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Top Menue 皮膚の薬x18p アトピー(外用)-2

免疫調整外用薬
プロトピック軟膏

プロトピック軟膏は、免疫抑制薬のタクロリムスを外用化した新薬です。ステロイドとは作用機序が違いますが、その強さはステロイド外用薬の3群[強力]に匹敵します。ステロイドと異なるよい特性は、皮膚の防御機能を損なうことなく皮膚炎を治せる点です。とくに顔や首など皮膚のうすい部位での効き目がよく、顔の赤みや首の湿疹に最適です。また、皮膚萎縮などステロイド外用による副作用が心配されるとき、あるいは再燃時における寛解にも向きます。少し長めに維持療法として週に2〜3回間歇的に塗布することで再燃をおさえることも可能です。2歳以上の子供には、濃度のうすい小児用軟膏を用いることができます。

有用な薬剤ですが、いくつか注意点があります。第一にあげられるのが、塗り始めの皮膚刺激症状です。ヒリヒリ感や熱感が60〜70%とかなり高率であらわれます。水に濡れると強まりますので、洗顔前や入浴前には塗らないほうがよいでしょう。ただ、たいてい2、3日、長くても1週間ほどで軽くなり、その後によい効果がでてきます。それまで少しのがまんが必要かもしれません。強い症状が続くときは医師と相談してください。第二の注意点として、ジュクジュクした潰瘍面やひどい傷口、あるいは粘膜や外陰部には使用しないこと。そのような部位は体内への吸収量が多いためです。第三に、皮膚がんのリスクを避けるため、できるだけ塗布した部位を日光にさらさないことです。

比較的新しい薬なので、長期的な有効性や安全性については十分検証されていません。今のところ、心配されるリンパ腫や皮膚がんの発生増加は認められず、それらのリスクはないものと考えられています。ただし、10年以上の長期使用時、あるいはその後の将来にわたる安全性や予後改善については今後の課題といえるでしょう。いずれにしても、ただ漫然と続けるのは好ましくありません。そのときどきの症状に応じ適用部位や塗布間隔をきめ細かく調整するなど、専門医により慎重に処方されなければなりません。


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<メモ>
  • プロトピック軟膏の有効成分タクロリムスは、筑波山麓の土壌で見つかった放線菌の代謝産物です。もともとは飲み薬(プログラフ、グラセプター)として開発され、その強力な免疫抑制作用にもとづき臓器移植後の拒絶反応の予防薬として承認されました。その後、その免疫抑制作用を応用し、アトピー性皮膚炎用の軟膏剤として開発されたのがプロトピック軟膏です。大人用とは別に、濃度のうすい小児用軟膏も発売されました。

  • もともと、日光(紫外線)は皮膚ガンの危険因子です。プロトピック軟膏を塗ると、その危険性が少し高まる可能性があります。皮膚の免疫力が低下するからです。現時点、自然発生率を超えるものではないと考えられていますが、万全を期してプロトピック軟膏を塗った部位は日光に長時間さらさないようにしてください。日焼けランプや紫外線ランプもよくありません。

    
    

 
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おくすり110番