乳がんの薬-1

▼抗エストロゲン薬
※ノルバデックス(TAM)、タスオミン(TAM)、フェアストン

乳がんは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の影響を受けて大きくなる性質があります。これらの薬は、乳がん細胞にあるエストロゲン受容体をブロックすることで、がん細胞の増殖をおさえます。ホルモン反応性の乳がんの場合、半数以上の人によい効果を示します。手術後の再発予防目的に補助療法として用いることも多いです。非ステロイド性で、副作用も少ないほうです。

▼アロマターゼ阻害薬
※アフェマ、アリミデックス、アロマシン、フェマーラ

閉経後のエストロゲン産生には、副腎や脂肪組織におけるアロマターゼという酵素がかかわっています。これらの薬は、そのアロマターゼの働きをじゃますることで、エストロゲンの生成をおさえます。そのような特性から、ホルモン反応性の閉経後乳がんにかぎり適応となります。

▼黄体ホルモン薬
※ヒスロンH(MPA)

黄体ホルモン薬の高用量製剤です。エストロゲンを抑制するなど複合的な作用により抗がん作用を発揮します。ただし、第一選択されることはなく、他のホルモン療法薬の効き目が悪くなったときなどに用いられます。血栓症の副作用に注意が必要です。

▼LH-RH薬(注射)
※リュープリン、ゾラデックス

性腺刺激ホルモンの分泌抑制作用により、エストロゲンを低下させます。その結果、乳がんの勢いがなくなり、病状がおさまります。治療は、1ヶ月ないし3ヶ月に1回の皮下注射ですむので楽です。適応となるのは、ホルモン反応性の閉経前乳がんにかぎります。完治を確実にするため、手術後にダメおしで投与することも多いです。副作用で多いのは、のぼせや発汗、頭痛、不眠など更年期のような症状です。つらいときは医師とよく相談してください。


<メモ>
●乳がん治療の第一は手術による切除です。そして必要であれば、再発防止のための術後補助療法がおこなわれます。乳がんのうち、ホルモン反応性が高いほど、上記によるホルモン療法がよく効きます。閉経前には抗エストロゲン薬とLH-RH薬を、閉経後には抗エストロゲン薬もしくはアロマターゼ阻害薬を用いるのが基本です。一方、ホルモン反応性が陰性の場合はこれらの効き目は悪く、次項の抗がん薬による化学療法が重要となってきます。

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