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成分(一般名) フェノトリン
製品例 スミスリンローション5% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 駆虫剤/その他/駆虫剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 疥癬(かいせん)を治療するお薬です。
作用

【働き】

疥癬は、疥癬虫 別名ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生して起こる皮膚感染症です。体のあちこちに小さな赤いボツボツができ、とくに夜間に強いかゆみを生じるのが特徴的です。弱っている人に感染しやすいため、高齢者施設や病院で集団発生することがあります。

このお薬は疥癬虫を駆除する塗り薬です。疥癬虫の神経を麻痺させることで殺虫作用を発揮します。これを、体にくまなく塗れば疥癬虫を完全に死滅させることができるのです。通常、1週間隔で2回塗布します。1回目は成虫を駆除、2回目は卵からかえった幼虫を駆除します。

【臨床試験】

疥癬の患者さん約100人による臨床試験が行われています。この薬を1週間隔で2回塗布したときの治癒した人の割合を調べる試験です。前もって、既存の類似薬の治癒率などを勘案し、期待有効率を90%以上、最低でも80%と設定したうえで実施されました。

その結果、治癒と判定された人の割合は92.6%(88/95人)でした。残念ながらプラセボ(にせ薬)や類似薬との比較試験ではないのですが、期待有効率を上回る成績が得られたことから、この薬の有効性が示されたと判断できるわけです。副作用は軽いものがほとんどで、安全性についても特段の問題はありませんでした。
特徴
  • フェノトリンを有効成分とするピレスロイド系の駆虫剤です。海外で実績のあるペルメトリンと同一系統で、有効性が高く安全性の高い外用剤です。外用だけで治療でき、飲み薬のイベルメクチン(ストロメクトール)が使いにくい場合でも使用可能です。子供や妊娠中の女性においても、とくに禁止されていません。
  • 塗りやすい乳液状のローション剤です。通常、1週間おきに2回の塗布で完結しますので、治療が簡便で楽です。なお、同一成分の低濃度製剤が「0.4%スミスリンパウダー」および「0.4%スミスリンLシャンプータイプ」として以前から薬局で販売されています。こちらは疥癬用ではなく、シラミ駆除用の一般用医薬品です。
注意

【診察で】

アレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。

【使用にあたり】
  • 1週間ごとに使用する塗り薬です(毎日使用してはいけません)。通常は1週間おきで2回の塗布で済みます。ただし、そのあとの検鏡で疥癬虫が確認された場合は再度使用する必要があります。治療期間は医師の指示どおりにしてください。
  • 一般的に疥癬虫は首から下の体に寄生します。このため、塗布部位は首から下の全身です。ポイントは、しわの間までくまなくしっかり塗ること。手足のうら、指の間、わきの下、外陰部、おしりの間など塗り残しのないようにしましょう。ボトル1本1回使い切りですが、子供は体表面積を考慮し適宜減量します。
  • まれなケースとなりますが、重症例では通常とは違う治療になります。角化型疥癬(ノルウェー疥癬)では顔や頭にも塗布し、飲み薬のイベルメクチン(ストロメクトール)との併用療法がおこなわれます。また、爪疥癬ではサリチル酸含有製剤との密封療法も試みられます。
  • 傷口、潰瘍、びらん面は避けてください。また目や口に入らないように注意しましょう。万一、目に入った場合は水で荒い流してください。
  • 子供やお年寄りが指先などを舐めてしまっても、健康上大きな問題はありません。ただ、その部位の薬剤が落ちてしまうことにもなりますので、そのようなおそれがある場合は塗布後に手袋をすることも考慮してください。
  • 治療効果を高めるため、シャワーや入浴による洗浄は塗ってから少なくとも12時間以上あけてください。塗った直後の手洗いも避けましょう。塗る前にトイレは済ませておいたほうがよいでしょう。
  • 着衣に疥癬虫が付着している可能性があります。再感染を防ぐため、薬剤を荒い流したあとは、下着、ねまき、シーツなどは洗濯済みのものに取り替えてください。
  • 疥癬虫が死滅後もアレルギー反応として全身のかゆみがしばらく続くことがあります。

【検査】

2回目塗布以降は1週ごとに検鏡をふくめて効果を確認し、再塗布の必要性を検討します。

【食生活】

通常みられる疥癬の感染力はそれほど強くありません。治療にさいしての生活上の注意事点や衛生管理については、医師の指示どおりにしてください。
効能 疥癬
  • 注意1:疥癬については、確定診断された患者又はその患者と接触の機会があり、かつ疥癬の症状を呈する者に使用すること。
  • 注意2:角化型疥癬及び爪疥癬における有効性及び安全性は確立していない。(使用経験が少ない)
用法 通常、1週間隔で、1回1本(30g)を頸部以下(頸部から足底まで)の皮膚に塗布し、塗布後12時間以上経過した後に入浴、シャワー等で洗浄、除去する。
  • 注意1:ヒゼンダニを確実に駆除するため、少なくとも2回の塗布を行うこと。
  • 注意2:2回目塗布以降は1週ごとに検鏡を含めて効果を確認し、再塗布を考慮すること。
  • 注意3:疥癬は多くの場合そう痒を伴うが、本剤による治療初期に一過性に増悪することがある。
  • 注意4:ヒゼンダニの死滅後もアレルギー反応として全身のそう痒が遷延することがある。そう痒が持続しても、特徴的な皮疹の発生や感染が認められない場合には、漫然と再塗布しないこと。
  • 注意5:小児では体表面積が小さいことから、1回塗布量を適宜減量すること。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 人によっては、ヒリヒリするような刺激感、しびれ感、熱感、かゆみなどの感覚異常を起こすことがあります。多くは軽度で一過性ですが、そのような症状があらわれた場合は医師に報告してください。塗り薬ですので、飲み薬のような全身性の副作用はまずありません。

  • ヒリヒリ感、、しびれ、熱感、かゆみ
  • 皮膚炎(発赤)、かぶれ、ひびあかぎれ、水ぶくれ

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。