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非ピリン系解熱鎮痛薬
アセトアミノフェンカロナールアンヒバ(坐薬)、アルピニー(坐薬)、キョーリンAP2

キョーリンAP2以外は、アニリン系解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンを有効成分とします。アセトアミノフェンは、昔ながらの安全性の高い良薬です。頭痛や歯痛、生理痛、また解熱薬として汎用され、坐薬は子供や赤ちゃんの解熱に適します。欧米では、腰痛症や関節症、あるいはがん痛などに第1選択されることも多いです。ただ、炎症(腫れ)をとる作用は弱いので、急性期の腰痛や関節炎には向かないかもしれません。

ピリン系解熱鎮痛薬
ミグレニンSG顆粒

ピリン系といえば、かつてスルピリンが汎用されていましたが、過敏反応や血液毒性から使われなくなりました。アンチピリンとカフェインを含むミグレニンも一般的ではありません。SG顆粒は、発売中止となったセデスGの後継品です。こちらは比較的安全なイソプロピルアンチピリンとアセトアミノフェンを主成分とし、腎毒性が問題となるフェナセチンが含まれません。なお、アスピリンはピリン系ではありません(NSAID)。

オピオイド鎮痛薬
コデイントラマールワントラムトラムセットノルスパン(貼り薬)、モルヒネデュロテップ(貼り薬)、フェントステープ(貼り薬)

オピオイドは、痛みの抑制系に働くオピオイド受容体と結合する薬の総称です。普段用いるアセトアミノフェンや前項のロキソニン(NSAIDs)の系統とは作用機序が違います。一般的な鎮痛薬がWHO方式の3段階疼痛治療法で第1段階に位置づけられるのに対し、オピオイド鎮痛薬は第2段階もしくは第3段階に相当します。たとえば、コデインは弱オピオイドとして第2段階に位置づけられるので、アセトアミノフェンなどで効果不十分な場合に次のステップとして処方されるわけです。

トラマールとワントラムは、トラマドールを有効成分とする弱オピオイドです。非麻薬系で処方の敷居が低いこともあり、がん痛や慢性疼痛に対し国内外で広く用いられています。トラマールは1日4回服用の即放性製剤、ワントラムは1日1回服用の徐放性製剤になります。次のトラムセットは、トラマドールと解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンの配合剤です。併用効果による作用増強と低用量化による副作用の軽減をはかった製剤で、抜歯後の疼痛をはじめ いろいろな病気による慢性疼痛に幅広く適用可能です。

一方、ノルスパンの適応疾患は変形性関節症と腰痛症に限られます。そして処方対象となるのは一般的な保存的治療では痛みが解消せず、日常動作に障害となるような場合です。弱オピオイドの貼り薬として第2段階に位置づけられますが、トラムセットより後よりといえるかもしれません。貼り薬なのですが、オピオイド特有の副作用として吐き気や嘔吐も目立ちます。このため、一定のルールにもとづき専門の医師により慎重に処方されることになります。

あとの2つ、モルヒネとデュロテップは第3段階の麻薬系強オピオイドに分類される強い鎮痛薬です。この系統は、がん痛に処方されることが多いのですが、貼り薬のデュロテップとフェントステープは最後の切り札として、中等度以上の慢性疼痛に対する適応を正式に取得しています。処方対象は、長時間続く耐えがたい痛み、たとえば帯状疱疹後神経痛など神経障害にもとづく痛みなどです。ただし、安易な使用は好ましくないので、第2段階までの他の鎮痛薬が効かない場合に限ります。なお、がん痛については別項の「がんの薬/がんの痛みの薬」を、神経痛については「神経痛の薬」も参照ください。


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<メモ>
  • 海外では、がん性、非がん性疼痛を問わず、WHO方式3段階疼痛治療法に準じた治療がおこなわれます。痛みの強さを3段階に分け、段階的に鎮痛薬を選択する方法です。軽い痛みには、まず第1段として一般的な非オピオイド鎮痛薬(NSAIDs、アセトアミノフェン)を使用します。これで効果不十分な中くらいの痛みには、第2段階として弱オピオイド(コデイン、トラマール、ワントラム、トラムセット、ノルスパン)を追加します。さらに第3段階として用いるのが、強オピオイド鎮痛薬(モルヒネ、デュロテップ)の部類です。

    
    

 
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おくすり110番