副 項 目 | 依存 |
程 度 | ★★ |
概 説 | 薬を中止すべき状況においても、心身からの要求でやめられなくなってしまうことを「薬物依存」という。乱用や大量使用時に生じる「高用量依存」のほか、ベンゾジアゼピン系安定剤でしばしば問題となるのが通常量で生じる「臨床用量依存」。ベンゾジアゼピン系の薬は通常量でも急に中止すると、反発作用により一時的に強い不安感がでたり、以前よりも眠れなくなってしまうことがある。結局いつまでも薬に頼ってしまう。ただ、このような臨床用量依存は、依存といっても程度は軽く、減量または中止後2〜3日、長くても1週間もすれば消失してくるのでそれほど気にすることはない。漸減法、隔日法、置き換え法などにより徐々に減量すれば、反跳現象を避けよりスムーズに中止することもできる。この手の薬を出したり増やしていくことは簡単、いかに上手に減量・中止できるかが医師の腕の見せどころ。 |
症 状 | 安定剤や睡眠薬に頼りがち、なかなかやめられない。高用量依存は、大量に服用している状態で、薬に異常に執着するようになる。 |
原因薬の例 | 安定剤、睡眠薬、一部の鎮咳薬・鎮痛薬(リン酸コデインなど)。 |
予防・対策 | ● 自分だけの判断で、薬の量を増やしたり、減らさない ● 長期に多めの量を飲み続けているときは、急に服用を中止しない ● むやみに薬の量や種類を増やさない ● 心理療法、自律神経訓練法など、薬以外の治療もきちんとおこなう ● 生活や職場環境などが安定し症状がよくなってきたら、医師と相談のうえで徐々に減量したり頓服のような飲み方に変えることも考慮する ● 減量・中止時の軽い反跳は、2〜3日でなくなるので、少しがまんも必要 |