概説 |
エキノコックス症(包虫症)の治療に用いるお薬です。 |
作用 | エキノコックス症(包虫症)は、おもに北海道でみられる病気です。エキノコックスは寄生虫の1種で、この成虫(包条虫)はおもにキツネに寄生し、キツネの糞便に卵を排出します。
人への感染は、キツネの糞に汚染された飲食物、たとえば山菜や沢水を口にすることにより起こります。口から入ったエキノコックスの卵は、腸で幼虫(包虫)となり、肝臓で増殖を続けます(人のなかでは成虫にならず、幼虫のまま増え続けます)。そして、数年から10数年後に重い肝障害を引き起こします。
このお薬は、そのようなエキノコックス症に有効です。包虫の体内代謝を阻害して、包虫の増殖を抑えます。ただし、その効果は十分とは言えず、薬だけで完治させることは困難です。最も有効な治療は手術による包虫の摘出です。 |
注意 |
 【診察で】
- 妊娠中もしくはその可能性のある人は、医師に伝えてださい。治療前に妊娠検査で陰性であることを確認する必要があります。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
 【飲み合わせ・食べ合わせ】
- 別の駆虫薬のプラジカンテル(ビルトリシド)は、この薬の血中濃度を上昇させる可能性があります。
- 逆に、抗けいれん薬のフェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)やカルバマゼピン(テグレトール)、フェノバルビタール(フェノバール)などとの併用により、この薬の血中濃度が低下、効果が減弱するおそれがあります。

- 【使用にあたり】

- ふつう、1日3回食事と共に服用します。飲みにくいときは、かみ砕いてから飲んでもかまいまくせん。

- 【検査】

- 定期的に肝機能検査や血液検査を受ける必要があります。

- 【妊娠・授乳】

- 妊娠中は使用できません。また、治療中および治療終了から1カ月以内は、確実な方法で避妊してください。
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効能 |
包虫症 |
用法 |
通常、成人はアルベンダゾールとして1日600mgを3回に分割し、食事と共に服用する。服用は28日間連続服用し、14日間の休薬期間を設ける。なお、年齢・症状により適宜増減する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
おもな副作用は、肝機能値の異常、吐き気や腹痛、めまいや頭痛などです。多くはありませんが、重い血液障害や肝機能障害の発現例も報告されています。発熱やのどの痛み、皮膚や白目が黄色、強いけん怠感、貧血症状などがみられたら医師に連絡してください。
 【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
- 重い血液成分の異常..発熱、喉の痛み、口内炎、だるい、皮下出血(血豆・青あざ)や鼻血・歯肉出血など出血傾向。
- 肝臓の重い症状..だるい、食欲不振、吐き気、発熱、発疹、かゆみ、皮膚や白目が黄色くなる、尿が茶褐色。
- 重い皮膚・粘膜障害..発疹、発赤、水ぶくれ、うみ、皮がむける、皮膚の熱感や痛み、かゆみ、唇や口内のただれ、のどの痛み、目の充血、発熱、全身けん怠感。
 【その他】
- 肝機能値の異常、貧血
- 吐き気、吐く、腹痛
- めまい、頭痛
- かゆみ、脱毛、発疹、発熱
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