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妊娠とくすり Top4.おもな薬の危険度 Sub / 胃炎・胃潰瘍治療薬・・


胃炎・胃潰瘍治療薬、鎮痙薬、制吐薬、緩下薬、その他
区分 一般名 製 品 例 添付文書 米FDA オ4版 虎 '92










H2ブロッカー H2ブロッカー 全般 B B1~B3 1
シメチジン タガメット B B1 1
ファモチジン ガスター B B1 1
ラニチジン ザンタック B B1 1
ニザチジン アシノン B B3 1
PPIs ランソプラゾール タケプロン B B3  
オメプラゾール オメプラール C B3  
ラベプラゾール パリエット錠      
PG系 ミソプロストール サイトテック 禁忌・重・避 X X 4
エンプロスチル カムリード 禁忌 X    
その他 制酸薬 全般 -   A  
健胃散 S・M散、AM散 -      
マーロックス(製) マーロックス -      
スクラルファート アルサルミン - B B1  
アズレン・L-グルタミン マーズレン-S      
ピレンゼピン ガストロゼピン     1
ベネキサート ウルグート 禁忌      
テプレノン セルベックス      
レバミピド ムコスタ      
鎮痙薬
(抗コリン薬)
鎮痙薬 全般 C B2 1
ロートエキス ロートエキス C B2 1
臭化ブチルスコポラミン ブスコパン C B2 1
臭化ブトロピウム コリオパン     1
臭化チキジウム チアトン     1
臭化メペンゾラート トランコロン C   1
制吐薬
消化管運動調整薬
ドンペリドン ナウゼリン 禁忌   B2 3
メトクロプラミド プリンペラン B A 1
マレイン酸トリメブチン セレキノン     1
潰瘍性大腸炎治療薬 サラゾスルファピリジン サラゾピリン B A 2
メサラジン ペンタサ   C  
消化薬 消化酵素 エクセラーゼ
ベリチーム
-      
整腸剤 乳酸菌 ラックビー
ビオフェルミン
-      
止瀉薬 塩酸ロペラミド ロペミン B B3 1
緩下薬 アントラキノン系 センノシド プルゼニド 原則禁忌   A 1
センナ アローゼン 原則禁忌   A 1
大黄 大黄甘草湯     0
その他 ピコスルファート ラキソベロン     1
ビサコジル テレミンソフト坐薬
コーラック
  A 1
酸化マグネシウム カマ - (B)*1 A  
ラクツロース モニラック B    
<添付文書> 添付文書の記載要領と解釈について
禁忌 〜投与しないこと(妊婦禁忌)
〜投与しないことが望ま しい
〜治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること
妊娠にかかわる「重要な基本的注意」あり
妊娠にかかわる「警告」あり
処方にさいしての事前の避妊指示(事後の対応ではありません)
処方にさいしての男性の避妊指示
<米FDA> FDA薬剤胎児危険度分類基準
<オ4版> オーストラリア基準 第4次改訂版(妊娠中の投薬とそのリスク, 医薬品・治療研究会より)
<虎 '92> 虎ノ門病院の基準(実践 妊娠と薬'92より)
*1.硫酸マグネシウムとして。


【備考】

●胃腸薬の多くは比較的安全ですが、PG系(プロスタグランジン系)の胃薬は例外です。強力な子宮収縮用により流産を起こすおそれがあるためです。この系統のミソプロストール(サイトテック)は、たとえ妊娠していなくても若い女性への処方は控えられます。

●市販の胃腸薬に危険度の高いものはありません。妊娠に気がつかないで服用していたとしても、心配するほどのことはありません。よくコマーシャルされているH2ブロッカー配合薬も問題ありません。ただし、より万全をきすという意味でも、安易な服用は慎まなければなりません。妊娠と分かったなら、市販の胃腸薬も含めて医師あるいは薬剤師の指示のもとで服用するようにします。

●H2ブロッカーは、病院でも処方頻度の高い胃薬です。妊娠に気づかないまま服用を続けてしまうケースがあるかもしれません。虎の門病院では、H2ブロッカーを危険度の低い"1"と評価しており、その相談事例14人においても健康な赤ちゃんを出産されています(妊娠と薬'92)。

●妊娠初期の吐き気やムカムカは自然な現象です。口当たりのよい食事を少量ずつとるとよいでしょう。薬はできるだけ控えるようにしますが、症状の強いときには吐き気止めの薬も使われます。この場合、使用実績の多いメトクロプラミド(プリンペラン)を用いるのが一般的です。好みがあるかもしれませんが、漢方薬の小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)や半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)も用いられます。

●妊娠中は便秘になりがちです。まず、日常生活の改善をはかります(朝食後の排便習慣、食物繊維と十分な水分、乳酸菌食品・・)。それでも改善しないときは、我慢しないで医師に相談してください。センノシド(プルゼニド)などは添付文書で原則禁忌となっていますが、赤ちゃんの奇形の問題はありません。ただし、とつぜんに大量を飲むと子宮収縮を誘発するおそれがあります。よい効果の期待できる最少量で始めるようにします。

●潰瘍性大腸炎やクローン病では、妊娠中でもサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)などによる薬物治療を続けることが多いものです。サラゾスルファピリジンはいくつかの疫学調査で危険性が低いことが示され、オーストラリア基準では安全度の高いAにランクされています。


【myメモ】
※ミソプロストール(サイトテック)
この薬は重大な先天性欠損を引き起こす恐れがある。これはまた、流産の原因となり、潜在的に危険な出血をもたらす可能性がある。[妊娠中の投薬とそのリスク(オーストラリア医薬品評価委員会 Medicines in Pregnancy)]
※ミソプロストール(サイトテック)
 陣痛促進に流産恐れの胃薬、「子に障害」病院提訴、愛知の両親..妊婦へ投与すると、流産の恐れがある胃かいようの治療薬「サイトテック」を陣痛促進剤に使われたため、生まれた長男に知的障害が残ったとして、愛知県豊川市の両親が3日、同県豊橋市の医院「竹内産婦人科」の竹内稔弘院長(66)らに、総額約1億7千5百万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁豊橋支部に起こした。
 提訴したのは精神科医の菊池勤さん(29)と妻美咲(28)さんと長男(二つ)。両親は同日午後、名古屋市内で会見し「息子のような被害者が今後出ないよう、提訴に踏み切った」と話した。
 竹内院長は提訴を受け「外国では多数使用例があり、陣痛促進にいい薬だと思うが、日本では許可されていない。今日から使用は中止する」とのコメントを出した。
 訴状によると、院長は、「(陣痛促進剤として)許可されていないが、(副作用は)全然問題ないなどと説明。美咲さんは2003年11月21日午前9時ごろ、サイトテックを投与され、激しい陣痛が続いた後、翌22日午前零時45分ごろ、出産した。
 医院は30時間余後に別の病院へ搬送するまで呼吸障害による低酸素状態に陥った長男への適切な処置を怠り、脳に障害が残ったとしている。
 菊地さんは、サイトテックは「子宮収縮作用があり、流産や子宮出血を起こす危険性があった」と指摘。体内へ投与されたため、激しい陣痛が長時間に及び、長男が仮死状態で生まれたと主張している。[東京新聞 2006/03/04]
※ミソプロストール(サイトテック)
 『妊婦へ投与禁止』通知、訴訟めぐり胃かいよう薬販売元..出産時の医療ミスから長男(2つ)が重い発達障害を負ったとして、愛知県豊川市山道町、医師菊池勤さん(30)夫妻が三日、同県豊橋市新本町、竹内産婦人科を提訴した問題で、陣痛を促進するため妻美咲さん(29)に投与された胃かいようの治療薬「サイトテック」錠を製造・販売する科研製薬(東京都文京区)が、サイトテックを妊婦に投与しないよう全国の医療機関に通知していたことが分かった。産婦人科の竹内稔弘院長(66)は「薬は有効」と会社側の要請を無視して使用を続けてきたが、提訴を受け「使用は中止する」としている。
 サイトテックは子宮の収縮作用を伴い、流産の危険もあるため、同社は胃かいよう治療で経口服用する場合でも、妊婦や妊娠の可能性がある女性への使用は「禁忌」としてきた。
 竹内院長はこの錠剤を母体内に直接投与。菊池さんらは「強制的に起こされた激しい陣痛から出産し、長男は仮死状態になった」と主張している。
 菊池さんからの連絡で同社は昨年十一月、竹内産婦人科を調査し、適用外使用をやめるよう要請。今年一月に通知を全国配布した。
 同社の報告を受けた厚生労働省の医薬食品局安全対策課は「飲み薬を陣痛促進剤として体内に直接投与というのは、まったく論外」としている。
 陣痛促進は通常、専用の薬剤を点滴か注射により投与し、数日掛けて効果を待つ。しかし、竹内院長はサイトテックを使用すれば効果が二十四時間以内に表れることを国内の医師の事例報告で知り、三、四年前から常用し始めた。年間約三百人の妊婦の「六、七割に使っている」という。
 竹内院長は三日「外国では多数の使用例があり、陣痛促進にいい薬だと思うが、日本では許可されていない。使用と症状の因果関係は分からないが、謝罪して和解できればいいと思っている」とコメントを出した。[中日新聞 2006/03/04]
※Omeprazole( オメプラゾール)
Although there are a number of case reports of fetal anomalies (anencephaly, hydranencephaly, and talipes) following the use of omeprazole [*1] large human studies have not supported an association between omeprazole and congenital defects[*2-5]. [Perinatology.com/Drugs in Pregnancy and Lactation(*1.Briggs GG)(*2.Lalkin A, Loebstein R, Addis A, Ramezani-Namin F, Mastroiacovo P, Mazzone T, Vial T, Bonati M, Koren G. The safety of omeprazole during pregnancy: A multicenter prospective controlled study. Am J Obstet Gynecol 1998;179:727-30. MEDLINE)(*3Kallen B: Delivery outcome after the use of acid-suppressing drugs in early pregnancy with special reference to omeprazole. Br J Obstet Gynaecol 105:877-881, 1998. MEDLINE)(*4Ruigomez A, Garcia Rodriguez LA, Cattaruzzi C, Troncon MG, Agostinis L, Wallander MA, Johansson S. Use of cimetidine, omeprazole, and ranitidine in pregnant women and pregnancy outcomes. Am J Epidemiol 150:476-481, 1999. MEDLINE)(*5Kallen BA. Use of omeprazole during pregnancy--no hazard demonstrated in 955 infants exposed during pregnancy. Eur J Obstet Gynecol Reprod Biol. 2001 May;96(1):63-8. MEDLINE)]
オメプラゾール使用後に胎児奇形がみられたという症例報告はいくつかあるが、規模の大きい人の臨床研究では、オメプラゾールと先天欠損の関連性は認められていない。
※サラゾスルファピリジン
潰瘍性大腸炎の97例の婦人の妊娠の経過に関する報告がある。先天奇形および新生児高ビリルビン血症の発生頻度は、健康な母親の子供に比して増加しなかった。また、サラゾスルファピリジン、サラゾスルファピリジンと糖質ステロイドによる治療は、妊娠の経過と結果に何ら影響を及ぼすことはなかった。この報告の著者らは、妊娠により潰瘍性大腸炎に対する通常の治療手順を変更する必要はないと結論している[佐藤孝道ら:実践 妊娠と薬'92(Craxi, A. et al.:Possible embrotoxicity of sulfasalazine, Arch. Intern. Med., 140, 1674, 1980)]。
※Mesalamine(メサラジン)
1st trimester exposure in 242 infants resulted in no increase in major or minor anomalies.[Perinatology.com/Drugs in Pregnancy and Lactation(Diav-Citrin O, Park YH, Veerasuntharam G, Polachek H, Bologa M, Pastuszak A, Koren G. The safety of mesalamine in human pregnancy: a prospective controlled cohort study. Gastroenterology. 1998 Jan;114(1):23-8. MEDLINE)(Marteau P, Tennenbaum R, Elefant E, Lemann M, Cosnes J.Foetal outcome in women with inflammatory bowel disease treated during pregnancy with oral mesalazine microgranules. Aliment Pharmacol Ther. 1998 Nov;12(11):1101-8. MEDLINE)]
妊娠初期に メサラジンに曝露した242例において、奇形等の増加は認められなかった。
※メサラジン(ペンタサ)
*妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[海外において新生児に血液疾患(白血球減少症、血小板減少症、貧血)が起きることが報告されており、妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、メサラジンの動物実験では催奇形性は認められていない。]
*授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。また、国内および海外において乳児に下痢が起きることが報告されている。][添付文書2005/09]
※健胃散
禁忌-3:ナトリウム摂取制限を必要とする患者(高ナトリウム血症、浮腫、妊娠中毒症等)[ナトリウムの貯留増加により症状が悪化するおそれがある。][添付文書]
※大黄甘草湯
本剤に含まれるダイオウの子宮収縮作用及び骨盤内臓器の充血作用により流早産の危険性がある。[添付文書]

    
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