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Top Menue 他の感染の薬x11 エイズの薬-1

ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
エピビル(3TC)、エムトリバ(FTC)、レトロビル(AZT)、ビリアード(TDF)、ザイアジェン(ABC)、ゼリット(d4T)、コンビビル(AZT/3TC)、エプジコム(ABC/3TC)、ツルバダ(TDF/FTC)、

エイズの治療にはエイズウイルスの増殖をおさえる複数の抗ウイルス薬を使います。このうちヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬は実績豊富な基本的な抗ウイルス薬です。分類名があらわすように、エイズウイルスの遺伝子RNAをDNAに逆転写する酵素‘逆転写酵素’を阻害することでウイルスの複製を阻止します。通常、2種類を組み合わせて基礎薬(ベースドラッグ)とし、多剤併用療法における背景治療(バックボーン)として用います。これに作用機序が異なる別系統の主要薬(キードラッグ)を加えることで、強力な効果が得られるのです。

最近は、利便性のよい配合剤が広く利用されています。レトロビルは古くからある抗ウイルス薬で、これにエピビルを配合したのがコンビビルです。エプジコムはザイアジェンとエピビルの組み合わせ、1日1回1錠で済むツルバダはビリアードとエムトリバの合剤です。さらに その後、3薬を1錠まとめた配合剤もいくつか発売されました(後述)。全般的に、この系統は食事の影響を受けにくく、飲み合わせの悪い薬も少ないほうです。副作用の出方は薬によりまちまちです。ザイアジェンは万一の過敏症に注意が必要です。

非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
ストックリン(EFV)、エジュラント(RPV)、ビラミューン(NVP)、インテレンス(ETV)、コムプレラ(RPV+TDF/FTC)、オデフシィ(RPV+TAF/FTC)

基本的な作用はヌクレオシド系と同じですが、化学構造が異なり、また逆転写酵素阻と直接結合して不活化させます。強い作用をもち、これらを含む多剤併用療法において治療成績が上がっています。難点は、耐性を生じやすく、効き目が落ちることがある点です。耐性は単独投与で生じやすいので、必ずヌクレオシド系など他系統の薬剤と併用する必要があります。この系統は、とくに発疹や精神・神経系の副作用に注意が必要です。

ストックリンは抗ウイルス作用が強力で、また1日1回の服用で済むこともあり、初回治療における主要薬(キードラッグ)として汎用されます。エジュラントは、ストックリンと同等の効果が得られるうえ、副作用が比較的少なく忍容性に優れる新薬です。今後、ストックリンとともに標準薬のひとつとして用いられることでしょう。一方、発疹や肝障害が多いビラミューンは第二選択あるいは代替薬とします。標準薬に耐性を生じ治療抵抗性となった場合にはインテレンスが有用です。コムプレラとオデフシィは主要薬としてエジュラントを採用した3薬配合剤で、1日1回1錠の服用で済みます(エイズの薬-3)。


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<メモ>
  • エイズは、エイズウイルス(HIV:ヒト免疫不全ウイルス)の感染により起こる病気です。エイズウイルスは血液や精液を介してうつります。体に入ったエイズウイルスは、CD4リンパ球と呼ばれる免疫細胞(白血球の一種)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。そして、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。後天性免疫不全症候群いわゆるエイズです。免疫力が著しく低下し、重い感染症にかかったり、リンパ腫などの悪性腫瘍に侵され命にかかわることもあるのです。日本では血友病の治療に使用された非加熱の血液製剤からの感染例があり、いわゆる「薬害エイズ」として大きな社会問題となりました。最近は、同性間もしくは異性間の性的接触による感染が増えているようです。

  • エイズウイルスに感染しても、すぐに治療を開始するわけではありません。免疫細胞(CD4リンパ球)が一定のレベル以下になった時点、あるいはウイルス量が相当に増えた時点で薬物治療を始めます。優れた薬剤の登場と多剤併用療法の確立により生命予後はたいへん改善しました。ただし、今なおエイズウイルスを体内から完全に駆遂するのは困難です。したがって、その後 生涯にわたり治療を続けなければなりません。

    
    

 
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