心不全の薬-1
▼ジギタリス薬(強心配糖体)
※ジギトキシン、ジゴキシン、ジゴシン、ラニラピッド
いわゆる強心薬として、古くから使われているお薬です。心臓の収縮力を強くし、脈をゆっくりさせます。結果として、心不全のつらい症状もわらぎます。実際に、ジギタリス薬を使用すると、心不全悪化による入院の割合が減るという臨床研究が報告されています。寿命を延ばす効果は疑問視されていますが、利尿薬のアルダクトンと併用した臨床試験では死亡率の低下も認められました。
最近のある研究では、より少量の投与が長期予後のうえで好ましいということです。服用量の適切なコントロール、心電図による不整脈のチェック、血液中のカリウム値の検査などをきちんとおこなう必要があります。慎重に上手に用いれば、長期的な予後の改善効果も期待できるでしょう。逆に、安直な使用は、かえって寿命を縮めるおそれがあります。医師の腕がためされる薬といえるでしょう。
治療中、いちばん注意が必要なのは「ジギタリス中毒」です。吐き気、嘔吐、下痢、頭痛、視覚の異常、動悸(ドキドキ)、めまい、万一このような症状が現れたら、すぐ医師に連絡してください。薬の量が多すぎるかもしれません。
▼利尿薬
※ラシックス、アルダクトン
体の余分な水分を尿に排出し、心臓の負担を軽くします。一般的にはラシックスが用いられますが、別系統のアルダクトンも有用です。標準的な心不全の処方に、アルダクトンを追加すると、死亡率が30%も低下するという研究結果が注目されています(RALES)。安全な薬ですが、利尿薬は血液中のカリウム値やナトリウム値が変動することが多いので定期的な検査が必要です。アルダクトンでは、男性の乳首が張ってきたり、女性の生理が乱れることがあります。これは、中止により回復する副作用ですので、それほど心配いりません。
<メモ>
心臓の働きが悪くなり、ポンプ機能が低下すると、血液や水分の循環が悪くなります。その結果、体に余分な水分がたまりやすくなり、浮腫(むくみ)を生じたり、息苦しさや疲れを感じるようになります。肺に水分がたまると、咳がでたり、ゼーゼーとぜん息のような呼吸になることもあります。このような状態が「心不全」です。日常生活にほとんど支障のないごく軽いものから、絶対安静が必要な重いものまで程度はいろいろです。
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