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Top Menue 脳に働く薬x11 認知症の薬

AChE阻害薬
アリセプトレミニールイクセロンパッチリバスタッチパッチ

アルツハイマー型認知症の標準薬として、国内外で広く使用されている系統です。記憶にかかわるアセチルコリン系の神経活動を高めることで、認知症の関連症状を改善します。その作用機序からアセチルコリンエステラーゼ阻害薬(AChE阻害薬)またはコリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれています。有効率はおおよそ20〜30%。記憶や思考力をある程度改善できます。ただし、対症療法薬ですので、よくなった症状を永続的に維持することは困難です。

アリセプトは日本で開発された抗認知症薬の元祖で、初期の軽い段階から、進行した重い症状まで幅広くカバーできます。アルツハイマー病にくわえ、レビー小体型認知症に対する効能を取得している唯一の薬剤です。新薬のレミニールは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用のほかに、アロステリック増強作用を合わせ持つのが特徴です。こちらは、軽度から中等度のアルツハイマー病に適応します。

イクセロンとリバスタッチは、皮膚に貼る経皮吸収型製剤として開発されました。飲み込みがうまくできない高齢の人にとって、願ってもない製剤といえるでしょう。1日1回貼り替えるだけなので、本人はもとより服薬管理にあたる家族や介護者の負担軽減にもなります。治療にあたり段階的に増量するのは、少しずつ体を慣らしていくためです。通常、3ステップで漸増しますが、患者さんの状態に応じて1ステップでもおこなえます。貼る場所は、背中から肩にかけ、胸、または上腕部です。皮膚刺激を避けるため、必ず毎回貼る場所を変えてください。

AChE阻害薬の共通の副作用として多いのが、吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛などの消化器症状です。これに対しては、胃腸薬や吐き気止めで対処可能ですので、医師とよく相談してみてください。そのほか、まれに脈拍が異常に遅くなるなど心臓に異常があらわれることがあります。心臓病を合併している人は注意が必要かもしれません。周りの人も副作用の発現に注意するなど、患者さんの様子を注意深く見守るようにしましょう。

NMDA受容体拮抗薬
メマリー

新しい作用機序をもつ抗認知症薬です。過剰なグルタミン酸によるNMDA受容体の過活性をおさえ、記憶にかかわる神経機能を改善します。第1の特徴は重い認知症に向くこと、第2は心理・行動異常など周辺症状の軽減が期待できる点です。今後、中等度以上のアルツハイマー型認知症に対し、単独もしくはAChE阻害薬と併用して広く用いられることでしょう。ただ、既存薬と同様に、実生活で目にみえるほどの効果はあまり期待できないかもしれません。

抗パーキンソン病薬
ドパストンドパゾールメネシットネオドパストンマドパーイーシー・ドパールネオドパゾールペルマックスドミンビ・シフロールミラペックスLAレキップトレリーフ

レビー小体型認知症に併発するパーキンソニズムには抗パーキンソン病薬を用います。特に推奨されるのがレボドパ含有製剤です。上記のドパストンからネオドパゾールがこれに当たります。パーキンソン病ほど劇的ではありませんが、一定の効果があります。少量より開始し、様子を見ながらゆっくり漸増し必要最低用量とします。一方、ペルマックスなどドパミン作動薬はあまり薦められず、どうしても必要なら認知症の悪化やせん妄に注意するなどより慎重に用いなければなりません。トレリーフは、レボドパ賦活型パーキンソン病治療薬として開発されましたが、その後「レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム」が新効能として認められました。初めから使うのではなく、レボドパを一定期間使用しても症状が残る場合に追加します。レボドパと併用することにより、運動能力のさらなる改善が期待できるのです。

脳循環代謝改善薬
サアミオンセロクラールケタスルシドリール

認知症に対する正式な効能は認められていません。脳卒中後の意欲低下もしくは"めまい"の改善に適応します。以前は、このての薬が盛んに使われていましたが、98年の再評価により、その多くは製造中止となりました。

その他
※抗不安薬(セルシンコンスタンレキソタンリーゼデパス等)、抗精神病薬(リスパダールエビリファイセレネース等)、抗うつ薬(ルボックスデプロメールパキシルジェイゾロフトトレドミンサインバルタ等)、抗けいれん薬(デパケンリボトリールテグレトール等)、漢方薬(抑肝散等

認知症にともなう周辺症状に、いろいろな薬が応用されます。不安、うつ、興奮、徘徊、幻覚などに対しては、抗不安薬、抗精神病薬、抗うつ薬、漢方薬の抑肝散(ヨクカンサン)などで対処可能です。なお、周辺症状に対する抗精神病薬の使用例において、死亡率が1.6〜1.7倍高かったという研究報告があります。安易な処方はやめるべきでしょう。


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<メモ>
  • 認知症は大きく3つのタイプに分かれます。アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症の3つです。アルツハイマー型は脳内の神経細胞の脱落により生じる認知症なので、その神経伝達物質アセチルコリンの増加作用をもつAChE阻害薬を中心とする治療がおこなわれます。パーキンソン症状や幻視を特徴とするレビー小体型認知症においても、アセチルコリン系の神経の脱落がみられるので、同様にAChE阻害薬が有効と考えられています。脳血管性認知症においては、血圧管理など基礎疾患に対する治療が重要です。

  • ほかにも 、認知障害を併発する例として、水頭症、てんかん、肝性脳症、ウェルニッケ脳炎、慢性低血糖などさまざまな病態が考えられます。さらに、薬の影響で認知症のような症状があらわれることが少なくありません。とくに、高齢の人で多種類の薬を飲んでいるときなど要注意です。安定薬、睡眠薬、抗うつ薬、血糖降下薬・・。ある認知症外来で調査したところ、薬物性の認知症症候群が4割を占めていたそうです。

    
    

 
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おくすり110番