下痢の薬-2
▼収斂・吸着・防腐薬
※タンナルビン、アドソルビン、フェロベリンA
タンナルビンは、腸粘膜を保護したり粘膜の炎症をしずめます。アドソルビンには、腸粘膜保護作用のほか、腸内の有害物質を吸着する作用もあります。植物成分に由来するフェロベリンは、腸内の悪玉菌を抑え、異常発酵や腐敗を防ぎます。
▼乳酸菌製剤
※ラックビー、ビオフェルミン、エンテロノンR
腸にやさしい善玉の乳酸菌を補い、悪玉の腸内細菌を追い出します。その結果、下痢や便秘症状が改善され、腸の調子がよくなってきます。抗生物質による下痢を防ぐ目的で、併用することもあります。抗生物質によって死滅してしまう善玉菌を補うわけです。この場合、抗生物質に抵抗力を持つ耐性乳酸菌製剤(R)が好ましいです。乳酸菌製剤は強力とはいえませんが、どのような下痢にも安心して使えます。
▼消化薬
※ベリチーム、エクセラーゼなど
消化不良で下痢を起こしているときに用います。膵炎では大量投与もおこなわれます。食直後か食事中に飲むと効果的です。副作用はほとんどありません。
▼乳糖分解酵素薬
※ガランターゼ、オリザチーム、ミルラクト
乳糖を分解する酵素です。牛乳で下痢を起こしてしまう人に使います。腸の機能が未熟な乳幼児に処方されることが多いです。
▼漢方薬
※五苓散、半夏瀉心湯、真武湯、四君子湯、啓脾湯
病状や体質に合わせて、漢方薬を用いることがあります。水様性の下痢は、漢方でいう"湿証"にあたります(粘性便などそうでないこともあります)。そのため、水分を抜く燥性の方剤を用いるのが基本です。
<メモ>
●激しい下痢は、脱水症状をまねきます。とくに赤ちゃんや小さい子供、高齢の人は要注意。点滴で水分を補給したほうがよいですから、早めに受診しましょう。
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