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成分(一般名) ロピニロール塩酸塩
製品例 レキップ錠0.25mg~1mg~2mg、レキップCR錠2mg~8mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 抗パーキンソン剤/ドパミン作動薬/ドパミンD2受容体系作動薬(非麦角系)

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 パーキンソン病のお薬です。ふるえやこわばりを改善し、体の動作をよくします。
作用

【働き】

パーキンソン病では、脳内のドパミン系の神経の働きが悪くなり、手足のふるえ、こわばり、体の動作が不自由になるといった症状がでてきます。時間とともに徐々に悪化し、進行すると日常生活にも大きな支障となります。

このお薬は、ドパミン系の神経に働きかけ、そのようなパーキンソン病の症状を改善します。効果発現はやや緩慢ですが、十分な維持量により安定した効果が期待できます。発症初期には単独で、進行期にはレボドパ製剤と併用することが多いです。

【薬理】

ドパミン系神経の脳内ドパミンD2受容体に親和性を有するドパミンアゴニストです(非麦角系選択的ドパミンD2受容体作動薬)。

【臨床試験】

レボドパ製剤を使用している進行期のパーキンソン病の患者さん241人による臨床試験が行われています。121人はこの薬を、別の120人はプラセボ(にせ薬)を併用し、その有効性と安全性を比較・検証する試験です。効果の判定は、運動能力と日常生活の動作を各項目ごとに5段階(正常0点〜重症4点)で点数化し、その合計点の低下幅で比較します。また、オフ時間(薬が効かない時間)についても症状日誌に記入してもらい評価の対象とします。

4ヶ月後の試験結果は、この薬を飲んでいた人達の運動能力は平均で約10点低下、日常生活動作については約3点低下しました。一方、プラセボを飲んでいた人達は、運動能力が5点低下、日常生活動作が1点低下しました。点数が低ければ軽症、高いほど重症を意味しますので、低下幅が大きいほど効果が高いことになります。また、オフ時間が20%以上短縮した人の割合は、この薬で約60%に達したのに対し、プラセボでは40%にとどまりました。プラセボに比べ、この薬を飲んでいた人達のほうが明らかに運動能力が高まり、またオフ時間も減少し病状が安定することが確かめられたわけです。
特徴
  • 効き目が高いドパミン作動薬として広く用いられています。レボドパほど劇的ではありませんが、安定した効果が得られ、運動合併症状がおさえられる点がメリットです。このため、とくに高齢でない限り、早期の比較的軽い症状には、まずこの系統が処方されるものです。単独で用いるほか、レボドパ製剤との併用により 病状の安定化がはかれ、レボドパの減量も可能です。
  • 動作や運動能力を改善するだけでなく、パーキンソン病にともなう気分障害(抑うつや意欲低下)にも有効との報告があります。
  • ドパミン作動薬のうち非麦角系に分類されます(非麦角系選択的ドパミンD2受容体作動薬)。非麦角系は、麦角系でよく見られる吐き気などの消化器症状が比較的少なく、心臓弁膜症を起こすこともまずありません。一方で、眠気や傾眠の副作用が目立ち、重大な副作用として突発的睡眠が報告されています。この点は十分な注意が必要です。
  • 眠気の副作用が多いものの、同類薬のタリペキソール(ドミン)に比べれば少ないとされます。ドパミンD1受容体親和性がより低いためと考えられます。
  • 従来の普通錠にくわえ、作用時間が長い徐放錠「レキップCR錠」が発売されました。徐放錠は1日1回で済むので飲むのが楽です。また、飲み始めの増量が簡単なうえ、より早く有効用量に到達できます。効果も普通錠と変わりなく、約3時間のオフ時間短縮効果(薬が効かない時間を短縮)が認められています。今後は、普通錠に変わり徐放錠の処方が増えることでしょう。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。病気によっては症状を悪化させるおそれがあります。
  • 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に申し出てください。妊娠中は使用できません。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。
  • ご家族をふくめ、注意事項や副作用について十分説明を受けてください。突発的睡眠や衝動制御障害についてもよく聞いておきましょう。

【注意する人】
  • 適さないケース..妊娠中。
  • 注意が必要なケース..統合失調症など精神症状の病気、肝臓病、重い腎臓病、重い心臓病、低血圧症、高齢の人、消化管内滞留時間が通常より短い場合(腸切除の既往、人工肛門造設術、下痢等)(徐放錠)など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

抗菌薬のシプロフロキサシン(シプロキサン)など、ある種の薬との併用により、この薬の排泄が遅れ副作用が増強するおそれがあります。逆に、安定剤(フェノチアジン系、ブチロフェノン系など)と併用すると、両方の薬の作用が弱まることがあります。

  • 飲み合わせに注意..シプロフロキサシン(シプロキサン)、エノキサシン(フルマーク)、フルボキサミン(デプロメール)、安定剤(フェノチアジン系、ブチロフェノン系など)、メトクロプラミド(プリンペラン)、スルピリド(ドグマチール)。

【使用にあたり】
  • 服用量や服用回数は症状により、また製剤により異なりますので、医師の指示どおりにしてください。食後になると思いますが、できるだけ毎日同じ時間に飲んでください。
  • ふつう、少量から開始し、医師が効果や副作用をチェックしながら段階的に増量していきます。よい効果がでるまでに数週間かかることがあります。
  • とくに徐放錠は、噛んだり、割ったり、砕いたりしないで、そのまま水で飲んでください。
  • 症状が改善しない場合や、かえって悪化する場合は、早めに受診し医師とよく相談してください。
  • 自分の判断でやめてはいけません。急にやめると 反動で具合が悪くなることがあります。中止する場合は、医師の指示で徐々に減量しなければなりません。

【妊娠・授乳】

おなかの赤ちゃんの発育に悪い影響をおよぼすおそれがあります。このため、妊娠中の服用は避けるようにします。

【食生活】
  • まれな事例ですが、突発的な睡眠による自動車事故が報告されています。車の運転や危険をともなう機械の操作、高所での作業は避けてください。
  • 急に立ち上がると、強い立ちくらみを起こすおそれがあります。急な動きはしないで、ゆっくり動作するようにしましょう。とくに飲み始めは要注意です。
  • 衝動制御障害が報告されています。抑制がきかずギャンブルを繰り返す病的賭博、無駄な買物をしてしまう強迫性購買、暴飲暴食、性欲亢進など、自制心に欠ける行動が気になるときは医師と相談してください。
効能 パーキンソン病
用法

【普通錠】

通常、成人はロピニロールとして1回0.25mg、1日3回(1日量0.75mg)から始め、1週毎に1日量として0.75mgずつ増量し、4週目に1日量を3mgとする。以後経過観察しながら、必要に応じ、1日量として1.5mgずつ1週間以上の間隔で増量し、維持量(標準1日量3〜9mg)を定める。いずれの服用量の場合も1日3回に分け、経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量15mgを超えないこととする。

【徐放錠(CR錠)】

通常、成人はロピニロールとして1日1回2mgから始め、2週目に4mg/日とする。以後経過観察しながら、必要に応じ、2mg/日ずつ1週間以上の間隔で増量する。いずれの服用量の場合も1日1回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量16mgを超えないこととする。

  • 注意1:本剤の服用は「用法・用量」に従い少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、忍容性をみながら慎重に増量し患者ごとに適切な維持量を定めること。また、本剤服用中止後再服用する場合にも少量から開始することを考慮すること。
  • 注意2:一般に空腹時服用において悪心、嘔吐等の消化器症状が多く発現する可能性があるため、食後服用が望ましい。
  • 注意3:本剤はできるだけ同じ時間帯に服用するよう指導すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 まれに、前兆なく突然に眠り込んでしまうことがあります。車の運転は絶対にやめてください。眠気や傾眠のほか、幻覚や妄想を生じることも多いです。幻視では不快な害虫や小動物が見えたりします。このような精神症状は高齢の人にでやすいです。ご家族や介護の方も十分に注意してください。さらに最近、衝動制御障害が報告されています。ギャンブルを繰り返すなど度をこした行動が気になるときは医師と相談してください。

吐き気や食欲不振、胃の不快感、便秘など胃腸症状もみられます。吐き気止めや便秘薬で対処できますので、つらいときは医師に話してください。吐き気は続けているうちに軽くなることもあります。ほかにも、めまいや立ちくらみ、不随意運動などを起こすことがあります。立ちくらみは、飲み始めに起こりやすいです。急に立ち上がったりしないで、ゆっくり動作するようにしましょう。

めったにありませんが、薬の減量や中止時には、悪性症候群にも注意が必要です。症状としては、発熱、発汗、意識低下、ふるえ、筋硬直などが現れます。直ちに対処する必要がありますので、ご家族など周囲の方にも注意をはらってもらうとよいでしょう。なお、少量服用となるレストレスレッグス症候群においては、副作用の心配はそれほどないと思います。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 幻覚、妄想、せん妄、錯乱..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、誤った思い込み、非現実な体験、もうろう状態、混乱・興奮、取り乱す。
  • 突発的睡眠..前兆なく突然に眠ってしまう。
  • 悪性症候群(Syndrome malin)..動かず黙り込む、体の硬直、飲み込めない、急激な体温上昇、発汗、頻脈、ふるえ、精神変調、意識障害。

【その他】
  • 眠気、傾眠、めまい、不安、イライラ感、興奮
  • 衝動制御障害(病的賭博、強迫性購買、暴飲暴食、性欲亢進)
  • 吐き気、吐く、もたれ、腹痛、便秘
  • 手足や体が勝手に動く、動作の異常
  • 立ちくらみ、ふらつき、血圧低下
  • 発疹
  • 急激な減量・中止による離脱症状(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛)

概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用
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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。