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Top Menue 目の薬x19 緑内障(点眼)-1

PG関連薬-1
レスキュラキサラタントラバタンズタプロスルミガン

緑内障の治療目標は、眼圧を下げ視神経を守ることです。そのための第一選択薬として、PG関連薬が処方されることが多くなりました。PGとは生理活性脂質プロスタグランジン(Prostaglandin)の略称で、その各種誘導体が緑内障治療薬として開発されています。PGのうちPGF2αのFP受容体(Type F Prostanoid receptor)に作用することから、FP受容体作動薬とも呼ばれます。主にブドウ膜強膜流出路からの房水流出を促進することで眼圧を下げます。単独で用いるほか、作用が違う別系統の点眼薬と併用することも多いです。

開発が古いレスキュラは、PG関連薬のうち代謝型プロストン系に分類されます。プロストン系は作用がマイルドで、副作用も少ないほうです。点眼回数は1日2回。あとの4種、キサラタンとトラバタンズそれとタプロスは別系統のプロスト系になります。プロスト系薬は1日1回の点眼で、強力かつ安定した眼圧下降作用を発揮します。最後のルミガンは少し異なった特徴を持ちます。プロスタマイドF2α誘導体であり、FP受容体とは異なるプロスタマイド受容体(FP/FPスプライスバリアント複合受容体)に直接作用するとされます。効き方や効果はだいたい同じです。

PG関連薬の副作用として目の充血のほかに、まつ毛が長くなる、虹彩やまぶたの色素沈着など美容上の問題があります。メラニン色素が徐々に増加し、目の周りの皮膚の色がくすんだり、虹彩(茶目の奥)の色調が変わってしまうことがあるのです。茶目の日本人では目立たないとされますが、気になるときは医師とよく相談してください。

PG関連薬-2
エイベリス

新しいタイプのPG関連薬です。上記とは作用する受容体が違います。PGE2のEP2受容体(Type E Prostanoid receptor-2)に作用し、ぶどう膜強膜流出経路と線維柱帯流出経路の両方からの房水流出を促進することで眼圧を下げます。実際の眼圧下降効果はあまり変わりませんが、他剤無効例においても一定の効果が期待できます。既存のPG関連薬で問題となる色素沈着や睫毛伸長はみられません。一方で、結膜充血、虹彩炎、黄斑浮腫などの発現率がより高い可能性があります。

β遮断薬
チモプトールリズモンミケランミロルベトプティック

目の毛様体にあるβ受容体を遮断し、房水の産生をおさえることで眼圧を下げます。優れた眼圧下降作用を示し、またあらゆる緑内障に有効なので、古くから標準的治療薬の一つとして汎用されています。製剤的な工夫で1日1回の点眼で済む製品も発売され、利便性もよくなりました。持続型点眼薬は夜よりも朝に点眼すると効果的です。

β遮断薬は、β受容体に対する選択性から非選択性β遮断薬とβ1選択性遮断薬に分かれます。チモプトールとリズモン、ミケラン、それとミロルは非選択性、最後のベトプティックはβ1選択性になります。β1選択性のベトプティックは効果ではやや劣るものの、全身的な副作用が少ないです。喘息がある場合でも慎重に用いることができます(避けたほうが無難かもしれません)。

生理活性が高いことから、処方のさい注意を払わなければならないのが全身性の副作用です。この系統はもともと高血圧や不整脈に対する飲み薬として開発されました。点眼薬でも微量が体内に吸収され、心臓や気管支に影響するおそれがあるのです。このため、心臓病や喘息のある人など使用できないことがあります。持病がある人は、必ず医師に報告しておきましょう。

PG・β遮断薬配合剤
ザラカムデュオトラバタプコムミケルナ

PG(プロスタグランジン)関連薬とβ遮断薬の配合点眼剤です。2つの異なる作用、すなわち前者による房水流出促進と、後者の房水産生抑制によって眼圧下降作用の増強がみこめます。PG関連薬としての配合成分は、ザラカムとミケルナがラタノプロスト(キサラタン)、デュオトラバがトラボプロスト(トラバタンズ)、タプコムがタフルプロスト(タプロス)です。β遮断薬は、ミケルナがカルテオロール(ミケラン)、それ以外はチモロール(チモプトール)になります。処方対象となるのは、1剤で効果不十分な場合、あるいは2剤以上の多剤併用をすでにおこなっている場合などです。2剤併用療法が1回の点眼で済むので治療が楽です。

α1遮断薬
デタントール

房水の流出を促進して眼圧を下げます。作用はやや劣りますが、β遮断薬に比べ副作用が少ないことが確かめられています。このため、PG関連薬やβ遮断薬が副作用で使えないときなどに、第二、第三選択されます。喘息の人にも使えます。

α1・β遮断薬
ハイパジールコーワニプラノール

α遮断作用による房水流出促進作用と、β遮断作用による房水産生抑制作用をあわせ持つ点眼薬です。


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<メモ>
  • 角膜と水晶体の間にある水分を房水(ぼうすい)といいます。房水は毛様体(もうようたい)というところから分泌され、おもに隅角(ぐうかく)にある線維柱帯(せんいちゅうたい)を通って排出されます。その役目は、内側から圧をかけ眼球を保つこと、それに目に栄養分を与えることです。この房水の排出が悪くなり、眼圧が高くなることを「高眼圧症」といいます。視神経が圧迫されるので、そのまま放置すると視野に異常がでてきます。このような状態が「緑内障」です。暗部があらわれたり視野が狭くなったりして、最終的に失明にいたることがあります。緑内障・高眼圧症で唯一確立された治療は、眼圧を下降させることです。

  • 緑内障の目薬には、房水の排出を促進するタイプと房水の産生を抑制するタイプがあります。前者の代表がPG関連薬、後者の代表ががβ遮断薬です。どちらも房水の減少につながり、そのぶん眼圧が下がります。視力や視野を長期維持するには、日々、これらの点眼により眼圧を適正にコントロールすることが大事です。

    
    

 
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