不眠症の薬-2

▼メラトニン受容体作動薬
ロゼレム

国内メーカーが開発した新しい不眠症治療薬です。日々の睡眠サイクルにかかわるメラトニン受容体に作用して自然な睡眠をもたらします。前項のベンゾジアゼピン系とも、下記薬剤とも効き方がまったく異なり、鎮静作用や抗不安作用によらない睡眠作用を示します。強力とは言えないかもしれませんが、副作用が少なく、依存の心配もありません。今後、比較的軽い不眠症に処方される機会が増えてくることでしょう。

▼オレキシン受容体拮抗薬
ベルソムラ

こちらも新しいカテゴリーの不眠症治療薬です。今までのどの睡眠薬とも作用機序が違います。鎮静作用というより、脳の覚醒状態を抑制することにより眠りをもたらすのです。入眠効果と睡眠維持効果があるので、入眠障害、熟眠障害ともに有効です。比較的安全性が高く、ベンゾジアゼピン系薬で問題となる耐性や反跳性不眠、依存などのリスクも低いことから、不眠症に対する新たな治療選択肢として期待されています。ナルコレプシー様症状(日中の過剰な眠気、下肢脱力、入眠時幻覚、睡眠時麻痺)に念のため注意が必要かもしれません。

▼安定剤(メジャー)
ウインタミンコントミンヒルナミンレボトミンセレネース

一般的ではありませんが、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の効きが悪いときや、イライラ、興奮、不安、緊張感など精神症状が強いときに用いることがあります。高齢の人の夜間徘徊にも使います。

▼バルビツール酸系
フェノバールラボナイソミタール

他の薬が効かないきに使われます。ただ、この系統は、続けているうちに効き目が落ちたり、急に中止すると反発的な症状が強くでることがあります。服用量の安全域も広くありません。このような欠点から、不眠症に処方される機会は少なくなっています。

▼抗うつ薬
ルジオミールテシプールテトラミドトリプタノールスルモンチール

抑うつ症状があるときに向いています。四環系抗うつ薬を中心に、鎮静・催眠作用の強い抗うつ薬が使われます。

▼ヒドロキシジン
アタラックスアタラックス-P

おだやかな作用で不安や緊張感をやわらげます。かゆみ止めの効果もあるので、湿疹やじん麻疹のカユミで眠れないときに適します。皮膚科でよく処方されます。

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