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成分(一般名) コハク酸ソリフェナシン
製品例 ベシケア錠2.5mg~5mg、ベシケアOD錠2.5mg~5mg ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の泌尿生殖器官,肛門用薬/抗コリン剤/過活動膀胱治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 膀胱の収縮をおさえるお薬です。頻尿や尿失禁の治療に用います。
作用

【働き】

過活動膀胱は、日頃から尿意切迫感があり、頻尿や夜間頻尿をともなうことが多い症状症候群です。突然に強い尿意を生じ、我慢できないほどでつらいです。人によっては、その直後に尿漏れを起こしてしまうこともあります。

このお薬は、そのような過活動膀胱に有効です。膀胱がむやみに収縮するのをおさえ、その容量を大きくし、たくさん尿がためられるようにします。尿意切迫感をはじめ、尿の回数が異常に多い頻尿、夜間頻尿、急な尿意のあとの尿漏れなどの治療に用います。

【薬理】

膀胱平滑筋にあるムスカリン受容体をブロックすることで、膀胱の過緊張を緩和し、勝手な収縮を抑制します(ムスカリン受容体サブタイプM3拮抗による膀胱平滑筋収縮抑制作用)。
特徴
  • 抗コリン薬(ムスカリン受容体拮抗薬)に分類される新しい過活動膀胱治療薬です。過活動膀胱における頻尿や尿失禁の対症療法薬として、世界的にも広く使われています。ただし、尿道機能障害の腹圧性尿失禁には向きません。
  • よい特性として、膀胱選択性が高いという点があげられます。このため、従来の同類薬に比べ口の渇きなどの副作用が比較的少ないです。また、血中濃度半減期が長い(約50時間)ので1日1回の服用で済みます。
注意
【診察で】
  • 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
  • 別に薬を飲んでいる場合は、医師に伝えておきましょう。

【注意する人】

病気によっては、その病状を悪化させるため使用できないことがあります。たとえば、尿が出ない場合(尿閉)、消化管運動の低下(胃アトニー)、重症筋無力症のある人などは使用禁止です。そのほか、緑内障、心臓病、潰瘍性大腸炎、甲状腺機能亢進症、認知症などのある人は、病状を考慮のうえ慎重に用いなければなりません。前立腺肥大症で尿が出にくい人は、病状の悪化に注意が必要です。

  • 適さないケース..尿閉、閉塞隅角緑内障、重い心臓病、腸閉塞、麻痺性イレウス、胃アトニー・腸アトニー、重症筋無力症、重い肝臓病。
  • 注意が必要なケース..前立腺肥大、潰瘍性大腸炎、心臓病、甲状腺機能亢進症、肝臓病、腎臓病、パーキンソン症状、脳血管障害、認知症、高齢の人など。

【飲み合わせ・食べ合わせ】
  • 抗コリン作用をもつ薬といっしょに飲むと、その副作用が強まるおそれがあります。例として、ある種の抗精神病薬(フェノチアジン系・ブチロフェノン系)や抗うつ薬(三環系)、抗パーキンソン薬(抗コリン薬)、抗不整脈薬(ジソピラミド)、胃腸薬(抗コリン薬)、カゼ薬・鼻炎薬・かゆみ止め(抗ヒスタミン薬)などがあげられます。
  • アゾール系抗真菌薬のイトラコナゾール(イトリゾール)やフルコナゾール(ジフルカン)、ミコナゾール(フロリード)などは、この薬の血中濃度を上昇させ副作用を強めるおそれがあります。これらと併用する場合は、服用量を減量するなどします。
  • 結核の薬のリファンピシン(リファジン)や、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントイン)、カルバマゼピン(テグレトール)などは、この薬の代謝を促進し、血中濃度が低下させる可能性があります。

【使用にあたり】
  • 症状や体質、年齢によって、飲む量が違います。指示どおりに正しくお飲みください。腎臓や肝臓の悪い人、あるいは高齢の人は、より少量となることがあります。
  • 刺激性があるので、かみ砕かないで、そのまま多めの水で服用してください。
  • 口腔内崩壊錠(OD錠)は、水なしでも飲めます。この場合、舌の上で唾液をしみこませ、舌で軽くつぶしてから、飲み込んでください。ただし、寝たままの状態では、水なしで飲まないようにしましょう。
  • 効き方には個人差があります。また、効果発現までに時間がかかることがありますので、最低2週間は指示どおりに続けてください。それでも効かなければ、他の治療薬への変更も可能と思いますので、医師とよく相談してみましょう。

【食生活】
  • この薬の影響で、口や喉が乾燥することがあります。気になるときは、口をゆすいだり氷を含むとよいかもしれません。ノンシュガーのアメをなめるのもよいでしょう。
  • 物がぼやけて見えたり、眠気やめまいを起こすことがあります。車の運転など危険をともなう機械の操作や、高所での作業には十分注意してください。
  • 頻尿を気にして、水分を制限しすぎるのはよくありません。適度な水分補給を心がけてください。ただし、利尿作用のあるコーヒーやアロコール類は控えめにしましょう。

【備考】
  • 尿意切迫感を主とする一連の症状症候群を「過活動膀胱」と呼ぶようになりました。従来の不安定膀胱とほぼ同義といえそうです。中高年の男女に多く、突然に耐えられないほどの強い尿意を生じ、人によってはその直後に尿漏れを起こしてしまいます。日常的にそのような尿意切迫感があり、頻尿や夜間頻尿をともなうことが多いです。このような過活動膀胱には、この薬をふくめ抗コリン薬による治療が効果的です。
  • 尿失禁にはいくつかのタイプがあります。代表的なのは「切迫性尿失禁」と「腹圧性尿失禁」それとその「混合型」です。急な強い尿意を抑えられず思わず尿もれを起こしてしまうのが切迫性尿失禁、クシャミなどちょっとした力みで勝手にもれてしまうのが腹圧性尿失禁です。切迫性尿失禁には、この薬をふくめ抗コリン薬を中心とした治療がおこなわれます。一方、腹圧性の場合は、骨盤底筋を鍛える体操療法が効果的。これにくわえてβ2刺激薬のスピロペントや女性ホルモン薬が補助的に使われます。
  • 頻尿や尿失禁の原因はさまざまです。神経の障害による神経因性膀胱のほか、膀胱炎や尿道炎など尿路感染症、尿路結石、前立腺肥大症、更年期障害による自律神経失調、ストレスなどが背景にある膀胱神経症(心因性頻尿)、さらには薬剤性尿失禁、場合によっては前立腺がんや膀胱がんなどが隠れていることもあります。これらをきちんと診断し、原因疾患があるのなら、その治療をあわせておこなうことが大切です。
効能 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
用法 通常、成人はコハク酸ソリフェナシンとして5mgを1日1回経口服用する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最高服用量は10mgまでとする。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 副作用でいちばん多いのは口内乾燥、次が便秘です。ほかに、かすみ目、腹痛、頭痛、眠気、尿が出にくい、めまい感などもみられます。重症化することはまずありませんが、尿がまったく出ないときや、ひどい便秘が続くときは、すぐに受診してください。

とくに高齢の人では、一時的に認知症のような症状が出る可能性があります。うまく言葉が出ない、物忘れ、ボーッとするといった症状です。気になるときは医師に相談してみましょう。


【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
  • ショック、アナフィラキシー様症状..気持ちが悪い、冷汗、顔面蒼白、手足の冷え・しびれ、じんま疹、全身発赤、顔や喉の腫れ、ゼーゼー息苦しい、めまい、血圧低下、目の前が暗くなり意識が薄れる。
  • 尿閉..尿が出にくい、尿がまったく出ない。
  • 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
  • 重い不整脈..動悸、脈が1分間120以上または50以下、脈が弱い、胸苦しい、だるい、めまい、失神。
  • 麻痺性イレウス..食欲不振、吐き気、吐く、激しい腹痛、ひどい便秘、お腹がふくれる。
  • 幻覚、せん妄..本当ではない声や音が聞こえる、実際にいない虫や動物・人が見える、非現実な体験、もうろう状態。

【その他】
  • 口内乾燥、便秘、腹部不快感、腹痛
  • 尿が出にくい
  • 頭痛、眠気、めまい、倦怠感、むくみ
  • 動悸、不整脈
  • 目がまぶしい、かすんで見える、目の乾燥
  • 認知障害(言葉が出にくい、物忘れ、ボーッとする)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。