不眠症の薬-1

▼ベンゾジアゼピン系(BZ作動薬)
ハルシオンアモバンルネスタマイスリーデパスレンドルミンリスミーエバミールユーロジンベンザリンロヒプノールサイレースソメリンドラールなど

睡眠薬として処方される大部分がベンゾジアゼピン系もしくはその類似薬です。アモバンとルネスタ、それとマイスリーは非ベンゾジアゼピン系に分類されますが作用的にはほぼ同じです。これらは睡眠導入薬とも呼ばれ、不安や緊張感をやわらげ、気分をリラックスさせて自然な眠りに導きます。効き目がよく、また安全性が高いことから、不眠症の治療にはまずこの系統が使われるものです。昔からの薬剤ですが、副作用の軽減をはかったマイスリーやルネスタ、ドラールなどの新薬も開発されています。

睡眠薬は、持続時間によって大きく4つに分類されます。超短時間型(ハルシオン、アモバン、ルネスタ、マイスリー)、短時間型(デパス、レンドルミン、リスミー、エバミール)、中間型(ユーロジン、ベンザリン、ロヒプノール)、長時間型(ソメリン、ドラール)の4分類です。そして、不眠のタイプや年齢が考慮され、適切に使い分けられることになります。たとえば、寝つきの悪いときや一時的な不眠には短時間型を、夜間に何度も目が覚めたり、朝早く目が覚めてしまう人には中間型もしくは長時間型が処方されます。また、高齢の人には、副作用のでにくいリスミーやエバミールもすすめられています。

重い副作用はまずありませんが、翌朝に眠気やふらつき、だるさが残ることがあります。作用時間の長い薬や服用量が多いときによくみられる副作用です。このため、車の運転など危険をともなう操作は避けなければなりません。一方、ハルシオンなどとくに短時間型で注意しなければならないのが、一過性前向性健忘です。一時的なものですが、服用後の出来事を覚えていないことがあるのです。夜中に起きて仕事をする人は服用しないほうがよいでしょう。

また、定期服用中に急にやめると反発的な症状が現れることがあります。イライラ、不安がつのる、ふるえる、かえって眠れないといった具合です。専門的には退薬徴候とか反跳性不眠と呼ばれ、短時間型の服用中止時あるいは急激な減量後にあらわれやすいものです。自分だけの判断で止めないで、医師の指示のもと徐々に減量すれば大丈夫と思います。


<メモ>
●眠れない原因はさまざまです。家庭や仕事上のトラブル、悲しい出来事、あるいは入院などのストレスで一時的に眠れないことがありますし、神経症やうつ病、統合失調症など心の病気が原因のこともあります。さらに、呼吸器の病気、心臓病、痛みやカユミなど体の病気も不眠を起こします。不眠症の治療は、原因疾患の治療、環境の整備などを合わせておこなうことが大切です。

●むやみに種類や量を増やしても、結局は効き目が落ちてきます。症状がよくなり、生活や職場の環境が安定したなら、医師とよく相談のうえ計画的にゆっくり減量することも考慮しましょう。

●ベンゾジアゼピン系薬は、睡眠薬あるいは抗不安薬として各科で広く処方されています。重複することがよくありますから、服用中の薬は必ず医師に報告してください。

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