エイズの薬-2

▼プロテアーゼ阻害薬
※クリキシバン、ノービア、レクシヴァ、レイアタッツ、インビラーゼ、ビラセプト、プリジスタ、カレトラ

プロテアーゼという酵素の働きをおさえてエイズウイルスの成熟を阻止します。強力な抗ウイルス作用をもちますが、単独使用はせず前項の逆転写酵素阻害薬と併用するのが原則です。特徴的な副作用として高脂血症や尿酸値上昇、高血糖などがあげられます。また、長く続けていると リポジストロフィーといって体脂肪が偏って沈着し、手足が痩せる一方で、胸や肩・腹部が太ってくることがあります。この系統は、薬物間相互作用を起こしやすいので、薬の飲み合わせにも十分な注意が必要です。

クリキシバンは開発の古い代表的なプロテアーゼ阻害薬ですが、用法が煩雑なこともあり最近はあまり処方されません。ノービアは抗ウイルス作用よりも、他のプロテアーゼ阻害薬の血中濃度を維持するために併用されることが多いです。この目的で、カレトラには初めからノービアが配合されています。新薬のレクシヴァとレイアタッツは、服用が簡単で副作用も比較的少ないことから、第一選択薬として推奨されています。プリジスタは、耐性ウイルスにも高い治療効果が期待できる新薬です。

▼インテグラーゼ阻害薬
※アイセントレス

新しいタイプの抗エイズウイルス薬です。作用機序が違うため、従来の抗ウイルス薬が効かない場合や副作用で使えないときに選びます。標準的治療法で効果不十分な場合でも、この薬を含めた多剤併用療法において約60%の有効性が示されています。比較的 副作用が少なく、薬の相互作用が起きにくい点もよい特性です。


<メモ>
●エイズの薬は大きく3系統に分かれます。前出の「ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬」と「非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬」、それと「プロテアーゼ阻害薬」です。これらから3種類以上を組み合わせる多剤併用療法が広くおこなわれています。最近、新しい作用機序を持つインテグラーゼ阻害薬が発売され、さらに選択肢が増えました。今後、薬剤耐性にも十分対応できるようになり、普通の人と同じくらい長生きできる日も近いと思います。

●決められた飲み方を厳守してください。規則正しい服用は、薬の血中濃度を一定に保ち、ウイルスに増殖する"すき"を与えないために重要です。服薬率が95%を割ると、薬の効きにくい耐性ウイルスの出現が多くなるという報告があります。不用意な減量や中断は、薬の効き目を悪くし、治療を困難にするおそれがあるのです。飲み忘れにも十分注意しましょう。

●副作用は薬剤ごとに違います。標準的治療で比較的多いのは、発疹など皮膚症状、吐き気や下痢など胃腸症状、頭痛やめまい・異常な夢など精神神経症状、高脂血症、リポジストロフィー(体脂肪再分布)などです。軽い場合は治療を優先しなければなりません。飲み始めの皮膚症状や胃腸症状、精神神経症状は、徐々に軽減することもあります。いずれにしても、なにか体に異常を感じたら、どのようなことでも医師と相談するようにしてください。

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