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成分(一般名) シナカルセト塩酸塩
製品例 レグパラ錠25mg~75mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の代謝性医薬/その他/二次性副甲状腺機能亢進症治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌をおさえるお薬です。二次性副甲状腺機能亢進症の治療に用います。
作用副甲状腺は甲状腺の周囲にある米粒大の小さな組織です。ここから分泌される副甲状腺ホルモン‘PTH’は、骨から血液中へのカルシウム溶出をうながし、体内のカルシウムのバランスをはかっています。ふつう、血液中のカルシウムが増えてくると、これを副甲状腺に付いている受容体が感知しPTHの分泌は収まります。

二次性副甲状腺機能亢進症は、慢性腎不全で長く透析を受けている人に多発する病態です。PTHが過剰に分泌されるため、骨からのカルシウム溶出が著しくなり、いわゆる透析骨症(繊維性骨炎)を起こします。さらに、血中カルシウムの増加により、血管壁の石灰化(異所性石灰化)がすすみ、動脈硬化による重い心血管系合併症の原因にもなりかねません。

このお薬は、副甲状腺に直接働きかけ、過剰なPTHの分泌をおさえます。すると、骨からのカルシウム流出が止まり、血液中のカルシウムやリンの値が低下し正常化してきます。その結果、骨病変にともなう骨痛や関節痛が軽減し、長期的には心血管系合併症の予防にもつながるわけです。おもに維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に用いられますが、副甲状腺がんや原発性副甲状腺機能亢進症にともなう高カルシウム血症にも適用します。
特徴
  • 副甲状腺のカルシウム受容体に直接作用する初めての「カルシウム受容体作動薬」です。ビタミンD製剤で問題となる血中カルシウム濃度の上昇を起こさずに、PTHの分泌を抑制します。
  • 維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に適用するほか、希少疾病用医薬品として副甲状腺がんにともなうう高カルシウム血症、および副甲状腺摘出術不能または再発の原発性副甲状腺機能亢進症にともなう高カルシウム血症に対する効能も取得しています。
注意
【診察で】
  • 持病のある人は医師に伝えておきましょう。
  • 服用中の薬を医師に教えてください。

【注意する人】

もともと低カルシウム血症のある人は控えるようにします。服用の目安は、血清カルシウム値9.0mg/dL以上です。

  • 注意が必要なケース..低カルシウム血症、肝臓病、消化管潰瘍、けいれん発作のある人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】

いろいろな薬と相互作用を起こしやすい性質があります。飲み合わせによっては、薬の副作用がでやすくなります。使用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。また、別の病院で診察を受けるときも、この薬を飲んでいることを伝えてください。

  • アゾール系抗真菌薬(イトリゾール等)やマクロライド系抗生物質(エリスロシン、クラリス等)との併用により、この薬の血中濃度が上昇するおそれがあります。
  • 三環系抗うつ薬やブチロフェノン系抗精神病薬の血中濃度を上昇させるおそれがあります。
  • 似た作用をもつビスホスフォネート製剤と併用すると、血中カルシウム低下作用が強まる可能性があります。
  • グレープフルーツジュースは飲まないでください。この薬の血中濃度が上昇し、副作用がでやすくなるかもしれません。

【使用にあたり】
  • 1日1回、決められた量を飲んでください。食事とは関係なく服用可能です。
  • まず少量より開始し、よい効果のでる量まで徐々に増やしていきます。
  • 血清カルシウム値が下がり過ぎてしまった場合は、減量ないし休薬します。必要に応じて、ビタミンD製剤やカルシウム薬が処方されることもあります。

【検査】

PTHが管理目標値に維持されるよう、定期的なPTHの測定が必要です。また、血清カルシウム値を頻繁に検査し、カルシウム濃度が必要以上に下がり過ぎていないかチェックします。
効能

【効能A】

維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症

【効能B】

下記疾患における高カルシウム血症

  • 副甲状腺癌
  • 副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症
用法

【効能A】

開始用量としては、成人は1日1回シナカルセトとして25mgを経口服用する。以後は、患者の副甲状腺ホルモン(PTH)及び血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、1日1回25〜75mgの間で適宜用量を調整し、経口服用する。ただし、PTHの改善が認められない場合には、1回100mgを上限として経口服用する。増量を行う場合は増量幅を25mgとし、3週間以上の間隔をあけて行うこと。

【効能B】

開始用量としては、成人はシナカルセトとして1回25mgを1日2回経口服用する。以後は、患者の血清カルシウム濃度の十分な観察のもと、1回25〜75mgの間で適宜用量を調整し、1日2回経口服用する。増量を行う場合は1回の増量幅を25mgとし、2週間以上の間隔をあけて行うこと。なお、血清カルシウム濃度の改善が認められない場合は、1回75mgを1日3回又は4回まで経口服用できる。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 比較的多いのは、吐き気や嘔吐など消化器症状、それと血液のカルシウム値が必要以上に下がってしまう低カルシウム血症です。低カルシウム血症にもとづく症状としては、しびれや筋けいれん、気分不良、さらには脈の異常(QT延長、不整脈)などが考えられます。検査でチェックできますので、ひどくなることは少ないと思いますが、気になるときは医師と相談してください。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • 低カルシウム血症..手足のふるえ、しびれ、ピリピリ感、ぴくつき、筋肉の脱力感、筋肉けいれん、気分変調、動悸、血圧低下、全身けいれん、意識もうろう。
  • QT延長、意識障害..動悸、ふらつき、気を失う。
  • 消化管潰瘍・胃腸出血..胃痛、腹痛、吐き気、嘔吐、吐血(コーヒー色のものを吐く)、下血(血液便、黒いタール状の便)。

【その他】
  • 吐き気、嘔吐、胃不快感、食欲不振、腹部膨満、逆流性食道炎
  • しびれ、筋けいれん、手足の痛み、関節痛、かゆみ
  • めまい、頭痛、倦怠感、むくみ、気分不良
  • 血圧変動、動悸、不整脈

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。