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Top Menue 胃腸の薬x17 炎症性腸疾患

抗炎症薬(メサラジン)
サラゾピリンペンタサアサコールリアルダサラゾピリン坐剤ペンタサ坐剤・注腸剤

抗炎症作用をもつメサラジン(5-ASA)系製剤です。メサラジンは化学名から5-アミノサリチル酸、略して5-ASAと呼ばれています。これらは、炎症性腸疾患の2大疾患とされる潰瘍性大腸炎とクローン病の主要薬になり、軽症から中等症における寛解導入または維持療法として有用です。古くからのサラゾピリンは、大腸内で有効成分のメサラジンとサルファ剤のスルファピリジンに分解されてから効果を発揮します。このため大腸の病変に効果的なのですが、副産物のスルファピリジンによる副作用が欠点です。

次のペンタサ、アサコール、リアルダはサラゾピリンの改良型で、メサラジンだけを有効成分とする徐放製剤として開発されました。副作用がかなり軽減され、サラゾピリンに代わり処方されるようになりました。ペンタサは時間依存性徐放剤で、小腸から大腸にいたる広い範囲でメサラジンを放出します。このため、クローン病の小腸大腸型にも適用可能です。一方、アサコールとリアルダはpH依存性徐放剤であり、pH7以上になる大腸に到達してからメサラジンを放出します。大腸で集中的に作用するように製剤設計されているわけです。このような特性から、アサコールとリアルダの適応症は潰瘍性大腸炎に限ります。リアルダは持続性にも優れ、服用回数は1日1回だけです。

坐剤や注腸剤による局所療法は、飲み薬が効きにくい肛門よりの遠位大腸(下行結腸〜S状結腸〜直腸)の炎症をしずめるのに効果的です。飲み薬に比べ全身的な副作用が少ない点もメリットです。坐剤は直腸を中心に作用し、注腸剤は直腸からS状結腸、下行結腸あたりまで作用します。なかでも坐剤は、直腸に炎症がみられる軽症から中等症の潰瘍性大腸炎の標準的な局所療法とされ、とくに直腸炎型に対する重要な薬剤に位置付けられます。ただし、S状結腸より口側の炎症には効果が期待できないので、必要に応じて飲み薬を併用する必要があります。

ステロイド薬
ゼンタコートプレドニンプレドニゾロンリンデロンリンデロン坐剤プレドネマ注腸ステロネマ注腸レクタブル注腸フォーム

ステロイドには優れた抗炎症作用があり、効果発現もすみやかです。ゼンタコートは、局所作用型のステロイドを小腸から結腸近位部で放出するように設計された腸溶性徐放製剤で、全身作用が少ないのが特徴です。プレドニン錠など一般的なステロイド経口剤に比べ安全性が高いため、軽症ないし中等症の活動期クローン病に推奨されます。一方、重症例に対しては、大量のプレドニンやリンデロンの内服または点滴注射による治療がおこなわれます。大量投与により 症状が落ち着いたなら、様子をみながら徐々に減量、最終的には中止します。

局所作用型の坐剤や注腸剤も用いられます。適用となるのは、肛門から40cmくらいまでの直腸からS状結腸の病変に対してです。腸粘膜に効率的に作用し、全身性の副作用がでにくいのがメリットです。プレドネマ注腸の有効成分はプレドニンと同じプレドニゾロン、ステロネマ注腸はリンデロンと同じベタメタゾン、新薬のレクタブル注腸フォームはゼンタコートと同じブデソニドになります。レクタブルは、直腸内に噴射する注腸フォーム製剤で、中等症までの潰瘍性大腸炎に適用します。泡状のため、薬剤が腸内に留まり、肛門から漏れにくいという特徴があります。立ったまま使用できるので、利便性も高いです。一般的に、ステロイドは寛解導入を目的とし、長期の維持療法には向きません。

免疫抑制薬
イムランロイケリンプログラフ、サンディミュン(注射)

免疫を強力におさえる薬剤です。5-ASA製剤やステロイド薬の効き目が不十分な難治例に用います。また、ステロイド減量時における再燃時に追加・併用したりします。イムランとロイケリンは遅効性で、少量による維持療法薬としても有用です。プログラフは、難治性の活動期潰瘍性大腸炎に正式に保険適応します。シクロスポリンを有効成分とするサンディミュンは、ステロイドが効かない重症型潰瘍性大腸炎に対する切り札です。2週間にわたるシクロスポリン持続静注療法により、70%近い割合で寛解導入がはかれます。免疫抑制薬は効果が高い反面、白血球減少や感染症、腎障害などの副作用がでやすく注意が必要です。なお、ロイケリンとサンディミュンは保険適応外です。

生物製剤(注射)
レミケード、ヒュミラ、シンポニー、ステラーラ

生物学的製剤は、分子生物学の理論にもとづき設計され、また遺伝子工学を用いて製造される最先端の注射薬です。炎症にかかわるサイトカイン(TNFα、IL)をおさえることで強力な抗炎症・免疫抑制作用を発揮します。レミケード、ヒュミラ、シンポニーはTNFα阻害薬、ステラーラはIL12・23阻害薬の部類です。導入療法、維持療法ともに使用可能ですが、初めから使うのではなく、既存治療で効果不十分な中等症から重症例に用いられます。期待の新薬ですが、使用にさいしては過敏症や感染症の発現に十分な注意が必要です。

栄養剤
エレンタールツインライン、中心静脈栄養(注射)

クローン病では栄養療法が大事です。腸の安静のために普通の食事をやめ、エレンタールで経腸栄養療法をおこないます。エレンタールは成分栄養剤と呼ばれ、窒素源が合成アミノ酸から成り、余分な成分を含みません。そのため消化を必要とせず、そのまま吸収されます。また、食物中の抗原物質が避けられるので、症状を悪化させる食物アレルギーを起こすこともありません。

その他
フラジールシプロキサンサワシリンラックビービオフェルミンブスコパンコリオパンロペミン

抗原虫・抗菌薬のフラジールをクローン病の肛門病変などに応用することがあります。乳酸菌製剤のラックビーは、病原性腸内細菌の増殖をおさえ、またアンモニアなどの腐敗産生物の産生を少なくします。下痢が激しい場合、対症療法として抗コリン薬のブスコパンやコリオパン、あるいはロペミンなどを一時的に使用することがあります。ただし、潰瘍性大腸炎に用いると中毒性巨大結腸を起こすおそれがあるので、安易な長期使用は避け必要最小限にしなければなりません。とくにロペミンは原則禁止です。


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<メモ>
  • 炎症性腸疾患で代表的なのが、潰瘍性大腸炎とクローン病です。腸管に出現する慢性持続性炎症が特徴的で、詳しい原因はわかっていませんが遺伝的素因や免疫系の異常が考えられています。潰瘍性大腸炎は結腸や直腸など大腸の一部または大腸全体の粘膜層に潰瘍やびらんが発現し、クローン病ではおもに小腸末端や大腸あるいは肛門に非連続性の病変を生じ深い潰瘍ができたりします。腹痛と下痢がひどく、全身症状としてときに発熱や貧血がみられ、栄養障害から体重減少、体力低下にもつながります。内科的治療で治まることが多いのですが、ときに腸管狭窄、穿孔、大量出血を起こすなどきわめて重症化することがあり手術が適応となることもあります。

  • 内科的治療で中心となるのがメサラジン(5-ASA)系製剤です。軽症から中等症における寛解導入または維持療法に汎用されます。中等症以上の活動期においては、ステロイド薬の内服または点滴注射で寛解導入をはかります。免疫抑制薬は、ステロイドで十分な効果が得られない難治例や、ステロイドからの離脱に有用です。さらに、新しい治療薬として成果を上げているのが生物学的製剤です。クローン病では栄養療法も重要で、その有効性は薬物療法をしのぐほどです。

    
    

 
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