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妊娠とくすり Top4.おもな薬の危険度 Sub / 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬


抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬
区分 一般名 製 品 例 添付文書 米FDA オ4版 虎 '92
抗ヒスタミン薬(旧) クロルフェニラミン ポララミン B A 1
クレマスチン タベジール (C?) A 1
シプロヘプタジ ン ペリアクチン B A  
ジフェンヒドラミン レスタミン (BC?) A 2
ヒドロキシジン アタラックス 禁忌 C B1 2
プロメタジン ピレチア
ヒベルナ
C C 1
抗アレルギー薬
(抗ヒスタミン薬)
オキサトミド セルテクト 禁忌     2
トラニラスト リザベン 禁忌     2
ペミロラスト アレギサール 禁忌 C    
アゼラスチン アゼプチン C   2
ケトチフェン ザジテン C   1
メキタジン ゼスラン     1
フェキソフェナジン アレグラ C B2  
セチリジン ジルテック B B2  
ザフィルルカスト アコレート B    
モンテルカスト キプレス
シングレア
B B1  
抗アレルギー薬
(吸入)
クロモグリク酸ナトリウム インタール   A  
<添付文書> 添付文書の記載要領と解釈について
禁忌 〜投与しないこと(妊婦禁忌)
〜投与しないことが望ま しい
〜治療上の有益性が危険を上回ると判断される場合にのみ投与すること
妊娠にかかわる「重要な基本的注意」あり
妊娠にかかわる「警告」あり
処方にさいしての事前の避妊指示(事後の対応ではありません)
処方にさいしての男性の避妊指示
<米FDA> FDA薬剤胎児危険度分類基準
<オ4版> オーストラリア基準 第4次改訂版(妊娠中の投薬とそのリスク, 医薬品・治療研究会より)
<虎 '92> 虎ノ門病院の基準(実践 妊娠と薬'92より)


【備考】

●抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の危険度は低いほうです。旧来の抗ヒスタミン薬については、海外で大規模な疫学的調査がおこなわれています。催奇形性を疑わせる疫学調査もあるものの、おおかた否定的な結果が大勢です。少なくとも明らかな割合で奇形発生率が増えるようなことはありません。オーストラリア分類では、大部分が安全度の高いAにランクされています。日本を含め世界的に使用実績の多いクロルフェニラミン(ポララミン)については、常用量で1週間程度であれば、妊娠中でも安全に使用できると考えられています(妊娠と薬'92)。アレルギー症状がひどいときは、妊娠を承知のうえで処方されることがあります。

●花粉症やじん麻疹などアレルギー性の病気は若い女性にも多く、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬がしばしば処方されます。妊娠に気づかないで服用を続けてしまったとしても、後から思い悩むほどの危険性はありません。

●市販の鼻炎薬やカゼ薬には、たいてい抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンもしくはクレマスチンが配合されています。これらは、前述のように比較的安全性が高く、妊娠初期に偶然に服用していたとしても心配するほどのことはありません。妊娠と分かったなら、以降、市販薬も含め医師の指示のもとで服用するようにします。

●抗アレルギー薬のうち、オキサトミド、トラニラスト、ペミロラストについては、添付文書で妊婦禁忌となっています。これは、ネズミやウサギの動物実験で超大量を投与したときに奇形などの異常がみられたためです。人での症例報告はなく、特別に危険度が高いわけではないのです。妊娠に気づかず服用していたとしても、中絶を考慮するほどの危険性はありません。虎の門病院の相談事例によると、妊娠初期にオキサトミドを服用した7人、トラニラストを服用した5人、いずれも障害のない健康な赤ちゃんを出産されたそうです。

●抗アレルギー薬には新しい薬が多く、きちんとした疫学調査はほとんどされていません。安全性が確立されていないわけですから、妊娠中はできるだけ控えたほうがよいという考え方が一般的です。アレルギーの病気を治療中の方で妊娠を希望されている場合は、事前に医師と相談しておくとよいでしょう。より安全な薬に変更しておくことも可能と思います。


【myメモ】
※塩酸ジフェンヒドラミン(レスタミン)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。〔抗ヒスタミン剤を投与された患者群で、奇形を有する児の出生率が高いことを疑わせる疫学調査の報告がある。〕[添付文書]
※マレイン酸クロルフェニラミン(ポララミン)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕[添付文書]
※モンテルカスト(キプレス、シングレア)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。〕[添付文書]
※抗アレルギー薬
いわゆる抗アレルギー薬の中で妊婦に禁忌と明記されているものは、トラニラスト、オキサトミド、ペミロラストカリウムなどで数多くはないが、安全性を考慮して吸入のクロモグリク酸ナトリウムのみとするのがよい。[新薬と治療No.424/特集 妊娠と疾患/伊藤幸治:気管支喘患と妊娠]
※ケトチフェン
英国における本剤の市販後調査では、気管支喘息の予防の目的で本剤を服用した症例のうち、1年間の継続調査が可能であったものが8,291例あった。このうち、妊娠中のいずれかの時期に本剤を服用した40例は、いずれも健常児を出産した(うち7例は妊娠全期間使用)。・・・以下省略・・・[佐藤孝道ら:実践 妊娠と薬'92]
※Cetirizine(セチリジン)
One hundred twenty women were followed after exposure to either hydroxyzine or cetirizine during pregnancy. Of these, 53 were exposed to hydroxyzine during organogenesis and 39 to cetirizine. There were no significant differences
妊娠中に、ヒドロキシジン(アタラックス)、またはセチリジン(ジルテック)のどちらかを使用した120人の女性について追跡調査がされた。ヒドロキシジンを使用していた53人と、セチリジンを使用した39人に、とくに相異はみられなかった。[Perinatology.com/Drugs in Pregnancy and Lactation(Einarson A, Bailey B, Jung G, Spizzirri D, Baillie M, Koren G.Prospective controlled study of hydroxyzine and cetirizine in pregnancy. Ann Allergy Asthma Immunol. 1997 Feb;78(2):183-6.MEDLINE)]

    
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