乳がんの薬-2
▼代謝拮抗薬
※5FU、フトラフール(FT)、フルツロン(5-DFUR)、ユーエフティ(UFT)、ティーエスワン(TS-1)、ゼローダ(Cap)
5FUことフルオロウラシルもしくはその誘導体で、フッ化ピリミジン系に分類されます。乳がんに対する有効率は高いとはいえませんが、副作用は少なく比較的安全な治療がおこなえます。5FUとフトラフールには注射薬もあり、より強力な治療に用いられます。新薬のゼローダは、腫瘍組織内で5FUに変換されてから効力を発揮するプロドラッグで、その特性により優れた抗腫瘍作用と副作用の軽減がはかられています。
▼アルキル化薬
※エンドキサン(CPA)
代表的なアルキル化薬で、飲み薬と注射薬があります。この系統は、がん細胞の核酸合成を妨害することで、その増殖をおさえます。エンドキサンは乳がんの標準的な併用療法に組み込まれており、抗生物質のアドリアシン、あるいは代謝拮抗薬の5FUやメソトレキセートなどの注射と併用します。特徴的な副作用として出血性膀胱炎があり、予防のための水分補給と尿量確保が大事です。
▼その他の注射薬
※アドリアシン(DXR、ADM)、ファルモルビシン(EPI)、メソトレキセート(MTX)、タキソテール(DTX)、タキソール(PTX)、ハーセプチン(H2)
アドリアシンは抗がん性抗生物質の一種で、前述のエンドキサンや5FUといっしょに用います。副作用として、骨髄抑制にともなう血液障害に注意し、大量使用時は心臓の調子が悪くなっていないかチェックします。同類のファルモルビシンは心臓の副作用が少ないとされます。メソトレキセートも同様の併用療法をおこないます。
タキサン系植物アルカロイドのタキソテールとタキソールは強力な抗がん薬です。高い有効率を示し、使用される機会が増えてきました。外来投与も可能で、1週間ないし3週間に1回点滴します。まれに重い過敏症状を起こすことがありますので、はじめは医師や看護師が付き添って様子をみます。白血球減少の副作用のほか、長期使用時は手足のしびれなども発現します。
ハーセプチンは新しいタイプの分子標的薬です。適応となるのは、ある特定の乳がん(HER2発現例)で、25%~30%の人がこれに当たります。タキソールなどとの併用療法が試みられ、その治療効果が期待されています。初回に、発熱や悪寒、痛みや吐き気などつらい症状がでることが多いのですが、2回目以降は軽くなります。解熱・鎮痛薬で対処も可能です。
<メモ>
●乳がんの本格的な治療には、注射薬を含めた複数の抗がん薬による化学療法をおこないます。さらにホルモン反応性の場合は、前項のホルモン療法薬と併用します。手術後においても再発リスクが高い場合は、強力な多剤併用療法でがん細胞を完全にたたくようにします。術後補助療法は、半年間くらい続けるのが一般的です。
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