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妊娠とくすり Top4.おもな薬の危険度 Sub / 皮膚、泌尿器、痔疾用薬


皮膚科用薬
区分 一般名 製 品 例 添付文書 米FDA オ4版 虎 '92
角化症治療薬
(レチノイド内用)
エトレチナート チガソン 禁忌・警・避・男 X X 5
Isotretinoin Accutane(未承認)   X X  
尋常性ざ瘡治療薬
(ニキビ治療薬)
(レチノイド外用)
アダパレン ディフェリンゲル 禁忌      
ステロイド外用薬
(外皮用)
一般 *1   A 1
吉草酸ベタメタゾン リンデロンV *1   A 1
フルメタゾン ロコルテン *1   A  
トリアムシノロン ケナコルト *1   A
ケナログ
アフタッチ
*2
モメタゾン フルメタ   B3
ジフロラゾン ジフラール     
クロベタゾール デルモベート    
ジプロピオン酸ベタメタゾン リンデロン-DP    
ステロイド配合薬 ヒドロコルチゾン
フラジオマイシン
ジフェンヒドラミン
強力レスタミンコーチゾン *1     1
アトピー治療薬
(免疫抑制薬)
タクロリムス プロトピック軟膏 禁忌 (C)    
角化症治療薬
(活性型V.D3)
タカルシトール ボンアルファ軟膏 *1      
外用抗生物質 ゲンタマイシン ゲンタシン軟膏 -     1
PG系 アルプロスタジル プロスタンディン軟膏 禁忌      

泌尿器、痔疾用薬
区分 一般名 製 品 例 添付文書 米FDA オ4版 虎 '92
泌尿器 蓄尿障害治療薬
(抗コリン薬)
オキシブチニン ポラキス   B1  
プロピベリン バップフォー      
ソリフェナシン ベシケア      
トルテロジン デトルシトール      
イミダフェナシン ウリトス、ステーブラ      
(β3刺激薬) ミラベグロン ベタニス 禁忌・警      
(膀胱平滑筋弛緩薬) フラボキサート ブラダロン     1
前立腺肥大症(男性用)
(5α還元酵素阻害薬)
デュタステリド アボルブ 禁忌      
痔疾用薬 外用 ステロイド配合薬 プロクトセディル *1      1
強力ポステリザン *1     1
ステロイド無配合 ポステリザン -     0
<添付文書> 添付文書の記載要領と解釈について
禁忌 〜投与しないこと(妊婦禁忌)
〜投与しないことが望ま しい
〜治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること
妊娠にかかわる「重要な基本的注意」あり
妊娠にかかわる「警告」あり
処方にさいしての事前の避妊指示(事後の対応ではありません)
処方にさいしての男性の避妊指示
<米FDA> FDA薬剤胎児危険度分類基準
<オ4版> オーストラリア基準 第4次改訂版(妊娠中の投薬とそのリスク, 医薬品・治療研究会より)
<虎 '92> 虎ノ門病院の基準(実践 妊娠と薬'92より)
<註釈> [*1] 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
[*2] 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]


【備考】

●皮膚科で一般的に処方される薬に危険度の高い薬はありません。アトピーや慢性じん麻疹などでは、妊娠中でも薬による治療を続けることがあります。妊娠を予定されている方は早めに医師と相談しておくとよいでしょう。ステロイド外用薬は妊娠中でも使用できますが、強力な塗り薬を大量に常用している場合など、前もって徐々に減量していくといったことは必要でしょう。抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬なども、より安全なものに変更しておけば安心です(内用ステロイドと抗アレルギー薬については別項)。

●ステロイド外用薬の添付文書には、「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること」という注意書きがあります。これは、ウサギなどの動物実験で、妊娠初期にステロイド外用薬を使用したところ、小さな奇形(口蓋裂)が出現したという報告があるためです。ただし、人の使用量をはるかに超える超大量を塗り続けた結果です。このような動物実験の結果だけをあまり過大に評価することはありません。一般的な臨床使用量であれば、妊娠中でも問題なく使用できると考えられています。ステロイド外用薬による人での催奇形性を疑わせる症例報告もみあたりません。オーストラリア基準では、ステロイド外用薬を危険度の低い"A"とし、虎の門病院では"1"と評価しています。

●プロトピック軟膏は人での妊娠中の有害作用が報告されているわけではありませんが、安全を最優先して妊娠中の使用は禁止されています。

●エトレチナート(チガソン)は、催奇形性の強い国内屈指の薬です。そのため、原則的に若い女性には処方されません。重い乾癬などで治療上やむをえない場合、服用中と服用中止後少なくとも2年間の避妊が必要です。

●レチノイド製剤のイソトレチノインは重いニキビや乾癬の内用薬です。日本では未承認なので、処方されることはありません(一部の皮膚科、ことに美容系クリニックで使われことがあるかも・・)。ただ最近、個人輸入されるケースが見受けられます。効き目のとてもよい薬ですが、エトレチナート同様に強い催奇形性が欠点です。妊娠中は絶対禁忌です。

●2008年、国内初の外用レチノイド製剤のアダパレン(ディフェリンゲル)がニキビ治療薬として発売されました。外用薬の場合、催奇形性の危険性はまずないとされますが、万全を期して妊娠している女性の使用は禁止されています。

●痔の治療に用いる軟膏や坐薬は、通常範囲の使用であれば妊娠中でも使用可能です。虎の門病院産婦人科の基準では、ステロイドの配合されている製剤を1点、配合されないものを0点と評価しています。


【myメモ】
※エトレチナート(チガソン)
これらの薬は治療用量域で催奇形性をもち、使用中止後も数ヶ月にわたって体内に蓄積する。これらの薬は半減期が長く脂肪内に蓄積するため、先天性欠損のリスクを理由に、本剤を使用した患者は中止後2年間は受胎を控えるよう勧められている。万一本剤治療中に妊娠してしまった場合は、先天性欠損のリスクが高い。[妊娠中の投薬とそのリスク(オーストラリア医薬品評価委員会 Medicines in Pregnancy)]
※イソトレチノイン(Accutane)(国内未発売)
イソトレチノインには催奇形性があり、妊婦あるいは治療中に妊娠する可能性のある女性およびイソトレチノイン中止後1カ月以内に妊娠の可能性のある女性には使用してはならない。この薬を使用中に妊娠してしまった場合は先天性欠損のリスクが高い(最新の添付文書を参照のこと)。[妊娠中の投薬とそのリスク(オーストラリア医薬品評価委員会 Medicines in Pregnancy)]
※イソトレチノイン(Accutane)(国内未発売)
イソトレチノインは、重症のざ瘡、乾癬と他の皮膚疾患を治療するために使われるが、これが重大な出生時欠損を引き起こす。最も重要なものとして、心臓の異常、小さい耳、水頭症がある。出生時欠損のリスクはおよそ25%である。[メルクマニュアル家庭版]
※Isotretinoin (イソトレチノイン) (国内未発売)
16% spontaneous abortion, 19% major malformations.[perinatology.com/Drugs in Pregnancy and Lactation]
※ステロイド外用薬
作用の強いコルチコステロイドは動物実験で皮膚に適用されたときでも催奇形作用がある[佐藤孝道ら:実践 妊娠と薬'92(PDR, 1690, 1992)]
※アムシノニド(ビスダーム軟膏1mg/1g)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。
[妊娠ラットの器官形成期に皮下投与したとき、高用量群(0.5mg/kg/日)で死亡児の増加、生存児の低体重、口蓋裂及び肋骨の化骨遅延等が認められている。][添付文書]
※フランカルボン酸モメタゾン(フルメタ軟膏)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に対しては使用しないことが望ましい。[動物試験で催奇形性作用及び胎児への移行が報告されている。][添付文書]

    
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