便秘薬(刺激性)

▼アントラキノン系
プルゼニドアローゼンアジャスト、大黄(ダイオウ)

大腸を刺激して腸の運動を亢進、排便を促します。センナ葉の有効成分であるセンノシド製剤の「プルゼニド」、センナ葉とその実を成分とした「アローゼン」が代表的です。大黄は、便秘向け漢方薬にも配合される生薬由来の下剤です。これらは比較的強力で効果も確実です。効果の発現はおおよそ8~12時間後で、一般的には翌朝の効果を期待して寝る前に飲みます。妊娠中はできるだけ控えてください。

重い副作用はまずありませんが、量が多すぎると腹痛や吐き気、軟便や下痢を起こしてしまいます。ですから、まずは少量で始めるのが基本です。長期常用で問題となるのが、耐性と習慣性です。効き目が悪くなるばかりか、薬を飲まないと自然な排便がますます困難になってしまうのです(下剤性結腸症候群)。また、実害はないとされますが、内視鏡検査で大腸黒皮症(大腸メラノーシス)が見つかることがあります。医師と相談のうえ、そうなる前に症状に応じて減量、休薬または中止することも考慮しましょう。

▼ジフェノール系
ラキソベロン

ラキソベロンには、液剤と錠剤があります。液剤は、ふつう10~15滴ほどを水に溶かして服用します。習慣性が少なく安全性が高いので、子供やお年寄の便秘を含め広く使われています。大腸検査(X線・内視鏡)の前には液剤を用います。妊娠中の便秘にも向きます。

▼その他1
※コーラック、テレミンソフトグリセリン浣腸

コーラックは市販薬になりますが、病院で使われることがあるかもしれません。テレミンソフトは、コーラックと同一成分の速効性の坐薬です。グリセリン浣腸は、直腸粘膜を直接刺激し、また滑りをよくして直ちに排便させることができます。


<メモ>
●刺激性下剤は一般的な便秘症に広く使用できますが、多量の硬結便のある重症例においては避けたほうが安全です(グリセリン浣腸を慎重に使用)。また、過敏性腸症候群でみられる「けいれん性便秘」にもあまり向きません。

●便秘薬はできるだけ短期間にとどめましょう。安易に増量を繰り返していると、体が下剤に頼りがちになり自然な排便ができなくなってしまうのです。耐性や習慣性はアントラキノン系の飲み薬でとくに問題となりますが、グリセリン浣腸剤でも同様のことがいえます。大黄では、かえって便秘になってしまうこともあります。医療用医薬品に限らず、市販薬にもこのてのものが多数ありますので使用のさいは注意が必要です。

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