副 項 目 | 精神症状(錯乱、せん妄、幻覚、妄想、意識障害) |
程 度 | ★★ |
概 説 | 薬によっては脳に移行し、重い精神症状や意識障害を引き起こすことがある。錯乱は正常な思考ができない混乱状態で、意識が乱れもうろうとし、幻覚(非現実の人や物が見えたり聞こえる)や妄想(思いこみ)をともなうことがある。また、せん妄は、場所や時間、周囲の人などを正しく認識することができなくなり、不眠や錯乱、異常行動といった精神症状が現われるものをいう。ふつう、薬剤性の精神症状は一過性で中止をすればもとにもどる。過量で生じやすいほか、肝臓や腎臓の働きの悪い人、高齢者で出現しやすい。薬物相互作用による作用増強にも注意する必要がある。 |
症 状 | 興奮・混乱状態、もうろう状態、意識の乱れ、取り乱す、意味不明な言動、幻覚、妄想、強い不眠。 |
原因薬の例 | 抗パーキンソン病薬、副腎皮質ホルモン(ステロイド)、気管支拡張薬、鎮咳・鎮痛薬(リン酸コデインなど)、H2受容体拮抗薬、睡眠薬、免疫抑制薬(シクロスポリン)、抗ヘルペスウイルス薬など。 |
予防・対策 | ● 肝臓や腎臓の悪い人は医師に報告しておく ● 服用中の薬は、医師に報告しておく。薬の飲み合せによって発現率が高まることも ● 自分だけの判断で、薬の量を増やしたり、減らしたりしない ● 免疫抑制薬などは、定期的に血液中濃度の測定をおこなう ● 上記のような症状があらわれたら、すぐに病院に連絡または受診。 |