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Top Menue 脳に働く薬x11 多発性硬化症の薬

ステロイド薬
プレドニン、ソルメドロール(注射)

多発性硬化症の急性期には、大量のステロイド薬を炎症の火消し役として用います。注射薬のソルメドロールによる短期大量間欠療法(パルス療法)により、劇的な効果が期待できるものです。その後、飲み薬のプレドニンに切り替え徐々に減量するなどします。急性症状をすばやく回復できますが、長期的な維持療法には向きません。

S1P1受容体調節薬
ジレニアイムセラ

多発性硬化症の再発予防薬です。自己反応性リンパ球による攻撃から、脳や脊髄の神経細胞(髄鞘)を守り炎症をくい止めます。これにより、多発性硬化症の再発が減り、病状の進行がおさえられるわけです。実際の臨床試験においても、神経が炎症を起こしている活動性病巣が少なくなり、また年間の再発率が半分くらいになることが確かめられています。また、インターフェロンをしのぐ有効性が海外での比較試験で示されています。副作用として、初回服薬時の徐脈や、感染症、黄斑浮腫などに注意が必要です。

インターフェロン(注射)
※ベタフェロン、アボネックス

インターフェロンβ製剤で、多発性硬化症の再発予防に標準的に用いられてきました。活動性病巣の減少とともに再発回数が減り、症状の軽減効果が期待できます。ベタフェロンは皮下注射薬で1日おきの自己注射が可能です。アボネックスは、週一回、筋肉内注射をします。効果が高い反面、いろいろな副作用が出やすいです。発熱や頭痛、筋肉痛などインフルエンザのような症状、注射部位の発赤や硬結、吐き気、不眠、うつ状態などさまざまです。多くの場合、継続可能ですが、重い肺障害や抑うつにより中止を余儀なくされることもあります。事前に医師から、副作用や注意点について十分に説明を受けておきましょう。

免疫抑制薬
エンドキサンイムランアザニン、ノバントロン(注射)

多発性硬化症は一種の自己免疫病です。このため、免疫調整作用を期待していくつかの免疫抑制薬が使われてきました。第一選択されることは少ないですが、インターフェロンが副作用で使用できない場合や効果不十分な場合に応用されることがあります。ただし、感染症の発現に十分注意するなど慎重に用いる必要があります。保険適応外です。

その他
ミオナールテルネリンダントリウムリリカタリージェメキシチールテグレトールトリプタノールポラキスベシケアデトルシトールウブレチドベサコリン

さまざまな神経症状をやわらげる対症療法薬です。筋肉のこわばりやつっぱりには、筋緊張緩和薬のミオナールやテルネリン、ダントリウムなどが処方されます。しびれや痛みには、リリカやタリージェ、メキシチール、テグレトール、トリプタノールなどが有効です。また、頻尿や尿もれに対してはポラキスやベシケア、デトルシトールなどを用い、尿が出にくいときはウブレチドやベサコリンで対処します。


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<メモ>
  • 多発性硬化症は、脳や脊髄の神経細胞(髄鞘)が炎症により壊れ、情報の伝達がスムーズにできなくなる病気です。詳しいメカニズムはよくわかっていませんが、自己免疫疾患のひとつと考えられています。神経損傷による症状として、視力の低下、排尿・排便障害、手足のしびれなどを生じ、さらには手足が硬直し歩行が困難となります。いくつかのタイプに分かれますが、その多くは再発と寛解を繰り返す再発性多発性硬化症です。治療法は、急性期にはステロイドによるパルス療法をおこない、維持療法としてS1P1受容体調節薬のジレニアやインターフェロンβ製剤を用いるのが一般的です。

    
    

 
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