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Top Menue 心の薬x16 ‘うつ’の薬-3

SNRI
トレドミンサインバルタイフェクサー

憂うつな気分をやわらげ、意欲を高める抗うつ薬です。SNRIという呼び名は「セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(Serotonin NorAdrenalin Reuptake Inhibitors)」の略称になります。この薬効名が示すように、神経細胞内へのセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、脳内シナプス間隙のそれらの遊離量を増やします。セロトニンの増加は不安をやわらげ気分を楽にし、ノルアドレナリンの増加は意欲を高めるといわれています。臨床的位置付けはSSRIとだいたい同じです。うつ病治療の第一選択薬として広く用いられるようになりました。とくに意欲低下を伴う場合にはSSRIよりも適当かもしれません。

効果はマイルドなほうで強力とはいえませんが、効き方が比較的速く早期の治療効果が期待できます。また、旧来の三環系抗うつ薬に比べ口の渇きや便秘など抗コリン作用に基づく副作用が少なく、飲み始めの吐き気も前項のSSRIに比べ多少軽減されるようです。一方で、頭痛、動悸、頻脈、血圧上昇、排尿困難や不眠などノルアドレナリン作用による症状があらわれることがあります。

最初に発売されたトレドミンは腎排泄型で薬物間相互作用が少ないのが利点の一つです。サインバルタとイフェクサーは1日1回服用の持効性カプセルで服薬が簡便です。セロトニンとノルアドレナリン再取り込みを阻害作用の割合は、トレドミンであまり変わらず、サインバルタで同程度とされます。一方、新薬のイフェクサーは、低用量でセロトニン神経によく作用し、高用量でノルアドレナリン神経への作用がより強まるデュアルアクションを特徴とします。副作用は同様ですが、とくにトレドミンは排尿障害、サインバルタは肝機能障害、イフェクサーは高用量における不整脈(QT延長を含む)や血圧上昇、睡眠障害などに注意が必要かもしれません。

NaSSA
レメロンリフレックス

ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬、通称NaSSAと呼ばれる部類です。作用メカニズムは異なりますが、結果的にノルアドレナリンとセロトニンの神経伝達を増強するという意味では、上記SNRIと似ています。また、化学構造的に4環系抗うつ薬の改良型であり、その特性を持ち合わせています。効果発現が早いこと、眠気の副作用が出やすい点など4環系にみられる特徴です。就寝前の服用となりますので、不眠をともなうときに用いるとよいかもしれません。


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<メモ>
  • ‘うつ’の発現には、脳内の神経伝達物質「ノルアドレナリン」と「セロトニン」の関与が推察されています。SNRIは神経細胞内へのノルアドレナリンとセロトニンの取り込みを抑え、それらの遊離量を増やします。一方、SSRIは選択的にセロトニン取り込みを阻害し、セロトニンの遊離量を増やします。ノルアドレナリンは意欲、関心、覚醒などに関与し、セロトニンは不安や焦燥、緊張感の緩和にかかわると考えられています。ただ、この考えに否定的な報告もあり、臨床的な効果と必ずしも一致するものではありません。

  • 抗うつ薬の共通点として、効いてくるのが遅いということがあります。薬の種類や増量ペースにもよりますが、症状が良くなってくるのは飲み始めから1〜3週間後になります。はじめに、憂うつ感が軽くなり、しだいに意欲がでてきて、不眠も少しずつ解消されてくるようです。

  • 抗うつ薬は、良くなってからも、しばらく続けるようにします。いわゆる「揺りもどし」による再発を防ぐためです。臨床試験でも、長期服用のメリットが示されています。抗うつ薬(SSRI)により症状が良くなった約200人を、そのまま少量の維持量を飲み続けるグループと、プラセボ(にせ薬)を飲むグループに分けて、1年間、経過を観察しました。その結果は、維持量を飲み続けたグループの再発率が11%だったのに対し、プラセボのグループでは35%にのぼりました。

  • 症状やおかれている環境にもよりますが、1年〜2年くらいは続けることになると思います。再発を繰り返しているときは、更に長期の服用となります。中止するときは、医師の判断で徐々に減量するなどします。指示された期間、根気よく続けましょう。

    
    

 
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おくすり110番