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Top Menue がんの薬x18 乳がんの薬-2

代謝拮抗薬
5FUフトラフール(FT)、フルツロン(5-DFUR)、ユーエフティ(UFT)、ティーエスワン(TS-1)、ゼローダ(Cap)

5FUことフルオロウラシルもしくはその誘導体で、フッ化ピリミジン系に分類されます。乳がんに対する有効率は高いとはいえませんが、副作用は少なく比較的安全な治療がおこなえます。5FUとフトラフールには注射薬もあり、より強力な治療に用いられます。新薬のゼローダは、腫瘍組織内で5FUに変換されてから効力を発揮するプロドラッグで、その特性により優れた抗腫瘍作用と副作用の軽減がはかられています。

アルキル化薬
エンドキサン(CPA)

代表的なアルキル化薬で、飲み薬と注射薬があります。この系統は、がん細胞の核酸合成を妨害することで、その増殖をおさえます。エンドキサンは乳がんの標準的な併用療法に組み込まれており、抗生物質のアドリアシン、あるいは代謝拮抗薬の5FUやメソトレキセートなどの注射と併用します。特徴的な副作用として出血性膀胱炎があり、予防のための水分補給と尿量確保が大事です。

分子標的薬
タイケルブ

HER2(ErbB2)をターゲツトとする分子標的薬。HER2は乳がん細胞に出現する蛋白質で、予後不良因子の一つとされます。適応となるのは、進行性または転移性の乳がんでHER2が過剰に発現している場合です。通常、単独ではなく 前述のゼローダまたは前項のアロマターゼ阻害薬と併用します。

その他の注射薬
※アドリアシン(DXR、ADM)、ファルモルビシン(EPI)、メソトレキセート(MTX)、タキソテール(DTX)、タキソール(PTX)、ハーセプチン(H2)

アドリアシンは抗がん性抗生物質の一種で、前述のエンドキサンや5FUといっしょに用います。副作用として、骨髄抑制にともなう血液障害に注意し、大量使用時は心臓の調子が悪くなっていないかチェックします。同類のファルモルビシンは心臓の副作用が少ないとされます。メソトレキセートも同様の併用療法をおこないます。

タキサン系植物アルカロイドのタキソテールとタキソールは強力な抗がん薬です。高い有効率が期待できることから、単独もしくはアドリアシンなどと併用される機会が増えてきました。外来投与も可能で、1週間ないし3週間に1回点滴します。まれに重い過敏症状を起こすことがありますので、はじめは医師や看護師が付き添って様子をみます。白血球減少の副作用のほか、長期使用時は手足のしびれなども発現します。

ハーセプチンは今までの抗がん薬とは違う抗体医薬(モノクローナル抗体)です。HER2を標的とする分子標的薬の一種でもあります。適応となるのはHER2発現例で、25%〜30%の人がこれに当たります。タキソールなどとの併用療法が試みられるほか、術後補助化学療法としても認可されました。初回に、発熱や悪寒、痛みや吐き気などつらい症状がでることが多いのですが、2回目以降は軽くなります。解熱・鎮痛薬で対処も可能です。


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<メモ>
  • 乳がんの治療薬は、治療目的、乳がんのタイプや年齢(閉経前・後)、進行具合、悪性度などにより使い分けます。乳がんのタイプは、ホルモン受容体(ER:エストロゲン受容体・PgR:プロゲステロン受容体)の有無のほか、HER2(ヒト上皮細胞増殖因子受容体2型)の発現状態などにより決められます。ホルモン受容体が陽性ならば前項のホルモン療法を優先し、HER2が陽性ならばハーセプチンないしはタイケルブを用います。

  • 抗がん薬による化学療法が適用されるのは、ホルモン反応性がみられない場合もしくは低い場合です。ホルモン受容体陽性乳がんでも、病勢が進行するとホルモン反応性が低くなり、最終的にはどの内分泌療法も効き目が悪くなり、化学療法に移行することになります。

  • 術前化学療法のおもな目的は、手術前に腫瘍をできるだけ小さくして乳房温存をはかるためです。手術後においても、がんが大きく、リンパ節への転移数が多い場合、あるいは悪性度が高く再発リスクが高い場合などは、ホルモン受容体やHER2の状態にかからわず初めから強力な化学療法をおこないます。化学療法により全身に残るわずかな微小転移を完全に消滅できれば完治が望めるのです。

    
    

 
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おくすり110番