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Top Menue 腎・泌尿・痔x19 腎臓の薬-4

活性型ビタミンD
ワンアルファアルファロールロカルトロールホーネル

ビタミンDは、カルシウムの吸収や骨の代謝に深くかかわっています。慢性腎臓病では、ビタミンD活性化障害によりカルシウムの吸収が悪くなり、血中カルシウム濃度が低下しやすいです。このようなとき処方されるのが、活性型ビタミンD製剤です。血中カルシウムを増やすとともに、副甲状腺ホルモンの過剰分泌を防ぐことにもなります。副作用として、効き過ぎによる高カルシウム血症に注意が必要です。

リン吸着薬
カルタンフォスブロックレナジェルキックリンホスレノールリオナピートル酸化マグネシウム

慢性腎臓病における“高リン血症”に用いるお薬です。腎臓病が進行すると、リンの排泄が十分にできなくなり高リン血症をきたします。リンは透析でも除去できますが、一定以下に保つにはリン吸着薬の内服が必要です。これらの薬は、消化管内で食物中のリンと結合し、その吸収をじゃまして体内のリンを減らします。食物からのリン吸収を阻害するので、食事と間隔をあけずに飲むことが大事です。リンやカルシウム濃度の正常化は、副甲状腺機能亢進症や骨粗しょう症を防ぎ、さらにはリン酸カルシウムの体内沈着(異所性石灰化)をおさえ重い心血管系合併症を予防することにもなるのです。承認されている適応症として、透析期にだけ適用するものと、透析期にくわえ保存期慢性腎臓病にも適用可能な製剤があります。現時点、保存期に使用できるのはカルタンとホスレノール、キックリン、それとリオナです。ポリマー性のフォスブロックとレナジェル、鉄含有製剤のピートルは透析中の慢性腎不全に限られます。

リン吸着薬は大きくはカルシウム含有製剤と非含有製剤に分かれます。炭酸カルシウム製剤のカルタンは古くから使用されていますが、血中カルシウ濃度が高い場合はカルシウムを含まないカルシウム非含有製剤が適当です。非含有製剤には、ポリマー性のフォスブロック(レナジェルも同一)とキックリン、ランタン製剤のホスレノール、鉄含有製剤のリオナとピートルがあります。フォスブロックはすみやかな血清リン濃度の低減が期待できる一方、便秘や腹部膨満など消化器系の副作用がやや多いようです。キックリンは副作用の発現率が比較的低く代謝性アシドーシスの心配もありません。ホスレノールには噛み砕いて飲むチュアブル錠と、その必要のない顆粒剤があります。チュアブル錠は水なしで飲めるので、水分制限を気にせず服用できます。また、ポリマー製剤に比べ服薬錠数が少なめで飲むのが楽です。ホスレノールの副作用として吐き気や嘔吐がみられます。リオナとピートルは鉄分を含有する非ポリマー性リン吸着薬で、ポリマー性のフォスブロックと同等の有効性が示されています。ピートルはチュアブル錠になります。鉄は生理的な金属なので安全性が高いといえますが、やや下痢を起こしやすく、また長期服用時は鉄過剰症に念のため注意が必要です。

カルシウム受容体作動薬
レグパラオルケディア

二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用います。透析治療中、副甲状腺ホルモン(PTH)の過剰分泌により血清リンまたはカルシウム濃度が高くなっている場合に好適です。大切なのは、用量調節を適切におこない、PTH管理目標値(60〜240pg/mL)を維持することです。副作用で比較的多いのは、吐き気など上部消化器障害と低カルシウム血症です。新薬のオルケディアは、上部消化器障害がいくぶん軽減されます。


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<メモ>
  • 副甲状腺は甲状腺の背面にある4つの米粒大の組織です。ここから分泌されるのが‘PTH’こと副甲状腺ホルモンです。このホルモンはカルシウムの代謝などにかかわります。骨から血液中へのカルシウム溶出を促進し、体内のカルシウムのバランスをはかっているのです。通常、血液中のカルシウムが増えると、副甲状腺に付いている受容体が感知しPTHの分泌は収まります。

  • 二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎臓病の進行に伴うリンの排泄低下やビタミンD活性化障害に伴う血中カルシウム濃度低下により発現します。PTHが過剰に分泌されるため、骨からのカルシウム溶出が著しくなり、いわゆる透析骨症(繊維性骨炎)を起こします。さらに、血中カルシウムの増加により血管壁の石灰化(異所性石灰化)がすすみ、動脈硬化による重い心血管系合併症の原因になりかねません。

  • 透析治療では、血液中のリン、カルシウムおよびPTHの管理目標値を維持することが大事です。リンまたはカルシウム濃度が正常または低値ならば活性型ビタミンD製剤、正常または高値の場合はカルシウム受容体作動薬、PTH濃度が高い場合はカルシウム受容体作動薬が推奨されます。リン濃度を下げるにはリン吸着薬を使います。

    
    

 
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おくすり110番