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Top Menue 脂質異常の薬x3 脂質異常の薬-2

フィブラート系
クロフィブラート(アモトリール)、リポクリンベザトールリピディルトライコアパルモディア

中性脂肪のトリグリセライドを減らすのに有効です。薬理作用からPPARα作動薬(PPARαアゴニスト)とも呼ばれ、核内受容体のPPARαに結合後、おもに肝臓の脂質代謝にかかわる遺伝子群に働きかけ、トリグリセライドの生合成を抑制したり分解を促進します。強力なトリグリセライド低下作用のほか、いわゆる善玉のHDLコレステロールを増やす作用もあります。このような特性から、トリグリセライド値が高く、HDLコレステロールが低めの高脂血症に好んで用いられます。コレステロールとトリグリセライドの両方が高い場合は、スタチン薬との併用が考えられますが、この場合は横紋筋融解症の発現に注意が必要です。

クロフィブラートとリポクリンは古くからの第一世代フィブラート系薬剤で あまり処方されなくなりました。最近は、より強力な第二世代のベザトールやリピディルの処方がほとんどです。かなり昔におこなわれたクロフィブラートによる大規模臨床試験では有用性に疑問が残る結果でしたが、第二世代フィブラート系薬剤による糖尿病のある人を対象とした試験では、心筋梗塞のリスク低下、糖尿病性網膜症および糖尿病性腎症の抑制効果などが示されています。2型糖尿病やメタボリックシンドロームを合併する高トリグリセライド血症に用いるとよさそうです。新薬のパルモディアは、有効性と安全性を兼ね備えた新世代フィブラート系薬剤「選択的PPARαモジュレーター」として開発されました。横紋筋融解症や肝障害の副作用軽減、スタチン併用時の安全性が期待されます。

EPA製剤
エパデールロトリガ

エパデールは魚油成分の一種EPAことイコサペント酸エチル製剤です。トリグリセライド低下作用にくわえ、抗血小板作用をもち血管内で血液が固まるのを防ぐ働きもします。大規模臨床試験で、実際に心臓病の予防効果が認められています。新薬のロトリガはイコサペント酸エチルとドコサヘキサエン酸エチル(DHA-E)を主とした複数の成分を含有するトリグリセライド低下薬になります。どちらも、それほど強力ではありませんが、安全性が高く肝臓病や腎臓病を合併しフィブラート系薬剤が使いにくいときにも処方可能です。コレステロール低下作用をもつスタチン薬との併用も問題ありません。

ニコチン酸系
ユベラニコチネートペリシットコレキサミン

ニコチン酸誘導体は、トリグリセライド値とコレステロール値の両方を改善します。トリグリセライドを低下させるとともに、いわゆる悪玉コレステロールが減り、善玉コレステロールはむしろ増加します。さらに、コレステロールの一種リポプロテイン(a)を低下させる働きもあります。ニコチン酸はビタミンBの一種で、副作用も少なく長期服用も安心です。飲みはじめに、顔のほてりや紅潮がよくみられますが、たいてい1〜2週間で軽くなると思います。ユベラニコチネートは、副作用のないおだやかな薬として、古くから用いられています。


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<メモ>
  • コレステロールは、臨床的意義により大きく2つのタイプに分かれます。一つは悪玉とされるLDLコレステロール、もう一つは善玉のHDLコレステロールです。LDLは肝臓からコレステロールを全身の組織に運ぶ役目をしているのですが、多すぎると血管内壁に入り込み動脈硬化を進めます。一方、善玉とされるHDLは、全身の組織から余分なコレステロールを回収し肝臓に戻します。このHDLコレステロールが少なすぎるのも良くないので、脂質異常症(高脂血症)のひとつの判定基準になります。高コレステロール血症では、LDLコレステロールの低下を第一とし、前項のスタチン薬による治療が推奨されます。

  • 中性脂肪のトリグリセリドも脂質異常症の主要な判定基準です。中性脂肪はエネルギー源として蓄えられますが、多すぎてはいけません。独立した危険因子とされ、動脈硬化を進め心血管疾患のリスクを高めるのです。高トリグリセリド血症に対しては、フィブラート系薬剤を中心に、EPA製剤やニコチン酸誘導体などのトリグリセリド低下薬を使います。トリグリセリド高値かつLDLコレステロール高値の高脂血症にはスタチン薬が優先されますが、糖尿病を合併するなど病状によってはトリグリセリド低下薬との併用療法も検討されます。

    
    

 
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