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成分(一般名) ガランタミン臭化水素酸塩
製品例 レミニール錠4mg~8mg~12mg、レミニールOD錠4mg~8mg~12mg、レミニール内用液4mg/mL ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の中枢神経系用薬/アセチルコリンエステラーゼ阻害薬/アルツハイマー型認知症治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 認知症を軽くするお薬です。アルツハイマー型認知症の治療に用います。
作用

【働き】

アルツハイマー病では、記憶や思考にかかわるアセチルコリン系の神経の働きが悪くなっています。これが原因で、物忘れがひどくなり、思考力や判断力が低下してしまうのです。比較的ゆっくり進行しますが、徐々に悪化し、日常生活にも支障がでてきます。

このお薬は、アルツハイマー病に有効な抗認知症薬です。おもな作用は、アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼという酵素の働きを妨害し、脳内のアセチルコリンを増やすことです。さらに、アセチルコリン受容体のアロステリック部位に結合して神経の働きを高めます。これらの2つの作用により、アルツハイマー型認知症の諸症状を改善します。

【臨床試験】

国内でおこなわれたプラセボ(似せ薬)と比較する二重盲検比較試験の成績には、かなりバラツキがあるようです。ある試験(JPN-5)では、認知機能を評価するため、軽度〜中等度のアルツハイマー病の患者さん580人について認知機能のテストをしたところ、プラセボ(似せ薬)を上回る一定の効果が示されました。

一方、全般的な改善具合をみてみると、症状が改善(「やや改善」以上)した人の割合は、実薬(この薬)を飲んでいた人達で約23%(16mg/日:51人/191人、24mg/日:37人/192人、)、プラセボ(似せ薬)を飲んでいた人達も同じく23%(43人/191人)でした。残念ながら、この試験における全般臨床評価については有効性が確認できなかったわけです。また、目にみえて大幅に改善する人はほとんどいませんでした。決して万能な特効薬ではありません。
特徴
  • 主作用のアセチルコリンエステラーゼ阻害作用にくわえ、アロステリック増強作用をあわせ持ちます。この系統としては、ドネペジル(アリセプト)に次ぐ国内2番目のアルツハイマー病治療薬です。ちなみに、有効成分のガランタミンは、早春に白い小花を咲かせるスノードロップに由来するそうです。
  • 認知症の進行度が中程度までなら20〜30%くらいの有効率が期待され、その症状を数カ月〜1年ほど前の状態まで回復できる可能性があります。ただし、対症療法薬ですので、病気そのものの進行を遅らせることはできません。薬を飲むのをやめれば、飲まなかったときと同じレベルまで急速に悪化するおそれがあります。
  • 一般的な錠剤のほかに、水なしで飲める口腔内崩壊錠(OD錠)や、高齢の人に飲みやすい分包品の内用液があります。
注意
【診察で】
  • 持病のある人やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別の薬を使用している場合は、その薬を医師に教えてください。

【注意する人】

病気によっては、その症状を悪化させるおそれがあります。たとえば、心臓病、胃潰瘍、気管支喘息、パーキンソン病、てんかんのある人などは慎重に用いる必要があります。また、肝臓や腎臓の悪い人は、薬の排泄が遅れがちですので、少量からはじめるなど用法用量に留意します。

  • 注意が必要なケース..心臓病、消化性潰瘍、尿路閉塞、てんかん、気管支喘息、閉塞性肺疾患、パーキンソン病、肝臓病、腎臓病のある人、鎮痛薬を服用している人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

薬の飲み合わせによっては、この薬の作用が強まり、副作用がでやすくなります。逆に効果が弱くなってしまうこともあります。市販薬を含め使用中の薬を医師に報告しておきましょう。

  • 飲み合わせに注意..ある種の胃薬(ベサコリン、アボビス、アトロピン、ブスコパン等)、抗コリン性パーキンソン病治療薬(アーテン等)、抗うつ薬(トリプタノール、ルボックス、デプロメール、パキシル等)、抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール等)、抗生物質のクラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド等)、エリスロマイシン(エリスロシン等)など。

【使用にあたり】
  • 飲み忘れや飲み間違いがないように、ご家族あるいは付き添いの方の管理のもとで服用してください。寝たままではなく、できるだけ体を起こして飲みましょう。
  • 飲む時間は、1日2回朝夕食後です。食前や空腹時は避けてください。ふつう、少量(1日8mg)から開始し、4週間後に通常量(1日16mg)に増やします。
  • 口腔内崩壊錠(OD錠)は、舌の上にのせて唾液により崩壊しますので、水なしでも飲めます。ただし、口の粘膜からは吸収されませんので、唾液もしくは水で確実に飲み込んでください。また、寝たままの状態では、水なしで飲まないようにしましょう。

【食生活】

眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転や危険をともなう機械の操作には十分注意してください。
効能 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
用法 通常、成人はガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口服用する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上服用した後に増量する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用で一番多いのは消化器症状です。吐き気や嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛などを起こしやすいです。重い副作用は少ないですが、まれに脈拍が異常に遅くなるなど心臓に異常があらわれることがあります。もともと心臓病のある人はとくに注意が必要です。ご家族や介護にあたる人は、下記のような症状をふまえ、患者さんの様子を注意深く見守るようにしましょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 徐脈、心ブロック、QT延長、失神..脈が遅い、動悸、息苦しい、めまい、ふらつき、気を失う。
  • 急性汎発性発疹性膿疱症..発熱、紅斑、水ぶくれ、うみをともなう多数の小発疹。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 横紋筋融解症..手足のしびれ・けいれん、力が入らない、筋力低下、筋肉痛、歩行困難、赤褐色の尿。

【その他】
  • 吐き気、吐く、食欲不振、下痢、腹痛
  • 頭痛、不眠、眠気、めまい
  • 動悸、体重減少

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。