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妊娠とくすりTop / 3.薬危険度評価基準


3.薬危険度評価基準

妊娠中の薬の危険度は、臨床試験、疫学調査、症例報告、動物実験などの情報から評価されます。人での臨床試験は信頼度が高いのですが、新薬においては倫理面から実施が困難です。そのかわりに動物実験をおこない、人での影響を推測することになります。

妊娠中の使用経験が積み重ねられ危険性が少ないと分かってきた段階で、臨床研究や疫学調査がおこなわれることもあります(おもに海外)。臨床試験で安全性をきちんと評価しないまま、漫然と使用し続けることは、かえって倫理に反することでもあるのです。残念ながら、日本ではこのような研究はあまりされていません。

一般的に、優先すべき情報は人での臨床研究あるいは疫学調査です。次いで症例報告、動物実験の順です。動物実験の結果は、そのまま人にあてはまるとはかぎりません。ネズミで催奇形性があっても、人で必ず起きるとはいえませんし、逆に、ネズミで問題ないからといって人での安全性を保障することもできないのです。

これらの情報をもとに、妊娠中の薬の危険度を具体的に評価したものとして、薬の添付文書(関係者向け説明書)がまずあげられます。これには「妊婦、産婦、授乳婦への投与」の項が設けられ、注意事項やその理由が記載されています。そのほか、アメリカFDA(食品医薬品局)による「薬剤胎児危険度分類基準(FDA Pregnancy Category)」やオーストラリア医薬品評価委員会・先天性異常部会による「オーストラリア基準(Medicines in Pregnancy)」なども参考になります。

これらの評価基準は、薬そのものの危険度とともに、治療上の有用性も考慮されています。つまり、医師が妊娠を承知しているうえでの処方判断基準なのです。妊娠に気づかず使用したケースなど事後の対応を示すものではありません。

一方、東京の虎ノ門病院では、疫学調査や症例報告にもとづく独自の評価基準をつくり、「妊娠と薬 相談外来 」で活用されています。こちらは、薬そのものの危険度だけを評価している点が他とは異なります。

<各評価基準>
(1) 添付文書 国内医療用医薬品の添付文書
(2) FDA薬剤胎児危険度分類基準 米国 FDA(G.G.Briggs)
(3) オーストラリア基準 オーストラリア医薬品評価委員会・先天性異常部会
(4) 虎ノ門病院の基準 虎ノ門病院 「妊娠と薬相談外来」




    
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おくすり110番