【備考】
●子宮内膜症治療薬による治療期間中は、生理がほぼ止まります。ただし、100%排卵が抑えられるわけではありません。おなかの赤ちゃんに悪い影響をおよぼすおそれがありますので、治療中はコンドームなどピル以外の方法で避妊するようにします。
●排卵誘発薬のクロミフェンの催奇形性の心配はそれほどないと考えられています。仮にあったとしても、通常の奇形発生率と大差はありません。
●切迫流・早産治療薬の妊娠初期の使用は、添付文書上で規制されています。ただ実際には、医師の判断で妊娠時期にこだわらずに処方されることがあるかもしれません・・。催奇形の心配はまずありませんが、心臓をドキドキさせる作用があります。動悸のひどいときは早めに受診されてください。
【myメモ】
- ※クロミフェン
- クロミフェン療法により妊娠した婦人から出生した児の外表奇形発生率を1,034例について調査した。このうち、児の奇形の有無を観察できた935例のうち21例(2.2%)に外表奇形が認められた。この発生率は対照とした30,033例中の外表奇形発生率1.7%と有意な差はなく、奇形の内容においても対照に比し特定の奇形が多発する傾向はなかった。これらのことから、使用されたクロミフェンの投与量では新生児の奇形発生に影響を与えないことが示唆された。[佐藤孝道ら:実践
妊娠と薬'92(倉智敬一:Clomiphene療法により出生した新生児の奇形に関する全国調査成績、日本不妊学会雑誌,
27, 454, 1982)]
- ※クロミフェン
- 排卵を誘発する治療量で使用したとき、あるいは妊娠に気付かずに投与されてしまったときの胎児の奇形発生率増加を示唆した報告はない。[佐藤孝道ら:実践
妊娠と薬'92(Drugdex)]
- ※ダナゾール(ボンゾール)
- 子宮内膜症の治療薬ダナゾールは、アンドロゲン作用を有しており、妊娠中に連用した場合、女児の外性器の男性化を引き起こすことが報告されている。ただし、ヒトアンドロゲン受容体の感受性は胎芽期8週間目以降とされており、通常の薬剤の絶対過敏期である4週初めから7週末の間では催奇形の危険は少なく、過敏期を妊娠8週以降に補正して危険度を算出している。[日本医師会雑誌
124-7, 2000]
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