概説 |
寄生虫の一種の“吸虫”を駆除するお薬です。 |
作用 | 吸虫類は、もともと魚や動物に寄生している寄生虫です。めったにありませんが、淡水魚や淡水のカニ・エビなどの生食によって起こる肝吸虫症、肺吸虫症、横川吸虫症などが知られています。
このお薬は、吸虫類に有効な駆虫薬です。吸虫体に取り込まれ、その膜を不安定化させて殺虫します。効果が高く、1〜2日間の服用で治療が可能です。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人、また妊娠・授乳中の人は、医師に伝えてください。
- 服用中の薬を医師に教えてください。
 【注意する人】
- 有鉤のう虫(ある種のさなだ虫の幼虫)症には用いません。その寄生部位によっては、死滅虫体により重い後遺症を残すことがあるためです。
- 肝臓や腎臓の悪い人は、薬の排泄が遅れがちですので慎重に用います。不整脈のある人も注意が必要です。

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- 結核の薬のリファンピシン(リファジン)との併用は禁止です。この薬(プラジカンテル)の効果がなくなるためです。
- 飲み合わせの悪い薬..リファンピシン(リファジン)。
- 飲み合わせに注意..フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、カルバマゼピン(テグレトール)、クロロキン(国内未発売)、ヒドロキシクロロキン(プラケニル)、シメチジン(タガメット)、イトラコナゾール(イトリゾール)。
 【使用にあたり】
- 服用量は、年齢や体重によって違います。1錠を分割して飲むよう指示されることがありますので、指示どおりの量を正確に飲んでください。
- 1日2回服用の場合、昼食後と夕食後に服用するのが一般的です。服用間隔は、少なくとも4時間以上あける必要があります。

- 【妊娠・授乳】

- 授乳中は、服用当日とその後72時間は授乳を避けてください。

- 【食生活】

- 眠くなることがあります。車の運転や危険な作業には注意しましょう。
|
効能 |

- 【適用】

- 肝吸虫症、肺吸虫症、横川吸虫症

- 【応用】

- 医師の判断で、以下のような条虫類(さなだ虫)の駆除に応用されるかもしれません/日本海裂頭条虫、有鉤条虫(この幼虫による有鉤のう虫症は禁忌とされます)

- 【注意】

- 住血吸虫症に対する本剤の有用性は外国においては確立されており、WHOでは住血吸虫症の治療のエッセンシャル・ドラッグとされているが、国内における評価症例がないため、我国においては住血吸虫症に対する効能は承認されていない)
|
用法 |
- 肝吸虫症、肺吸虫症..プラジカンテルとして、1回20mg/kgを1日2回2日間経口服用する。
- 横川吸虫症..プラジカンテルとして、1回20mg/kgを1日1〜2回1日経口服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
|
副作用 |
副作用は少ないほうです。ときに、吐き気や嘔吐、腹痛や下痢、頭痛、発疹などを起こします。重い副作用はまずありません。
|