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成分(一般名) ミコフェノール酸モフェチル
製品例 セルセプトカプセル250、セルセプト懸濁用散31.8% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の代謝性医薬/免疫抑制剤/代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 体の免疫を抑えるお薬です。臓器移植後の拒絶反応の予防やループス腎炎の治療に用います。
作用本来、“免疫”は、細菌やウイルス、異物などから体を守るための自然な防衛システムです。けれど一方で、臓器移植においては、拒絶反応の要因となります。

このお薬は、高ぶった免疫の働きを抑制する「免疫抑制薬」です。免疫を担当するリンパ球の増殖を強力におさえる作用があります。臓器移植後の拒絶反応の予防に使うほか、膠原病のひとつ全身性エリテマトーデスに合併するループス腎炎の治療に用います。
特徴
  • 細胞の核酸合成を阻害する「代謝拮抗薬(プリン拮抗薬)」の部類です。免疫を担当するリンパ球の増殖を選択的に抑制するとされます。
  • 腎移植をはじめとする各種臓器移植後の拒絶反応の抑制に用いられています。子供の腎移植に対しても正式に承認され、小児用量が別枠で設定されました。小児腎移植における標準薬の一つです。
  • ループス腎炎に対する効能・効果が追加されました。標準的治療薬の一つとして国内外で推奨されています。
  • 先天性奇形や自然流産が報告されています。妊娠する可能性のある女性は、この薬の催奇形性に十分留意しなければなりません。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人、また授乳中の人は医師に伝えてださい。妊娠中は使用できません。
  • 事前に医師から、起こるかもしれない副作用や注意事項について十分説明を受けてください。薬の性質をよく理解し、納得のうえで治療にあたりましょう。

【注意する人】

病気によっては、その病状を悪化させるおそれがあります。胃腸に病気のある人や腎臓の悪い人は慎重に用いるようにします。また、ウイルス性肝炎の再発や悪化に注意が必要です。妊娠する可能性のある女性は催奇形性について十分説明を受けてください。

  • 適さないケース..妊娠中もしくはその可能性のある人。
  • 注意が必要なケース..胃腸病、腎臓病、ウイルス性肝炎、肝炎ウイルスをもっている人、妊娠する可能性のある人、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。生ワクチンの予防接種を受けてはいけません。

  • 飲み合わせの悪い薬..生ワクチン
  • 飲み合わせに注意..他の免疫抑制薬(イムラン、ブレディニン、ネオーラル、プログラフ等)、イオン交換樹脂薬(クエストラン、コレバイン、フォスブロック等)、胃腸薬(マグネシウム・アルミニウム含有制酸薬)、胃酸分泌抑制薬(タケプロン等)、シプロフロキサシン(シプロキサン)、アモキシシリン・クラブラン酸(オーグメンチン)、リファンピシン(リファジン)、抗ウイルス薬(ゾビラックス、バルトレックス等)、不活化ワクチンなど。

【使用にあたり】
  • 決められた飲み方を厳守してください。病状や腎臓の具合により用法・用量が違います。一般的にはカプセルを用いますが、飲み込みが弱っている人や子供に懸濁液を使うことがあります。
  • 懸濁液を他の薬と混ぜてはいけません。十分混和したあと、決められた用量を正確に飲んでください。保管は凍結を避け室温で保存します。期限を過ぎた残液は廃棄してください。
  • 妊娠する可能性のある女性は、妊娠しないように確実に避妊してください。
  • 発熱やかぜ症状を含め、この薬を服用中にいつもと違う症状があらわれたら、すぐに連絡してください。

【検査】

副作用や効果をチェックするため、定期的に検査を受けてください。とくに重要なのが血液検査です。妊娠する可能性のある女性は、必要に応じ妊娠検査をおこないます。

【妊娠授乳】

計画妊娠の必要性があり、妊娠中の服用は禁止です。催奇形作用が報告されており、おなかの赤ちゃんに悪い影響をおよぼすおそれがあるためです。服用前、服用中、さらに服用中止後6週間は確実な方法で避妊しなければなりません。もし、服用中に妊娠の可能性がでてきましたら、すぐ医師に相談してください。また、服用中は授乳を避けてください。

【食生活】
  • 大量服用中は感染症にかかりやすいです。外出のときはマスクをし、うがいや手洗いをしっかりしてください。できたら、人ごみは避けたほうがよいでしょう。もし、発熱やのどの痛み、頻尿や血尿、皮膚のピリピリする痛み、発赤や水ぶくれ、下痢などがあらわれたら、すぐに受診してください。
  • わずかな傷や打ち身でも、血が止まりにくくなるかもしれません。運動や危険な作業をおこなう場合は、ケガをしないように注意しましょう。もしも、ひどいケガをしたときは、直ちに受診してください。
  • できるだけ皮膚を日光にさらさないようにしましょう。日焼け止め効果の高い衣類、帽子、サンスクリーンなどを上手に利用してください。
効能

【効能A】

腎移植後の難治性拒絶反応の治療(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)。

【効能B】

次の臓器移植における拒絶反応の抑制//腎移植

【効能C】

次の臓器移植における拒絶反応の抑制//心移植、肝移植、肺移植、膵移植

【効能D】

ループス腎炎

【効能E】

造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制
用法

【効能A(腎移植後の難治性拒絶反応)】

通常、成人はミコフェノール酸モフェチルとして1回1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【効能B(腎移植)】
<成人>

通常、成人はミコフェノール酸モフェチルとして1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
<小児>

通常、ミコフェノール酸モフェチルとして1回300〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

【効能C(他の臓器移植)】

通常、成人はミコフェノール酸モフェチルとして1回500〜1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口服用する。しかし、本剤の耐薬量及び有効量は患者によって異なるので、最適の治療効果を得るために用量の注意深い増減が必要である。

【効能D(ループス腎炎)】
<成人>

通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回250〜1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。
<小児>

通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回150〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

[注意]本剤の投与開始時には原則として副腎皮質ステロイド剤を併用すること。

【効能E(造血幹細胞移植)】
<成人>

通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回250〜1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とし、1日3回食後経口服用することもできる。
<小児>

通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回300〜600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

【注意(効能共通)】
<製剤共通>

重度の慢性腎不全患者(糸球体濾過率(GFR)が25mL/分/1.73m2未満)では血中濃度が高くなるおそれがあるので、1回投与量は1,000mgまで(1日2回)とし、患者を十分に観察すること。
<懸濁用散>

本剤の曝露を最小限とするため、慎重に本剤の懸濁液調製を行うとともに、カプセルでの投与が困難な患者のみに使用すること。

【注意(ループス腎炎)】

本剤の投与開始時には原則として副腎皮質ステロイド剤を併用すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 効果が高い反面、いろいろな副作用がでやすいです。あわてないよう、事前に医師から十分説明を受けておきましょう。軽い副作用の場合、治療を優先しなければならないことも多いです。

とくに注意が必要なのは、骨髄抑制にともなう血液障害、消化管出血、血栓症、それとウイルス性肝炎の再発を含め、各種の感染症です。皮下出血など出血傾向、発熱やのどの痛み、皮膚の発赤や水ぶくれ、下血といった症状に注意してください。予防のためには、頻回な検査が欠かせません。

そのほか、下痢、食欲不振、吐き気、嘔吐などもかなりの頻度でみられます。また、多くはありませんが、脱毛、口内炎、発疹などもみられます。いつもと違う症状に気づいたらすぐ医師に連絡してください。

すぐに起こる副作用ではありませんが、将来的に白血病やリンパ腫、皮膚がんなどの悪性腫瘍の発現リスクが少し高まる可能性があります。このへんのことも含め、治療上の有用性と危険性についてよく相談しておくとよいでしょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
  • 重い感染症..発熱、寒気、だるさ、食欲不振、のどの痛み、咳や痰、息苦しい、嘔吐、下痢、皮膚発赤・小水疱・ピリピリ痛い、水ぶくれ、できもの。
  • 白質脳症..頭痛、もの忘れ、ボーとする、歩行時のふらつき、手足のしびれ・まひ、うまく話せない、動作がにぶる、けいれん、二重に見える、見えにくい。
  • 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。
  • 重い下痢..激しい下痢、水様便が続く。
  • 血栓症..手足とくにふくらはぎの痛み・はれ・むくみ・しびれ、突然の息切れ・息苦しい、深呼吸で胸が痛い、急に視力が落ちる、視野が欠ける、目が痛む、頭痛、片側のまひ、うまく話せない、意識が薄れる。
  • 腎臓の重い症状..尿が少ない・出ない、尿の濁り・泡立ち、血尿、むくみ、だるい、吐き気、側腹部痛、腰痛、発熱、発疹。
  • 心不全、狭心症、不整脈..胸の痛み・圧迫感、息苦しい、むくみ、動悸、めまい・ふらつき、気が遠くなる。
  • 肝臓の障害..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 肺水腫、無呼吸、気胸..息苦しい、胸が痛い、呼吸しにくい
  • けいれん、混乱・興奮、幻覚
  • アレルギー反応、難聴..耳鳴り、聞こえにくい
  • リンパ腫、皮膚がん、その他の悪性腫瘍..リンパ節のはれ、発熱、食欲不振、体重減少、出血傾向、皮膚にできもの、ホクロの異常(かゆい、痛い、出血、潰瘍)。

【その他】
  • 下痢、食欲不振、吐き気、嘔吐
  • しびれ、頭痛、関節痛、筋肉痛
  • 脱毛、発疹
  • 尿酸値の上昇

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。