副 項 目 | 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、水中毒 |
程 度 | ★★★ |
概 説 | 尿量を抑える”抗利尿ホルモン(ADH)”が過剰に分泌されてしまい、体内に水分がたまってしまう状態。同時に血液中のナトリウム分が不足してくる。低ナトリウム血症の1/3を占めるという報告もあり、油断できない。ひどくなると脳にむくみを生じ(脳浮腫)、けいれんや意識障害を起こすともある。なお、「水中毒」は、そのほかの原因も含め、低ナトリウム血症と水分貯留を起こしているような状態を広くいう。尿崩症の治療に用いるデスモプレシンの主作用はADH様作用であり、過量に使用すれば水中毒を起こす危険性が高くなる。 |
症 状 | 頭痛、吐き気、おう吐、めまい、だるさ、無気力、眠気、意識の乱れ、けいれん |
原因薬の例 | 抗精神病薬、抗うつ薬(三環系)、鎮痛薬、血糖降下薬(SU剤)、抗ガン剤(オンコビン、フィルデシンなど)、テグレトールなど。 |
予防・対策 | ● 定期的に尿や血液の検査を受ける ● デスモプレシンを使用しているときは、適正な飲水量を心がける ● 上記のような症状があらわれたら、すぐに病院に連絡または受診 |