃の薬のシメチジン(タガメット)、免疫抑制薬のタクロリムス(プログラフ)やシクロスポリン(ネオーラル)など、飲み合わせに注意する薬がたくさんあります。
  • 飲酒は控えましょう。アルコールは、めまいや動悸などの副作用を強めます。
  • グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでるかもしれません。

【使用にあたり】
  • 飲みかたは病状により異なります。また、製剤により飲む回数が違います。医師から決められた飲み方、服用量を守ってください。
  • 割ったり、砕いたり、すりつぶしてはいけません。そのままかまずに飲んでください。
  • 自分だけの判断で、量を減らしたり、飲むのをやめてはいけません。急に中止すると、反発的に症状が悪化するおそれがあります。中止するときは、医師の判断で徐々に減量するようにします。
  • 飲み忘れにも注意してください。万一飲み忘れた場合、2回分を同時に飲んではいけません。

【検査】

心電図検査や血液検査をおこなうことがあります。決められた検査を受けるようにしましょう。

【妊娠・授乳】
  • 妊娠20週未満は使用禁止です。催奇形性や胎児毒性の心配があるためです。けれど、特別に危険性が高いわけではありません。20週以降の妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)に対し、他の降圧薬が効かない場合に用いることがあります。
  • カルシウム拮抗薬には、子宮筋の収縮を抑制し、分娩を遅らせるという害作用があります。これを逆手にとって、早・流産予防薬として応用することがあります。ある報告によると、早産防止のためにこの薬を使用した102人の女性を調査したところ、安全性にとくに問題がなかったということです。

【食生活】
  • 血圧が下がり、めまいを起こすことがあります。車の運転や高所での危険な作業には十分注意してください。
  • 本態性高血圧症では、生活習慣の見直しも大切。減塩などの食事療法、運動療法、肥満があれば体重を落とすだけでも血圧が下がるものです。軽い高血圧であれば、薬をやめられることもあります。できたら簡易血圧計で自宅で血圧測定をおこない、適切に血圧がコントロールされているかチェックすることをおすすめします。
効能
【一般】
  • 本態性高血圧症、腎性高血圧症
  • 狭心症

【CR錠】
  • 高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症
  • 狭心症、異型狭心症
用法

【一般製剤(短時間作用型)】

ニフェジピンとして1回10mgを1日3回経口服用する。症状に応じ適宜増減する。

【持効製剤1(中間型L錠)】
  • 本態性高血圧症、腎性高血圧症..ニフェジピンとして、通常成人1回10〜20mgを1日2回経口服用する。症状に応じ適宜増減する。
  • 狭心症..ニフェジピンとして、通常成人1回20mgを1日2回経口服用する。症状に応じ適宜増減する。

【持効製剤2(長時間作用型CR錠)】
  • 高血圧症..通常、成人はニフェジピンとして20〜40mgを1日1回経口服用する。ただし、1日10〜20mgより服用を開始し、必要に応じ漸次増量する。なお、1日40mgで効果不十分な場合には、1回40mg1日2回まで増量できる。
  • 腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症..通常、成人はニフェジピンとして20〜40mgを1日1回経口服用する。ただし、1日10〜20mgより服用を開始し、必要に応じ漸次増量する。
  • 狭心症、異型狭心症..通常、成人はニフェジピンとして40mgを1日1回経口服用する。なお、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1日1回60mgとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 わりと多いのは、顔のほてり、潮紅、頭痛、動悸(ドキドキ感)、めまいなどです。とくに短時間型の製剤ででやすいです。徐々に慣れてくることが多いのですが、ひどいときは早めに相談してください。もし、胸が痛むようでしたら、すぐ受診しましょう。

長く飲み続けるていると、足の甲がむくんだり、歯肉が腫れてくることがあります。歯肉の腫れは、歯肉をよくブラッシングし口内を清潔に保つことで、ある程度予防可能なようです。

重い副作用はめったにありませんが、短時間型の製剤では、急激な血圧低下による一過性の意識障害を起こす危険性があります。そのほか、血液障害や肝障害も報告されています。以下のような症状に念のため注意してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 過度の血圧低下..めまい・ふらつき、立ちくらみ、冷感、吐き気、嘔吐、気を失う。
  • 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。

【その他】
  • 顔のほてり、潮紅、頭痛
  • 動悸、頻脈、胸の痛み
  • だるい、めまい、立ちくらみ、血圧低下
  • 足のむくみ、歯肉の腫れ、男性の胸がふくれる
  • 肝機能値の異常、発疹、かゆみ

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。