胃薬(潰瘍2)
▼プロスタグランジン製剤
※サイトテック、カムリード
胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に用います。胃の粘膜を丈夫にし、胃酸に対する抵抗力を強めます。とくに、鎮痛薬の長期服用で生じる潰瘍(NSAIDs潰瘍)に効果的です。ただし、出血性潰瘍には、慎重に用いる必要があります。また、妊娠中ならび妊娠の可能性のある女性には使用できません。
▼ムスカリン拮抗薬、抗ドパミン薬、抗ガストリン薬
※ガストロゼピン、ドグマチール、プロミド
ガストロゼピンは、ムスカリン受容体への刺激をおさえて、胃酸の分泌を減らします。ドグマチールは、うつ病の治療にもよく使われますが、比較的少量を用いることで胃の働きを改善します。プロミドは、ガストリン細胞の刺激をおさえることで、胃酸分泌を抑制します。
▼胃粘膜保護薬
※アルサルミン、マーズレンS、イサロン、プロマック、セルベックス、ムコスタ、ガストローム、アプレース
胃壁を保護したり、胃の粘膜を丈夫にする胃薬です。消化性潰瘍に対しては効果不十分なので、補助薬として胃酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーと併用します。アルサルミンについては臨床試験での実績があり、海外でも高く評価されています。どれも、副作用はほとんどありません。
<メモ>
●ピロリ菌感染とともに、潰瘍発症の二大要因としてあげられるのが鎮痛薬(NSAIDs)の服用です。鎮痛薬には、胃の血流をよくするプロスタグランジンという物質を低下させる作用があります。これにより、胃粘膜が弱くなり、胃酸に対する抵抗力が落ちてしまうのです。症状がほとんどないまま重症化することもありますので油断できません。この場合、鎮痛薬の中止を原則としますが、どうしても必要な場合は、プロスタグランジン製剤のサイトテックや前項のプロトンポンプ阻害薬などと併用し、再発を防ぐようにします。
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