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妊娠とくすりTop3.薬危険度評価基準 / (4) 虎ノ門病院の基準


(4) 虎ノ門病院の基準

東京の虎ノ門病院では、妊娠中における薬の危険度を独自に評価し点数化しています。添付文書やFDAの基準は、治療上の重要度が配慮された処方判断基準となっていますが、虎ノ門病院の基準は薬の危険度だけに注目して評価しています。分類にあたっては、疫学調査を重視し、次いで症例報告、動物実験(生殖試験)の順で重みづけされています。さらに、服用時期が点数化され、これらの積による総合的な危険度の評価が可能となっています。

※薬剤の催奇形危険度評価 ※服用時期の催奇形危険度評価
点数(A) 評 価 条 件
0点 疫学調査で催奇形の傾向はない、およびヒトの催奇形を肯定する症例報告はない。および動物生殖試験は行なわれていないか、または催奇形は認められていない。
●または食品としても使用されているもの
1点 ●疫学調査は行われていない、およびヒトでの催奇形を肯定する症例報告はない。および動物生殖試験は行なわれていないか、または催奇形は認められていない。
●または局所に使用するものおよび漢方薬
2点 ●疫学調査は行われていない、およびヒトでの催奇形を肯定する症例報告はない。しかし動物生殖試験で催奇形の報告がある、または否定と肯定の報告があり優劣がつけ難い。
3点 ●疫学調査で催奇形を示唆する報告と否定的報告があり、どちらかといえば否定的。および動物生殖試験で催奇形の報告があるが、その結果ヒトでの催奇形はあるとはいえない。
●または疫学調査は行なわれていないが、ヒトでの催奇形の症例報告がある、または否定と肯定の報告があり優劣がつけ難い
4点 ●疫学調査で催奇形を示唆する報告がある、または否定と肯定報告があり、どちらかといえば肯定的。
●疫学調査で催奇形を示唆する報告と否定的報告があり、どちらかといえば否定的、または疫学調査は行われていない、およびヒトでの催奇形に関する信頼性の高い症例報告が複数ある。
5点 ●疫学調査で催奇形があると確定的に考えられている。
●または動物生殖試験の結果、ヒトにも催奇形があると確定的に考えられている。
点数(B) 最終月経開始日からの日数
0点  0〜27日目 無影響期
5点  28〜50日目 絶対過敏期
3点  51〜84日目 相対過敏期
2点  85〜112日目 比較過敏期
1点  113日〜出産日まで 潜在過敏期

一部のホルモン系薬剤などは過敏期の補正が必要です。
※催奇形危険度総合得点(C) = 薬剤の危険度点数(A) × 服用時期の危険度点数(B)
総合得点(C) 判定 患者への説明
0〜6 無影響 ●薬剤による胎児への催奇形性は、全く考えられない。胎児に奇形が起こる確率は薬剤を服用しなかった人と全く同じである。
7〜11 注意 ●薬剤による胎児への催奇形性は、皆無とはいえない。しかし、胎児に奇形が起こる確率は薬剤を服用しなかった人と全く同じかそれとほとんど差はない。
●薬剤が市販後間もない新薬であったり、ヒトでは否定的であるが一部の動物実験で催奇形作用が報告されているために安全といいきれないだけで、まず安全と考えられる。
12〜19 警戒 ●胎児への催奇形性の可能性はあるが危険性は低い。薬剤を服用していない場合に胎児に奇形がある確率を1%とすると、この危険性が2〜3%程度になるかもしれない。
●専門家は人工妊娠中絶を考慮する対象になるとは考えない。
20〜25 危険 ●薬剤の服用によって胎児に奇形がある可能性は服用しなかった場合と比較して明らかに増加する。
●これを理由に人工妊娠中絶が行われたとしても、一部の専門家はその判断が根拠のないものとは考えない。
[佐藤孝道ら:実践 妊娠と薬'92、日本医師会雑誌 124-7, 2000]

服用期間、服用量なども考慮する必要があります。一般の方は、ご自分だけで判断せず、担当の医師もしくは薬剤師とよく相談されてください。

  
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