[Home]
スポンサード リンク 投げ銭コ-ナ-
 
Top Menue 熱と痛みx9 神経痛の薬

神経痛の薬
リリカタリージェノイロトロピンメキシチールトリプタノールサインバルタテグレトール

これらは、いわゆる神経痛、専門的にいう神経障害性疼痛の治療に用いられます。ふつうの鎮痛薬とは異なり、少々変り種が多いです。リリカは広く神経障害性疼痛を適応症とし、中枢性の脳卒中後疼痛や頚椎症をふくめ、帯状疱疹後神経痛や糖尿病性神経障害などさまざまな神経痛に広く用いられます。次のタリージェも同様の作用がありますが、適応症は末梢性神経障害性疼痛に限定されます。古くからのノイロトロピンは整形外科領域を中心に神経障害がかかわる腰痛症や変形性関節症に汎用されるほか、帯状疱疹後神経痛にも適応します。また、メキシチールは糖尿病性神経障害に、トリプタノールは末梢性神経障害性疼痛に、サインバルタは糖尿病性神経障害、慢性腰痛症、変形性関節症それと線維筋痛症に対する効果が見込まれ、それぞれ適応症を拡大しています。もともとは別の効能をもち、メキシチールは抗不整脈薬として、トリプタノールとサインバルタは抗うつ薬としても有用です。最後のテグレトールは、三叉神経痛によい効果が期待できる昔ながらの薬。こちらは、てんかんや気分障害などにも用いられます。

オピオイド鎮痛薬
トラマールワントラムトラムセットノルスパン(貼り薬)、モルヒネデュロテップ(貼り薬)、フェントステープ(貼り薬)

オピオイド鎮痛薬は、神経障害性疼痛、侵害受容性疼痛ともに有効とされ、それらの混在型にも有用です。ただし、はじめから使うのではなく、非オピオイド系の一般的な鎮痛薬(NSAIDs、リリカなど)で効果不十分な場合に用います。トラマールとワントラムの有効成分は弱オピオイドのトラマドールです。トラマールは1日4回服用の即放性製剤、ワントラムは1日1回服用の徐放性製剤になります。次のトラムセットは、トラマドールとアニリン系解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンの配合剤です。アセトアミノフェンと併用することで、作用の増強と低用量化による副作用の軽減がはかれるのです。トラマドールは、WHOによる3段階疼痛治療法において、第2段階で用いられるもので、モルヒネのような敷居の高さはありません。このため、各種神経痛をはじめ、腰痛症や変形性関節症などにともなう慢性疼痛に幅広く適応可能です。

一方、ノルスパンの適応疾患は変形性関節症と腰痛症に限られます。そして処方対象となるのは一般的な保存的治療では痛みが解消せず、日常動作に障害となるような場合です。弱オピオイド鎮痛薬として第2段階に位置づけられますが、トラムセットより後よりといえるかもしれません。経皮吸収型の貼り薬なのですが、オピオイド特有の副作用として吐き気や嘔吐も目立ちます。貼り薬とはいえ、一定のルールにもとづき専門の医師により慎重に処方されることになります。

あとの3つ、モルヒネとデュロテップ、フェントステープは第3段階の麻薬系強オピオイドに分類される強い鎮痛薬です。この系統は、がん痛に処方されることが多いのですが、貼り薬のデュロテップとフェントステープは最後の切り札として、中等度以上の慢性疼痛に対する効能を正式に取得しています。処方対象は、長時間続く耐えがたい痛み、たとえば帯状疱疹後神経痛など神経障害にもとづく痛みなどです。ただし、安易な使用は好ましくないので、第2段階までの他の鎮痛薬が効かない場合に限ります。

その他
トリプタノールノリトレンアレビアチンリボトリールガバペンプレドニンリンデロンメチコバール、各種の鎮痛薬(NSAIDs)

抗うつ薬や抗てんかん薬が神経痛に応用されることがよくあります。たとえば、三環系抗うつ薬のトリプタノールやノリトレン、抗てんかん薬のアレビアチンやリボトリール、ガバペンなどです。トリプタノールについては、末梢性神経障害性疼痛の効能が保険適応症として正式に認められています。プレドニンとリンデロンは代表的なステロイド薬で、神経圧迫による痛みに効果的です。また、ビタミンB12のメチコバールは、末梢神経の働きを改善する作用があるとされ、他の鎮痛薬と併用されることが多いです。そのほか、慢性腰痛や頸肩腕症候群など、神経障害性と侵害受容性あるいは炎症性の要因を併せ持つ痛みには、一般的な鎮痛薬(NSAIDs)も有用です。


[PR] 人気の薬系書籍ベスト30 「くすり本NAVI 」

<メモ>
  • 神経障害性疼痛は神経の損傷や機能異常による痛みで、障害部位の違いから中枢性と末梢性に大別されます。中枢性は脳または脊髄の神経に起因するもので、脳卒中後やパーキンソン病にともなう痛み、多発性硬化症の痛み、脊髄損傷後疼痛、椎間板ヘルニアや頚椎症、さらには大部分の三叉神経痛がこれにあたります。一方、末梢性とされるのが糖尿病性末梢神経障害性疼痛や帯状疱疹後神経痛などです。中枢性と末梢性の両要素を含むものとしては脊髄神経根症、幻肢痛、がん痛、化学療法誘発性疼痛などがあげられます。有病率が多い慢性腰痛やひざ関節痛の要因はさまざまで、複合要因の一つとして神経障害が関与していることがあります。

  • 神経障害性疼痛の痛みの感じ方はまちまちです。具体的な例として、帯状疱疹後神経痛のピリッとする痛み、ヒリヒリと焼け付くような痛み、 糖尿病性神経障害のジンジンしびれる感じの痛み、締め付けられるような痛み、三叉神経痛のビリッとする電撃痛、さらに がん性の神経圧迫によるものでは軽く触れるだけでズキズキと痛んだり灼熱感があらわれたりします。どの薬を使うかは、痛みの違いや痛みの程度、原因となっている病気などが考慮されて選択されることになります。

    
    

 
スポンサーも訪れて下さいネ 投げ銭してネ !
Good luck & Good by !
おくすり110番