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成分(一般名) ルリコナゾール
製品例 ルコナック爪外用液5% ・・その他(ジェネリック) & 薬価
区分 他の化学療法剤/抗真菌剤/爪白癬治療剤

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概説    作用    特徴    注意    効能    用法    副作用

概説 真菌を殺菌する塗り薬です。爪白癬(つめはくせん)に用います。
作用

【働き】

カビの仲間を専門的に‘真菌’といいます。いわゆる水虫は真菌のうちの白癬菌(皮膚糸状菌)による皮膚感染症です。この白癬菌が爪に感染すると、爪が白く濁り厚みがでてボロボロもろくなってきます。爪白癬(つめはくせん)です。

このお薬は、そのような爪白癬の治療に用います。有効成分はルリコナゾールという抗真菌薬です。強い抗真菌活性を特徴とし、爪の中や爪の下の皮膚によく浸透し白癬菌の発育を阻止します。治療期間は長めになりますが、爪白癬の完治が期待できます。

【薬理】

真菌の細胞で人と違うところは、エルゴステロールを主成分とする植物性細胞膜をもっている点です。この薬は、そのエルゴステロールの生合成を阻害し、真菌の発育を抑制または阻止することにより、殺菌的に抗真菌作用を発揮します。

【臨床試験】

爪白癬に対する効果をプラセボ(にせ薬)と比較する試験がおこなわれています。参加したのは、爪感染面積が20〜50%の軽度〜中等度の爪白癬の患者さん293人。このうち194人はこの薬を、別の99人はプラセボを使用します。

有効かどうかの判断は、使用1年後の治癒率をプラセボと比べることでおこないます。治癒率が高いほど有効性に優れることになります。なお、治癒の定義は、爪の混濁が完全に消失して見た目で治り、かつ直接鏡検で白癬菌が陰性になった場合です。

その結果、この薬を使用していた人達の治癒率は14.9%(29/194人)、プラセボの人達は5.1%(5/99人)でした。この薬の治癒率がプラセボを上回り、爪白癬に対する有効性が確かめられたわけです。ただし、臨床的に十分な治癒率とは言えません。とりわけ、爪白癬の大半を占める菌種(T.rubrum)における治癒率は4.7%(7/148人)たらずでした。
特徴
  • 爪白癬を適応症とする外用剤です。有効成分のルリコナゾールは、強い抗真菌活性と幅広い抗真菌スペクトルを持つイミダゾール系抗真菌薬です。これを高濃度で配合し、かつ爪に対する透過性・貯留性を高めた新規外用剤として開発されました。なお、同一成分のルリコンクリーム1%、液1%、軟膏1%の3製剤が皮膚真菌症治療薬として発売済みです。
  • 1日1回塗るだけで爪白癬の治癒が期待できます。飲み薬のような全身性副作用や薬物相互作用の心配がなく安全性も高いです。ただ、治癒率は経口抗真菌薬に劣ります。また爪混濁面積が50%以上の重症例に対する有効性は確立されておらず、内服療法にとって代わるものではありません。肝障害や飲み合わせで内服療法が困難な場合の選択枝として、また補助的に内服療法と併用したりします。
注意
【診察で】
  • 水虫の薬で‘かぶれ’を起こしたことのある人は、医師に話してください。
  • 市販の水虫薬を使用していた場合は、そのことを伝えておきましょう。検査で菌が見つけにくいことがあります。

【注意する人】

患部の周辺に傷口がある場合は、注意深く使用します。

【使用にあたり】
  • 使用部位や用法・用量は、医師の指示どおりにしてください。詳しい使い方や注意事項は説明書にありますので、よく読んでおきましょう。
  • 通常、1日1回、病気の爪全体に塗ります。爪と皮膚の境目にも十分に塗ってください。
  • 刺激を感じることがありますから、周りの皮膚についた薬液はティッシュペーパーや綿棒でふき取ってください。周囲に傷がある場合は特に注意しましょう。
  • 時間は夜就寝前がよいかもしれません。ただ、入浴やシャワーの後に使う場合は、水けをふき取り、爪を乾燥させてからにしてください。また、薬を塗った爪は、寝具や衣服に触れる前に乾かしておきましょう。
  • 薬剤の浸透がよくなるよう、必要に応じ、やすりや爪切りなどで爪の手入れをしたあと使用するとよいでしょう。
  • 誤って、目に入らないように注意してください。万一入った場合は、直ちに水で洗い流してください。
  • 使用期間は爪部位や感染面積などによります。いったん変色した爪が元通りに回復するわけではありません。爪が生えかわり きれいになるまで半年から1年くらいかかります。決められた期間、根気よく続けることが大切です。

【食生活】
  • 患部にマニキュアなどの化粧品を使用しなてはいけません。
  • 衣類に付着すると黄色に着色することがあります。また、合成樹脂を軟化したり、塗料を溶かしたりすることがあるので注意してください。
  • 靴下、バスマット、トイレのスリッパなど感染源になりやすいので、こまめに洗濯し清潔にしておきましょう。

【備考】

爪白癬の治療は、治癒率が高いイトラコナゾール(イトリゾール)やテルビナフィン(ラミシール)による内服療法が推奨されます。一方で、副作用や薬物相互作用の問題から、肝臓病のある人や合併症の多い高齢の人には使いにくく敬遠されがちです。このような場合に、この薬(ルコナック)やエフィナコナゾール(クレナフィン)による外用療法が治療選択肢となります。
効能

【適応菌種】

皮膚糸状菌(トリコフィトン属)

【適応症】

爪白癬
用法 1日1回罹患爪全体に塗布する。
  • [注意]本剤を長期間使用しても改善が認められない場合は使用中止を考慮するなど、漫然と長期にわたって使用しないこと(本剤の臨床試験において、48週を超えて使用した場合の有効性・安全性は確認されていない)。

※用法用量は症状により異なります。医師の指示を必ずお守りください。
副作用 塗り薬ですので、副作用は少ないほうです。塗布部位の皮膚乾燥や塗布時の軽い刺激感はそれほど心配ないと思います。人によっては‘かぶれ’を起こすことがありますから、かえって赤みやカユミがひどくなる場合は早めに受診してください。

  • 皮膚乾燥、刺激感(しみる、ヒリヒリする、熱感)
  • 発赤、紅斑、湿疹、かぶれ(接触皮膚炎)

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おくすり110番

注意! すべての副作用を掲載しているわけではありません。いつもと違う、「おかしいな」と感じたら早めに受診してください。
症状に合った薬が適正に処方され、また正しく使用するかぎり、重い副作用はめったに起こりません。まずは安心して、決められたとおりにご使用ください。