精神病の薬-1
▼フェノチアジン系
※コントミン、ウインタミン、ヒルナミン、ピーゼットシー、ニューレプチル
心の不調や不具合を調整するお薬です。イライラ感、気持ちの高ぶり、不安、緊張感などをしずめ、気持ちをおだやかにします。統合失調症のほか、いろいろな精神症状の改善に用います。また、嘔吐、けいれん、不眠などの治療にも使われています。副作用で多いのは、口の渇き、便秘、目のかすみ、尿がスムーズに出ない、動悸、手のふるえ、体のこわばり、つっぱり・・などです。急に飲むのを中止すると反動で症状が悪化することがあります。自分だけの判断で止めてはいけません。眠気やめまいを起こすことがありますから、車の運転など危険な作業は控えましょう。
▼ブチロフェノン系
※セレネース、インプロメン
フェノチアジン系と同様ですが、幻覚や幻聴、妄想をおさえる作用が強くなります。統合失調症や躁病の治療に用いるほか、お年寄りの夜間せん妄にも使われています。副作用として「手足のふるえ、体のこわばり、つっぱり」がでやすいので、その予防薬(アキネトン、アーテン等)を併用することがあります。また、口周辺や舌の異常な運動を特徴とする「遅発性ジスキネジア」を起こしやすいことも知られています。ジスキネジアは、とくに高齢の人の長期服用時に注意します。
▼その他
※ホーリット、オーラップ、クロフェクトン、クレミン
フェノチアジン系やブチロフェノン系と同様ですが、それぞれで多少効き方が異なります。クロフェクトンやオーラップには、意欲を高める働きもあります。
<メモ>
●「統合失調症」は、脳の情報伝達系に不具合を生じ、現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手にできなくなる病気です。幻覚や幻聴、妄想も特徴的です。心の病気というより、脳内の「内因性」の病気です。ただ、精神的ストレスも症状悪化の引き金になります。120人に1人くらいかかるごく普通の病気ですので、特別視することはありません。きちんと治療を続ければ、普通の社会生活が送れます。抗精神病薬には、脳内で起きている情報伝達系の混乱を改善する働きがあります。
●統合失調症は、脳内の神経伝達物質「ドパミン」の過剰伝達が原因のひとつと考えられます。抗精神病薬(定型)は、おもにドパミンの伝達をブロックして、幻覚や妄想を起こらなくします。
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