概説 |
血管の働きを改善するお薬です。肺動脈性肺高血圧症の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- 肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、心肺間の肺動脈の圧力が異常に高まり、心臓や肺の調子が悪くなる病気です。ひどい呼吸困難(息切れ)をともない、予後も好ましくありません。
このお薬は、そのような肺動脈性肺高血圧症の治療に用います。肺動脈圧を低下させ、肺の血行をよくして、呼吸困難や運動耐容能を改善します。病気の進行を遅らせる効果も期待できます。

- 【薬理】

- エンドセリンという体内産生物質をブロックする作用があります。エンドセリンは、血管の収縮と拡張の調整役をしていますが、病的な血管に対しては、過度な血管収縮や細胞増殖をもたらし、心臓や肺に悪い影響をおよぼします。
この薬の効果は、そのエンドセリン受容体拮抗薬作用に基づきます。つまり、エンドセリン受容体に結合し、その働きを遮断するわけです。そして、エンドセリン上昇にともなう血管収縮や細胞の増殖・肥大化など種々の有害作用を抑制します。
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特徴 | 肺動脈性肺高血圧症に適応する新しいタイプの治療薬です。その作用機序からエンドセリン(ET)受容体拮抗薬と呼ばれています。WHO機能分類クラスIIIおよびIVの重症例にだけ適応します。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
- 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。

- 【注意する人】

- 肝臓の悪い人は使用できないことがあります。妊娠中は禁止です。
- 適さないケース..中程度から重い肝臓病のある人、妊娠中。
- 注意が必要なケース..肝機能値の悪い人、低血圧、高齢の人など。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、薬の副作用がでやすくなります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。
- 免疫抑制薬のシクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)とタクロリムス(プログラフ)との併用は禁止されています。併用により、この薬の血中濃度が上昇し、重い副作用を起こすおそれがあります。
- 血糖降下薬のグリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)も禁止です。肝臓の副作用がでやすくなるためです。
- 血栓の薬のワルファリン(ワーファリン)の効果を減弱させるおそれがあります。併用に際しては、ワルファリンの用量を慎重に調整する必要があります。そのほか、抗真菌薬のフルコナゾール(ジフルカン)、スタチン系コレステロール低下薬(メバロチン等)、結核の薬のリファンピシン(リファジン)、高血圧の薬のカルシウム拮抗薬(アダラート等)、経口避妊薬など、注意を要する薬がたくさんあります。
- グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでるかもしれません。
- セイヨウオトギリソウ( セント・ジョーンズ・ワート)を含む健康食品はとらないでください。この薬の作用を弱めるおそれがあります。
 【使用にあたり】
- 病状や体重、また治療方針によって飲み方が違います。決められた飲み方を守りましょう。
- 一般的には、はじめの4週間は1日2回朝夕食後に1回1錠を飲みます。副作用の問題がなければ、その後1回2錠に増量します。肝機能値が悪化する場合は、いったん減量して様子をみることがあります。

- 【検査】

- 副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けなければなりません。とくに肝機能検査と血液検査が重要です。女性では、必要に応じて妊娠検査をおこないます。

- 【妊娠・授乳】

- 服用中、女性は妊娠をさける必要があります(避妊薬単独での避妊はさける)。それでも、妊娠の可能性がでてきたら、直ちに医師に連絡してください。

- 【食生活】

- タバコは病状を悪化させますし、この薬の作用を弱めます。タバコを吸っている人は、禁煙に挑戦してみましょう。

- 【備考】

- “肺動脈”は心臓から肺に血液を送る血管です。肺動脈性肺高血圧症は、何らかの原因でその末梢の小動脈の内腔が狭くなり、血管抵抗が増大することで発症します。
肺動脈性肺高血圧症は、さらに大きく2つに分かれます。原因がわからない原発性肺高血圧症と、別の病気から続発する二次性の肺高血圧症の2つです。この薬の有効性が確認されているのは、原発性肺高血圧症と膠原病に伴う肺高血圧症になります。
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効能 |
肺動脈性肺高血圧症(WHO機能分類クラスIII及びIVに限る)。
- WHO機能分類はNYHA(New York Heart Association)心機能分類を肺高血圧症に準用したものである。
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用法 |
通常、成人は、服用開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口服用する。服用5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口服用する。なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
頭痛が3人に1人くらいの割合で起こります。ほかには、けん怠感や筋肉痛、めまいの頻度が高いほうです。また、検査で肝機能値の異常や、貧血(ヘモグロビン減少)がみつかることも多いです。
肝機能値が悪化する場合、重い肝障害へ移行しないように、いったん減量ないし休止して様子をみます。肝障害の臨床症状として、食欲不振や吐き気、発熱、皮膚や白目が黄色くなる、疲労などがあげられますので注意してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が褐色。
- 重い貧血..息切れ、動悸、疲労、めまい、顔色が悪い。
- 血小板減少症..皮下出血(血豆・青あざ)、歯肉出血、血尿、血が止まりにくい。
 【その他】
- 頭痛、筋肉痛、けん怠感、むくみ
- めまい、ほてり、潮紅、動悸、低血圧
- 肝機能異常、ヘモグロビン減少
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