エイズの薬-1

▼ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
※レトロビル、ビリアード、ザイアジェン、ヴァイデックス、ゼリット、ハイビッド、エピビル、エムトリバ、コンビビル、ツルバダ、エプジコム

エイズウイルスの増殖をおさえる抗ウイルス薬です。ウイルスの遺伝子複製にかかわる逆転写酵素阻を阻害します。単独ではやや弱いので、複数を組み合わせるのが基本です。最近は、利便性のよい配合剤が広く用いられています。レトロビルは古くからある標準的な治療薬で、これにエピビルを配合したのがコンビビル錠です。1日1回1錠で済むツルバダはビリアードとエムトリバの組み合わせ、エプジコムはザイアジェンとエピビルの合剤です。全般的に、この系統は食事の影響を受けにくく、飲み合わせの悪い薬も少ないほうです。副作用の出方は薬によりまちまちです。

▼非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬
※ストックリン、ビラミューン、レスクリプター

基本的な作用はヌクレオシド系と同じですが、化学構造が異なり、また逆転写酵素阻と結合してその働きを妨害します。抗ウイルス作用が強く、これらを含む多剤併用療法において治療成績が上がっています。難点として、耐性を生じやすく、効き目が落ちることがあります。耐性は単独投与で生じやすいので、必ず他系統の薬剤と併用する必要があります。発疹や精神神経系の副作用に注意が必要です。


<メモ>
●エイズ(後天性免疫不全症候群)は、エイズウイルス(HIV:ヒト免疫不全ウイルス)の感染による病気です。血液や精液を介してうつります。体に入ったエイズウイルスは、CD4リンパ球と呼ばれる免疫細胞(白血球の一種)を破壊しながら、徐々に増殖していきます。その結果、体の免疫力がしだいに低下し、数年から十数年後に発症します。日本では血友病の治療に使用された非加熱の血液製剤からの感染例があり、いわゆる「薬害エイズ」として大きな社会問題となりました。最近は、同性間もしくは異性間の性的接触による感染が増えているようです。

●エイズウイルスに感染していても、すぐに治療を開始するわけではありません。免疫細胞(CD4)が一定のレベル以下になった時点で薬物治療を始めます。薬を選ぶさいは、抗ウイルス作用や副作用の程度、服用のしやすさなどが考慮されます。飲み合わせにも注意が必要ですので、使用中の薬があれば必ず医師に報告しておきましょう。よい薬が出てきましたが、エイズウイルスを完全に死滅させることは困難です。したがって、生涯にわたり治療を続けなければなりません。治療にさいしては、注意事項や副作用について十分説明を受け、薬の性質をよく理解しておくことが大切です。

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