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11- 12. 不整脈における禁忌薬 -13

不整脈は、心臓の刺激伝導系に異常を生じ、鼓動のリズムが乱れる病気です。脈拍が多すぎたり、逆に少なかったり、不規則になったりします。薬のなかには刺激伝導系に影響をおよぼし、不整脈を引き起こすものがあります。最近とくに注目されるのは、刺激伝導をにぶらせ、心臓の収縮時間 心電図でいう“QT間隔”を延ばす性質をもつ薬です。QT間隔の著しい延長は、トルサード・ド・ポワント(TdP)と呼ばれる極めて重い不整脈を誘発するおそれがあるのです。

QT間隔を延長させる薬には、抗精神病薬のオーラップ、抗うつ薬のアナフラニールやトフラニール、レクサプロ、高脂血症治療薬のロレルコ、ニューキノロン系抗菌薬のアベロックス、マクロライド系抗生物質のエリスロシンやクラリスなどがあります。これらのうち、オーラップはその程度が強いようで、トルサード・ド・ポワントを含む重篤な不整脈発症例が報告されています。一方、エリスロシンやクラリスによるものは比較的弱く禁忌にはなりませんし、単独で不整脈を起こすことはまずありません。ただし、各種感染症に広く処方されており、また相互作用を起こしやすいことから、他のQT延長を起こしやすい薬と併用するときなど十分な注意が必要です。

抗不整脈薬による不整脈もあります。変に感じるかもしれませんが、不整脈を治すはずの抗不整脈薬により、新たな別の不整脈が起こることがあるのです。前述のトルサード・ド・ポワントを含め、重症化するケースもありますので油断できません。抗不整脈薬には、ほかにも副作用が多く、また予後の改善に必ずしもつながらないので、軽い不整脈に安易に使用されることはありません。必要となるのは、生命に危険を及ぼすおそれのある不整脈、めまいや動悸など自覚症状が強く生活に支障があるとき、放置すると他の病気に影響する場合などです。薬による不整脈の治療はできるだけ控えるという考え方になっています。

最後に、喘息発作に用いる吸入薬についても触れておきましょう。β受容体刺激薬を有効成分とする吸入薬についてです。この系統は、主作用である気管支拡張作用とともに、心臓に対する刺激作用を持ち合わせています。そのため、過量使用はたいへん危険です。とくに、ストメリン エロゾルは心臓に対する作用が強く、頻脈性不整脈のある人には禁忌です。また、心毒性が強いとされるベロテック エロゾルにおいては、使用中の心停止事例が報告されており、第一選択薬としません。処方された場合は、決められた吸入回数を厳守するなど 用法用量を守ることが何より大事です。


<主な医薬品>
分類 薬品 成分 禁忌 備考
抗てんかん薬 テグレトール カルバマゼピン 第II度以上の房室ブロック、高度の徐脈 刺激伝導抑制
ヒダントールD~E~F フェニトイン、フェノバルビタール 重篤な心障害 心拍数の減少
※フェノバルビタール単剤は慎重投与
中枢神経系用薬 オーラップ ピモジド QT延長、不整脈 QT延長、症状悪化
アナフラニール クロミプラミン QT延長症候群
トフラニール イミプラミン QT延長症候群
レクサプロ エスシタロプラム QT延長のある患者 心室頻拍、症状悪化
リーマス リチウム 重篤な心疾患 症状悪化
リタリン、コンサータ メチルフェニデート 不整頻拍 症状悪化
モディオダール モダフィニル 重篤な不整脈 症状悪化
サノレックス マジンドール 重症の心障害 症状悪化
強心薬
(強心配糖体)
ジゴシン ジゴキシン 房室ブロック、洞房ブロック 刺激伝導抑制、症状悪化
ラニラピッド メチルジゴキシン 房室ブロック、洞房ブロック
ジギトキシン ジギトキシン 房室ブロック、洞房ブロック
抗不整脈薬 リスモダン、ノルペース ジソピラミド 高度の房室ブロック・洞房ブロック 刺激伝導抑制、症状悪化
シベノール シベンゾリン 高度の房室ブロック・洞房ブロック
アミサリン プロカインアミド 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)
アスペノン アプリンジン 重篤な刺激伝導障害
メキシチール メキシレチン 重篤な刺激伝導障害
プロノン プロパフェノン 高度の房室ブロック・洞房ブロック
タンボコール フレカイニド 高度の房室ブロック・洞房ブロック
サンリズム ピルジカイニド 高度の房室ブロック・洞房ブロック
アンカロン アミオダロン 重篤な洞不全症候群、2度以上の房室ブロック
ソタコール ソタロール 高度の洞性徐脈、高度の刺激伝導障害
降圧薬・抗不整脈薬
(β遮断薬)
インデラル プロプラノロール 高度又は症状を呈する徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群 刺激伝導抑制、症状悪化
カルビスケン ピンドロール 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群
テノーミン アテノロール 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群
セロケン、ロプレソール メトプロロール 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群
ミケラン カルテオロール 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群
アーチスト カルベジロール 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック
降圧薬・抗不整脈薬
(Ca拮抗薬)
ヘルベッサー ジルチアゼム 2度以上の房室ブロック、洞不全症候群 刺激伝導抑制、症状悪化

※他のCa拮抗薬(ベンゾチアゼピン系)は規制外
ワソラン ベラパミル 2度以上の房室ブロック、洞房ブロック
降圧薬・抗不整脈薬
(その他)
アプレゾリン ヒドララジン 高度の頻脈 症状悪化
エスタリック グアンファシン 房室ブロック(II度、III度) 症状悪化
高脂血症治療薬 ロレルコ
シンレスタール
プロブコール 重篤な心室性不整脈 症状悪化
自律神経薬 ベサコリン ベタネコール 強度の徐脈 症状悪化
アボビス アクラトニウム 徐脈 症状悪化
鎮けい薬
(抗コリン薬)
ロートエキス ロートエキス 重篤な心疾患 抗コリン作用
ブスコパン ブチルスコポラミン 重篤な心疾患
トランコロン メペンゾラート 重篤な心疾患
チアトン チキジウム 重篤な心疾患
コランチル ジサイクロミン、他 重篤な心疾患
メサフィリン プロパンテリン、他 重篤な心疾患
下剤 ビジクリア リン酸二水素ナトリウム一水和物・無水リン酸水素二ナトリウム QT延長症候群、重篤な心室性不整脈 症状悪化
性ホルモン薬 ヒスロンH200 メドロキシプロゲステロン(高用量) 心房細動 血栓症の発現
子宮内膜症治療薬 ボンゾール ダナゾール 重篤な心疾患 循環血液量の増加、症状悪化
子宮用薬 ウテメリン リトドリン 重篤な心疾患 心拍数増加、症状悪化
蓄尿・排尿障害治療薬
(抗コリン薬)
バップフォー プロピベリン 重篤な心疾患 症状悪化
ポラキス オキシブチニン 重篤な心疾患
ベシケア ソリフェナシン 重篤な心疾患
デトルシトール トルテロジン 重篤な心疾患
ウリトス
ステーブラ
イミダフェナシン 重篤な心疾患
(β3刺激薬) ベタニス ミラベグロン 重篤な心疾患 症状悪化
勃起不全治療薬 バイアグラ シルデナフィル 心血管系障害 症状悪化
レビトラ バルデナフィル 心血管系障害、QT延長
シアリス タダラフィル 心血管系障害
抗酒薬 シアナマイド シアナミド 重篤な心障害 症状悪化
ノックビン ジスルフィラム 重篤な心障害
抗菌薬 アベロックス モキシフロキサシン QT延長 心室性頻拍、症状悪化
スパラ(中止) スパルフロキサシン QT延長 心室性不整脈、症状悪化
抗ウイルス薬
レベトール リバビリン コントロールの困難な心疾患 貧血、症状悪化
インビラーゼ サキナビル QT延長、ペースメーカーを装着していない完全房室ブロック QT延長、心室性不整脈
乳がん治療薬 フェアストン トレミフェン QT延長 症状悪化

 

 
緑内障治療薬
(β遮断薬)
チモプトール点眼液 チモロール 洞性徐脈、房室ブロック(II、III度) 症状悪化
ミケラン点眼液 カルテオロール 洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)
ザラカム配合点眼液 チモロール
ラタノプロスト
洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)
デュオトラバ配合点眼液 チモロール
トラボプロスト
洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)
コソプト配合点眼液 チモロール
ドルゾラミド
洞性徐脈、房室ブロック(II・III度)
喘息吸入治療薬 ストメリンD イソプロテレノール、他 頻脈性不整脈 症状悪化
禁煙補助薬 ニコチネルTTS ニコチン 重篤な不整脈 症状悪化
殺菌消毒薬 ヨードホルム ヨードホルム 心障害 心毒性
抗がん薬 ブレオS軟膏 ブレオマイシン 重篤な心疾患 肺症状の発現




< “不整脈”に関する禁忌項目がある医薬品リスト >

抽出キーワード:不整脈、QT延長、徐脈、頻脈、不整頻拍、刺激伝導障害、房室ブロック、洞房ブロック、洞不全、心障害、心疾患
抗てんかん剤 神経系用剤(含む別用途) 他の中枢神経系用薬 骨格筋弛緩剤 自律神経剤 鎮けい剤 眼科用剤 強心剤 不整脈用剤 降圧剤 血管拡張剤 高脂血症用剤 気管支拡張剤・他 消化性潰瘍用剤 健胃消化剤 下剤、浣腸剤 他の消化器官用薬 卵胞ホルモン、黄体ホルモン 混合ホルモン 他のホルモン(抗ホルモン含む) 子宮収縮剤 経口避妊剤 他の泌尿生殖器官、肛門用薬 外皮用殺菌消毒剤 無機質製剤 習慣性中毒用剤 他の代謝性医薬 抗腫瘍性抗生物質 その他の腫瘍用薬 合成抗菌剤 抗ウイルス剤 他の治療を主目的としない医薬品

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