概説 |
トリコモナス原虫を死滅させるお薬です。トリコモナス腟炎の治療に用います。 |
作用 | 
- 【働き】

- トリコモナス症(トリコモナス膣炎)は、おもに女性の膣や尿道に、寄生虫の一種 トリコモナス原虫が感染して起こる病気です。外陰部の痛みやかゆみ、排尿時の不快感、泡だったおりものが増えたりします。
このお薬は、抗トリコモナス薬です。トリコモナス原虫に対し、殺虫的に作用します。トリコモナス原虫がいなくなれば、それによる不快な症状もなくなります。トリコモナス症のほか、嫌気性菌などによる細菌性の腟症にも効果が期待できます。

- 【薬理】

- 微生物のなかで還元されニトロソ化合物(R-NO)に変化、これが抗原虫・抗菌作用を発揮します。また、反応の途中でフリーラジカルが生成され、微生物のDNAの二重鎖を切断し機能障害を起こすことで、分裂増殖を抑制すると考えられます。一般的な抗生物質とは効きかたが違います。
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特徴 | 古くからトリコモナス症に第一選択される特効薬です。内服錠のほか、膣に直接作用させる膣錠もあります。類似薬のメトロニダゾール(フラジール)と化学構造が似ており、作用機序、効果ともだいたい同じです。適応外ですが、アメーバ赤痢やランブル鞭毛虫感染症にも有効です。 |
注意 |
 【診察で】
- 持病やアレルギーのある人は医師に伝えておきましょう。
- 妊娠中の人は医師に申し出てください。
- 服用中の薬を医師に教えてください。

- 【注意する人】

- 血液に悪い影響をすることがあるので、もともと血液疾患のある人は控えるようにします。また、てんかんのある人や、けいれんを起こしやすい人も医師に報告しておいてください。
- 適さないケース..血液疾患、脳・脊髄の器質的疾患(けいれん発作)、妊娠3カ月以内

- 【飲み合わせ・食べ合わせ】

- アルコールに弱くなり、悪酔いしやすくなります。悪心、腹痛、頭痛、動悸、紅潮など激しい症状を起こすおそれがあります。エリキシル剤などアルコール分を含む薬には注意が必要です。また、服用中と服用後3日間くらいは、飲酒を避けてください。
 【使用にあたり】
- 指示された用法用量どおりに、正しくお飲みください。
- 薬の影響で、尿の色が暗赤色に変わることがあります。

- 【妊娠・授乳】

- とくに必要な場合を除き、妊娠中はできるだけ控えます。とくに妊娠初期(3ヵ月以内)は避けなければなりません。
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効能 |
トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症) |
用法 |
- 200mg錠..チニダゾールとして、通常成人1クールとして1回200mg、1日2回、7日間経口服用する。またはチニダゾールとして、通常成人2,000mgを1回経口服用しても良い。
- 500mg錠..チニダゾールとして、通常成人2,000mgを1回経口服用する。投薬終了後、腟トリコモナスを検出した場合は、投薬終了時より少なくとも1週間ぐらいの間隔を置いて再服用する。
※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。 |
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副作用 |
副作用は少ないほうです。ときに、食欲不振、胃の不快感、吐き気などをもよおすことがあります。ひどいときは、早めに受診してください。
重い副作用はまずありませんが、類似薬の長期服用においては、末梢神経障害や脳波異常の報告があります。手足のしびれ症状やピリピリ感などに念のため注意してください。また、もともと、けいれんを起こしやすい人では、けいれん発作の誘発に注意が必要です。
- 食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢、腹痛
- 頭痛、眠気、けん怠感
- 発疹、白血球減少
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