緩和薬・その他

▼メトロニダゾール外用剤
ロゼックス

がん性皮膚潰瘍にともなう‘におい’を治す外用塗布剤です。有効成分は、嫌気性菌に強い抗菌作用をもつメトロニダゾールという抗原虫・抗菌薬です。臭気物質を産生する嫌気性菌が消失し、痛みや不快なにおいがなくなれば、患者さんの精神的苦痛もやわらぎます。

▼ビスホスフォネート系注射剤
※ゾメタ、アレディア、オンクラスト、テイロック、ビスフォナール

がんが骨に転移すると、骨がもろくなり痛みがでてきます。骨のカルシウム分が血液中に溶け出すので、高カルシウム血症にもなりやすいです。このようなときに、ビスホスフォネート系の骨吸収抑制薬を注射します。高カルシウム血症の改善とともに、骨痛がやわらぎ骨折の予防にもなります。骨髄腫をはじめ、骨病変がみられる肺がん、乳がん、前立腺がんなどに用いられます。アレディアは、とくに「乳がんの溶骨性骨転移」に適応を持ちます。

▼栄養剤
※栄養輸液(高カロリー輸液、アミノ酸輸液、脂肪乳剤)、経腸栄養剤(エレンタールエンシュア・リキッド、アルブミン製剤など)

手術後や、栄養状態が悪く体重が減少しているときには、これらで栄養補給をおこないます。経腸栄養剤のエンシュアは、経口用として外来でもよく処方されています。


<メモ>
●がんの治療とともに、緩和医療を並行しておこないます。緩和医療とは、痛みやその他の症状を取り除き、より快適に過ごせるように援助することです。とくに激しい痛みは心身を疲労させ、平穏な日々を送るのに大きな障害となります。そのような痛みを無理にがまんすることはありません。昔と比べ、痛みの治療も系統的にきちんと行われるようになりました。がん性疼痛と副作用対策については次項で述べます。

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