脂質異常の薬-3

▼プロブコール製剤
ロレルコシンレスタール

かつて汎用されたコレステロール低下薬です。胆汁中へのコレステロールの異化排泄を促進し、またコレステロールの合成をおさえることで善玉、悪玉をふくめた総コレステロールを下げます。抗酸化作用もあり、コレステロールの変性を防ぎ動脈を守る働きもします。最近はスタチン系薬剤に処方が移りましたが、黄色腫退縮効果を期待して黄色腫をともなう高コレステロール血症に使用することがあります。

▼その他
エラスチームMDSEPLなど

比較的開発の古い高脂血症治療薬です。エラスチームは悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やします。MDSはおもにトリグリセライド(中性脂肪)を下げます。最近は効果が確実なスタチンやフィブラート系薬剤に処方が移り、あまり使用されなくなりました。


<メモ>
●薬を飲む必要があるかは、単にコレステロールやトリグリセライドの値だけでは判断できません。喫煙、肥満、年齢、高血圧、糖尿などがあり、心筋梗塞を起こす危険性の高い人は、より低い値でも服薬をすすめられるものです。逆に、コレステロール値が多少高いだけで、その他のリスク要因が少ないのであれば、必ずしも薬物治療を必要としません。とくに、もともと心筋梗塞の少ない日本人女性での有用性については議論のあるところです。

●コレステロールは体に必要なものです。免疫細胞やホルモンを作るのにも欠かせません。薬でやみくもにコレステロール値を下げればよいというものではありません。まずは、食事療法、運動療法、適切な体重の維持、禁煙などをおこなうことが大事です。これらをきちんと行えば、薬を飲まずに済むことが多いものです。薬を飲みはじめても、不摂生をしては効果半減です。

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