"躁うつ"の薬

▼炭酸リチウム
※リーマス

気分の浮き沈みをおさえるお薬です。おもに、躁病の再発予防に用います。効いてくるまでに1~2週間を要しますが、有効率は高く、70~80%の人に効果があります。ただ、量が少ないと効きませんし、逆に多すぎると中毒を起こします。そのため、血液中の濃度を測定して、その人に合った量を決めなければなりません。ふつう、少量より開始し、血中濃度を測定しながら急速に増量します。症状がよくなったら、徐々に減量し維持量を続けるようにします。決められた用量を必ず守るようにしてください。

心臓病、腎臓病、てんかんなど持病のある人は、この薬を服用できないことがあります。また、利尿薬、鎮痛薬、安定剤など一部の薬と併用しますと、中毒や副作用がでやすくなります。持病や服用中の薬は必ず医師に報告しておきましょう。

服用中に気をつけなければならないのは、「リチウム中毒」です。初期症状として、手のふるえ、吐き気、めまい、言葉のもつれ、口が渇く、下痢などが現れます。ひどい場合は、すぐに医師に連絡してください。ご家族の方も注意しましょう。また、体の水分が減ると中毒を起こしやすくなります。ふだんから十分に水分をとるようにしてください。激しい嘔吐・下痢・発汗も脱水を起こし、中毒症状の引き金になります。さらに、減塩や減量(ダイエット)も中毒の要因となります。

▼カルバマゼピン
※テグレトール

気分を安定させる作用から、躁うつ病に応用されます。本来は、神経痛やてんかんの治療薬です。速効性ではありませんが、リーマスよりは早く効いてきます。副作用で多いのは、めまい、目のかすみ、頭痛、口の渇き、吐き気などです。飲み始めの発疹にも注意が必要です。まれですが、白血球などの血液成分が減ってしまうことがあります。定期的な検査で、効き具合や副作用のチェックを受けてください。

▼バルプロ酸ナトリウム
※デパケン、セレニカR

脳の神経をしずめて、躁うつ病における躁状態を落ち着かせます。もともと抗けいれん薬として、各種のてんかんに用いられてきましたが、最近になって「躁うつ病」の適応を取得し、こちらの目的で用いることも多くなりました。副作用は多くありませんが、肝機能値などに注意が必要です。

▼その他の安定剤(メジャー)
※セレネース、ヒルナミン、ロドピンなど

強い躁状態をしずめるのに用います。感情の高ぶりを抑えて、気分をおだやかにします。眠気やめまいを起こすことがありますから、車の運転など危険な作業は避けましょう。[参:精神症状の薬-1]


<メモ>
●一般に、「うつ病」は中高年の人に多いのですが、「躁うつ病」は若い人にも多くみられます。躁状態では、落ち着きがなくなり、妙にはしゃいだり、怒りっぽくなったり、行動がエスカレートしてしまいます。逆に、うつ期に入ると、気分が沈み抑うつ状態となります。リーマスやテグレトールは、「気分安定薬」とも呼ばれ、気分の波をおさえ、躁状態になるのを防ぎます。

●気分安定薬は、躁うつ病に限らずいろいろな精神症状に応用されます。たとえば女性の月経前の強いうつ症状(月経前不快気分障害)に使われることがあります。

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