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成分(一般名) カルシトリオール
製品例 ロカルトロールカプセル0.25~0.5 ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 ビタミンA,D剤/合成ビタミンD/活性型ビタミンD3製剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 ビタミンDを補うお薬です。カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にします。
作用

【働き】

ビタミンDは「骨のビタミン」ともいわれ、骨や歯の発育に重要な役割をしています。ビタミンDの吸収や代謝に異常を起こすと、骨の性状が悪くなり、痛みを生じたり、骨折しやすくなります。

このお薬は、ビタミンDの活性型の製剤なので、少量で効率的に作用します。おもに、高齢の人の骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の治療に用いられています。骨が丈夫になることで、腰痛などの痛みが改善し、骨折の予防にもつながります。そのほか、慢性腎不全などビタミンDの代謝異常をともなう病気にも使われます。

【薬理】

小腸や副甲状腺、あるいは骨にあるビタミンD受容体に結合して作用を発揮します。その働きかけにより、腸からカルシウムがたくさん吸収されるようになり、また新しく骨をつ作る“骨芽細胞”を活発にして骨形成を促進します。
特徴
  • 活性型ビタミンD3製剤です。骨粗鬆症の基礎薬として古くから用いられてきました。また、慢性腎不全における骨病変にも有用です。アルファカルシドール(ワンアルファ、アルファロール)に比べ、血中カルシウム上昇作用が強いようです。
  • それほど強力ではありませんが、骨密度増加や骨折予防効果もある程度は期待できます。
注意
【診察で】
  • 市販薬も含め、服用中の薬を医師に教えてください。
  • 妊娠中の人は、そのことを話してください。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • カルシウム剤と併用すると、血液のカルシウム分が増えすぎてしまうことがあります。もし、市販のカルシウム剤をお飲みの場合は、医師に報告しておいてください。
  • チアジド系の降圧利尿薬でも、血液のカルシウム分が増えてくることがあります。
  • 強心薬(ジギタリス系)と併用するときは、血清カルシウム値に注意する必要があります。血液中のカルシウム分が増えてくると、強心作用が強くなり不整脈がでやすくなるためです。

【使用にあたり】
  • 症状により服用量が違います。指示どおりに正しくお飲みください。脂溶性ビタミンですので、とりすぎてもいけません。
  • 血中カルシウム濃度が上がりすぎた場合、いったん中止して様子をみます。数日後、正常値まで低下したなら、減量して再開します。
  • 血液中のリンの値が高い場合、リン吸着薬といっしょに飲むことがあります。

【検査】

尿や血液中のカルシウム濃度を定期的に調べる必要があります。頻繁に、尿の値をチェックすることで、重い高カルシウム血症を事前に防ぐことができます。

【食生活】
  • 骨粗鬆症による骨折の多くは、65歳以上のお年寄りです。若い人にはまずありません。けれど、若いうちから十分なカルシウム分をとり、骨を頑丈にしておくことは大切なことです。過度なダイエットは、将来、骨粗鬆症になる危険性が増えるかもしれません。
  • ビタミンDは、ウナギやイワシなどの魚類のほかレバーやパンにも含まれます。また、皮膚でも日光の作用により合成されます。カルシウムは乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルト)や小魚にたくさん含まれます。栄養はいろいろな食べ物からバランスよくとることが大切です。
  • 適度な運動も、骨量を増やし骨を丈夫にします。日光浴をかねた散歩やウォーキングが、その第一歩です。

【備考】

ビタミンD欠乏症の“クル病”は、栄養状態が非常に悪かった昔、雪が多く日光の少ない北日本の子供に多く見られました。ビタミンDの不足で骨や歯の発育が悪くなる病気です。最近はほとんどないと思いますが、ビタミンDはクル病の特効薬になります。
効能
  • 骨粗鬆症。
  • 次の疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、しびれ、テタニー、知覚異常、筋力低下、骨痛、骨病変等)の改善//慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、クル病・骨軟化症。
用法 本剤は患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに服用量を調節する。
  • 骨粗鬆症の場合..通常、成人はカルシトリオールとして1日0.5μgを2回に分けて経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
  • 慢性腎不全の場合..通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.25〜0.75μgを経口服用する。ただし、年齢、症状により適宜増減する。
  • 副甲状腺機能低下症、その他のビタミンD代謝異常に伴う疾患の場合..通常、成人1日1回カルシトリオールとして0.5〜2.0μgを経口服用する。ただし、疾患、年齢、症状、病型により適宜増減する。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用は少ないほうです。ただ、薬が効きすぎて、血液中のカルシウム分が増えすぎてしまうことがあります(高カルシウム血症)。はっきりした自覚症状がないことが多いので、定期的に検査を受けるようにしてください。そうすれば心配いりません。高カルシウム血症が続くと、腎臓の働きが悪くなったり、腎結石や尿管結石の原因にもなりかねません。

  • 高カルシウム血症..だるい、脱力感、食欲不振、吐き気、吐く、口の渇き、腹痛、頭痛、めまい、いらいら感、かゆみ、筋力低下、筋肉痛。
  • 腎結石、尿路結石..排尿時の痛み、下腹部・横腹・腰・背中の激しい痛み、尿の濁り、血尿。
  • 食欲不振、吐き気、かゆみ。

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。